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グルーヴィであれ。

ここはとある一室、二人の男女が炬燵を囲んで談義している。
傍にハチワレの猫が眠そうに欠伸を一つ。
男が言った。
【最近、グルーヴ感を意図的に出せるようにするにはどうすればいいか考えてるんだよね。】
女が返す。
「グルーヴ感?」
【前に洋楽と邦楽の音源の違いについて話したじゃん?】

「あぁ、なんか言ってたね。」
【グルーヴについては色々調べたり、実際に演奏したりしてみたりしたんだけど、あるYouTubeでわかりやすく言ってる動画が一つあってさ。
【黒田和良さんっていうジャズドラマーの人がやってるYouTubeの動画のひとつで…】

【この動画でグルーヴの事を言ってるんだけど、そういうことかって腑に落ちた。とてもわかりやすかった。】
「見てみたけど、なんとなくわかったよ。」
【他にもネットで調べたり、他の人のYouTube見たけど、なんかしっくりこない。】
【この動画見てから、黒田和良さんリスペクトー!ってなってる笑、推し笑。】
「イケメンジャズおじさまだね笑。」
【自分でも色々考えてみたんだけど、グルーヴのキモはリズムのズレ。】
「うん。」
【その前に、まず音楽ってリズムは一定に鳴らした方がいいって前提で話すね。】
【んで、簡単に一定のリズムが刻める音が聞けるモノがある。】
「なになに?」
【ちゃちゃちゃちゃ〜ん!】
【メトロノーム!】
「未来の道具だね!」
【これでジャイアンもイチコロだよ!のび太くん!】
「ノリノリだね笑。」
【話がそれた笑、んで、メトロノームなんだけど、鳴らしてみるね。】
『チッ、チッ、チッ、チッ…』
【無機質だよね?】
【リズムは一定だから音楽的には間違ってない。】
【でも、なんの味気もないつまらないリズム。】
「ふむふむ。」
【で、アクセント、3拍目に持ってくる。】
チッ、チッ、カッ、チッ…』
【ちょっとだけ面白くなったけど、まだ弱い。】
「そうだね、これだけ聴き続けるのは辛い笑。」
【メトロノームでわかったと思うけど、一定のリズムじゃグルーヴが生まれない。】
「ズラすとグルーヴするの?」
【そう!ズラすとグルーヴするんだよ。】
【ただ、ズラし具合は一定じゃなきゃいけない。】
【ズラし具合が一定じゃないとリズムがぐちゃぐちゃになる。】
「同じ間隔でズラさなきゃ駄目って事?」
【そう!頭いいね。】
【そんで、そのズレが聴き手に違和感を与える。】
【違和感って不安な気持ちになると思うんだよね。】
【この不安感で心が揺れる。】
【でも、リズムは一定で上手くアクセントなんか入ってると心地よく安心する。】
【不安と安心が入り混じって高揚感が産まれるんじゃないかな。】
【これがグルーヴの秘密だと思う。】
「ほぉ〜。」
【音に関しても、トニックは安定した音でドミナントに進行すると、ドミナントは不安定な音なのね、ここで違和感、不安な気持ちになってトニックに戻ると安心する。音にも高揚感があるよね。】
「漫画もトラブルが起きて不安な気持ちになって解決すると安心するね。」
【俺の個人的見解だし、グルーヴに関しては賛否両論あるから、これが正解とは言えないかもしれないけど。】
「そうか、でもわかりやすかったよ。」
【後、外国の人のグルーヴ感が凄いのはクサと関係が深いのかもって思った。】
「クサってあのクサ?」
【クサ限定じゃないんだけど、やると正常な感覚じゃなくなる。】
【感覚がズレてリズムもズレてくる。】
【でも、どこかに一定にしなきゃって意識もあって、凄いグルーヴが産まれる。】
【まぁ、感覚のズレ具合が不安定だから、いい時もあれば最悪な演奏の時もあるんだけども。】
「突っ込むね!」
【これは完全に俺の妄想だから笑、笑い話で聞いといて笑。】
「わかた笑、でも普通にグルーヴ感ってどうやって身につければいいの?」
【まぁ、ズラした演奏を録音してどれくらいのズレで気持ちよく聴こえるか研究するか、グルーヴ感が凄いミュージシャンをコピって感覚を覚えたりすればいいんじゃないかな。】
【後は人に教えてもらう。】
【音楽理論とかギターの弾き方もそうだけど、やり方がわからないものは教えてもらうのが上達への近道だよ。】
【でも、試行錯誤して自分で見つけると、そこから個性が産まれる。】
【個性的な人に教えてもらうと、その人の個性が継承されるかもしれないって道もあるね。】
【どうするかはその人次第だね。】
「やり方は様々だね。」
【たまに教えてもらったわけでもないのに、いきなり出来ちゃう人もいる。】
【そういう人を天才って言う。】
「音楽の神様に愛されたんだね。」
【だね。】
『うみゃ〜。』

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