スーパーマリオ
11/05 21:30から、Stand FMで「面ゆる」マガジンメンバーのさぼてん主婦さん、リトさん、ががさん、Kojuroさんと初めての配信を行います。
今回は、Kojuroさんリスペクトということで、Kojuroさん風の記事を作成しました。是非ご覧ください。
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妻は、熱しやすく冷めやすいところがある。
色々と、目に入ったものを買うのはいいのだが、どうにも長持ちしない。
多少興味に浮き沈みがあっても、頑張って続けようとする私とは、この点において真逆の性質を妻は持っている。
悪いことではない。ただ、かつて妻が興味を示し、使わなくなったモノたちが、少々不憫になることがある。
例えば、エアロバイクは、ほぼ私のものである。
半年前に、妻が購入した、エアロバイクの総走行距離の95パーセントは、私が漕いだものだ。妻は「よくそんなに漕げるね」と笑う。
妻はやっても30分程度だ。
私は漕ぎ始めると、少なくとも1時間は続ける。
だから、妻のものが、気が付いたら無料で私のものになっている、なんていうことはかなりある。無料でまぁまぁ高額なものが、手元に転がり込んでくるのだから、妻の冷めやすい気質も私には悪くないのである。
そんな妻が、この夏に突然「Switchを買いたい」と言い始めた。
どうしたのだろう。
今までゲームをやりたいということは耳にしたことが無かったので、意外だった。
話を聞いてみると、スーパーマリオがやりたいのだという。SwitchのCMでも見てやりたいと思ったのだろうか？
だが、更に聞いてみると、妻がやりたいのはファミコン時代のスーパーマリオなのだという。
心の中の、リトルNishioが、囁いた。
え？
今更、スーパーマリオ？
ただ、そんなこともある。不意に何かに対する熱量が一気に高まることは、私とてたまにある。去年の今頃「YOASOBI」がやけに気になったこともあったし、そんなものである。
妻の気質上、このように何かに興味を示しても、時間を置くと冷めることもある。だから、少し様子を見ることにした。
ただ、スーパーマリオ熱が冷めることは、無かった。
1人で購入するにはやや高額だが、2人で買えばそうでもない。妻が欲しいとは言ったが、私もプレイする可能性を考えると、妻だけに負担させるのも罪悪感があるので、私も半額出すことを提案した。
そして、本八幡西尾邸に、Switchが入荷された。
年額2400円のオンライン登録をすると、昔のファミコンとスーパーファミコンの有名ソフトが、それぞれ30本くらいプレイできる。
これは、お得だ。
早速、妻はスーパーマリオをプレイし始めた。
しかし。
しかし、である。
面白いほど、妻は、スーパーマリオが下手なのだ。
話を聞いてみると、子供の頃にファミコンを買ってもらえなかったらしく、仲の良い友人の家に行った時に、プレイするのみだったのだという。
なるほど。
これは、殆どやったことが無かったからなのか。
実は、妻は、かなり要領が良い。
勉強が出来るタイプではないが、地頭が良い。相手の言いたいことをすぐに理解し、立ち回りを間違えることは、あまりない。
だから、スーパーマリオも慣れたら出来るようになるだろう。そんなふうに見守っていた。
しかし、数日経っても、一向に上達しない。
笑いながら様子を見ていると、妻のスーパーマリオに一つの傾向があることが分かった。
パワーアップアイテムを取ろうとして、死ぬのだ。
キノコとか、フラワーとか、こういうものは大体の場合、取れば難易度が下がるので、製作者側も少し取りにくいところに配置する。
だから、下手なプレイヤーがこれを取りに行こうとすると、どうしても死にやすいのである。
見かねた私は妻に、アイテムを取らない方が死ななくて済むんじゃない？と言ってみた。
だが、妻は頑なにアイテムを取りに行く。そして、マリオの骸が大量に作られる。
妻はアイテムを取りに行くときに必ず
キノコをください
と言う。
だが、キノコを取ろうとして、イカやトゲトゲに体当たりされて、死んでしまう。
キノコをくださいすると、ピンチになる。だが妻は、マリオが小さい状態であることの方が、もっと嫌なのだ。
3面くらいクリアすると、記録が出来る。でも、その間に残機が無くなると、ゲームオーバーだから、3面の中でも最初の1面からやり直しになってしまう。
きのこをくださいと言い続け、パワーアップしようとするが、どうにもそこから先に進めない。
ここで妻の気質が露になる。
スーパーマリオに、10日くらいで、飽きてしまったのだ。
心の中の、リトルNishioが、囁いた。
今回は、割と、早かったな。
妻は今、スーパーマリオをやらない代わりに、ぷよぷよを2日に1回くらいプレイしている。
妻は、最初はぷよぷよも、下手だった。話を聞くと、ぷよぷよも、殆どやったことがなかったらしい。
ただ。
数日後。
高速で落ちてくるぷよぷよを、物凄いスピードで妻は捌く。そして、毎日のように全面クリアする。
私は、驚いた。
あれほどスーパーマリオが下手だった人が、ぷよぷよは上手いのか。
分からないものだと思いながら、今日も妻は、夜10時になるとぷよぷよを黙々とプレイする。
私は、マリオ１、マリオ3、マリオワールドを1週間でクリアしたが、ぷよぷよは、全く駄目だった。あれは、本当に駄目なのだ。
家内に、マッサージは、特に不要だ。
大体機嫌に、浮き沈みは、ない。
我が家は、私が何もしなくても、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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