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ジャニーズが世間から納得いく対応を求められる理由。12年前の大相撲の対応から考える。

ジャニーズ事務所が岐路に立たされています。

この記事では特に過去の出来事の是非や当事者、マスコミやスポンサーを批判する類のものではありません。過去の経緯やそれを踏まえたうえでどのようにお感じになるかは人次第だと思っています。

また、入ってくる情報や見解もメディアによって異なります。元々擁護する側の見解の方は擁護側の、そして批判する側の見解の方は批判側の情報を目にする機会が多いため、二つが交わることはありません。

現時点では双方が双方を叩き合うという地獄のような状況が続いています。この話題についてはSNSは見ない方が得策です。どちらの側に居ても、ただ消耗するだけです。

どうしてもこの手の話題になると自分の意見が理解されないことや世の中が望んだ方に進まないことに対してストレスを抱えがちです。

ただ、このnoteでは何度か触れていることですが、自分が抱えているストレスの実に8割が自分の力ではどうにもならないことに起因しています。私や読者の皆様が怒りを覚えたところで今回の問題は解決しないものだということを理解しておく必要があります。

そのため、まずはこの問題についてはある程度冷静に、距離を置きながら、時には目にしないという選択肢を取るべきことだと私は思っています。

事実として整理されつつある事柄と、当事者ならびに周囲の対応、そして世の中の意見をまともに受け止めていると頭が狂ってしまいます。

そういう次元の、普通ではないことが起きていることだけは事実です。とりあえず、一旦この問題に対して推奨される接し方を提示したうえで本題に入ります。

冒頭で私はジャニーズ事務所が岐路に立たされているという話をしましたが、それは間違いないところだと思います。

これからも多くの方に広く愛される存在なのか。
それとも今のファンを中心に、限られた人にだけ支持される存在なのか。

私は相撲を中心にライターとして活動していますが、およそ10年前に相撲界では若手力士への暴行事件を機に様々な不祥事が明るみに出ました。本場所も1回中止になり、次の場所では「技量審査場所」という、料金を取らない場所を経験しました。

当時失った信頼は未だに取り戻せておらず、大相撲は緩やかに衰退の道をたどっているのが実情です。多くの方の努力の甲斐あって本場所は連日満員御礼ですが、白鵬引退後世間は現役力士の名前を殆ど知らないという現実を日々目の当たりにしています。

勿論不祥事だけがその理由ではないのですが、あれを機に世間の信頼は大きく揺らぎ、多くの方を落胆させ、そして年月を経て遂に無関心という最悪な状況を招きつつあるのです。

人気は回復しましたが、それは元居たファンが戻ってきたことが大きな要因です。新たなファンも多く獲得してはいますが、今は大相撲が国民的な関心事とは言い難いことは間違いなく、失ったものを取り戻せてはいません。

最初は落胆していた人たちも、不祥事を叩いていたメディアも、最近は不祥事が起きても大きなニュースにさえならないですし、当時ほど批判の声も上がりません。悪い話題の時だけ出てきて批判していく「にわかアンチ相撲ファン」も一定の数居ますが、あくまでもその程度の話です。

高齢者に人気のあるマイナージャンルのスポーツというのが、今の大相撲を客観的に見た時の評価ではないかと思います。

現在ジャニーズ事務所に対する報道を見る限りでは、大相撲が辿ったのに近しい道が待ち受けているように思えてなりません。

これだけのことが起きるとファンは支えてくれますが、元々のアンチは更に先鋭化し、無関心だった層は勿論、比較的好意的だった層でさえネガティブ側へと転じてしまう。これがつまり、マイナージャンル化ということです。

全体的にネガティブな見方が蔓延ると、それを覆すのは至難の業です。

私は未だに自分が相撲ライターをしていると言うとかわいがりがどうのとか、八百長がとか、貴乃花がどうのみたいな切り口でネガティブな話題を出されることがあります。

私が相撲を愛しているということを知っていて、それやる?とも思いますが、様々な見方がありますし、デリカシーを求めすぎないようにというのはいつも考えていることです。ですからそういう人を私は責めません。

話は戻りますが、これだけ大きな問題が起きた時は可能な限り多くの方に支持されるような対応が求められます。言い換えると、身内に甘い対応などしてはならないのです。

一定の理屈があっても、多くの人に納得してもらわなければ意味がありません。私はよく「不祥事を起こしたときこそ、想像よりも厳しい処分が必要になる」と言っていますが、それはこうした理由に依るものです。

短期的には血を流すことになりますが、長期的に見れば多くの理解が得られる。でもそれがなかなか出来ない。

身内の論理って多くの方の支持を集められないんですよ。だから、本人たちの中では正しいのかもしれないですけど、それが身内の論理になっていないかを厳しく見なければならない。ただ内部に居ると外部の目線が分からなくなるし、何故か内部に優しい「第三者委員会」を作りがちになってしまいます。

そして実はこれが最も怖いことなのかもしれませんが、マイナージャンルになってしまうと次代の担い手が入ってこなくなるのです。

マイナスイメージが色濃く残る事務所に、どこの親が子供を任せようと思うでしょうか?観ている分には楽しいけど、じゃあ自分の子供が入ると言ったらどうか?ということです。

大相撲もこの10年でずいぶんと新弟子の数が減りました。年間80人程度で推移しましたが、これは30年前のおよそ1/3以下です。最新のデータでは60人程度という話も出ているほどで、いかに深刻かが分かります。

恐らくファンはある程度支えてくれることでしょう。世間の冷たい目を敵視しながら、それでも支えることに使命感を覚えることも一つの傾向とで出てくることだと思います。

ただ、担い手不足によるパフォーマンスの低下だけはどうすることも出来ない問題と言えます。ファンだけではジャンルを維持することは出来ないのです。

世間の信頼を取り戻すことは、マイナージャンルへの転落と次世代の担い手不足防止のためにも絶対に必要になることです。そういう意味で、今ジャニーズ事務所はどんな選択をするか多くの人が注目していると言えるでしょう。

この機会を逃したら、世間の目を変えることは出来ないでしょう。これは最初で最後のチャンスなんです。

ただ、大勢は決した感もあります。既にスポンサーなども具体的な行動に移っています。デジャヴのように事が回り始めているところを傍観し、こうなってしまうのかと思っているところもありますが、しくじりの先輩というだけで身につまされる想いです。

勿体無いな、もっと上手くやれるのにというのは何の責任も無い者だから言えることなのかもしれませんが、そうなると責任とは何なのか。単に最善策を取る足枷でしかないのか、目を曇らせるだけのものなのかと思わされます。

綺麗事で批判はしたくないので、是非は問いません。ただ、ファンもアンチも中間の人も感情を掻きむしられている様を見ていると、何とも言えない気分になるのです。

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