『42歳、老いに向き合う』
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私は基本的に短髪です。
髪を伸ばしていたのは大学1年生の頃くらいです。
あの頃はどういうわけか、金城武みたいなヘアスタイルが流行っていて、大学入りたてだったこともあって伸ばしていましたが、本人は金城武気取りでも野口五郎って言われてへこんだこともあります。
面長なものですから長くするとあまり似合わないと思っていたので、短髪の方が安心するんですよ。髪の毛乾くのも早いですしね。風呂上がりでドライヤー掛けると1分かからないですから。だから、嫁さんにいつも羨ましがられます。
そういえば子供の頃から短髪っていうか、あのころは「スポーツ刈り」って呼んでいて、前髪を残してあとは丸坊主っていうスタイルだったんです。
中学卒業するまでは。思い返してみると、あれの何がどう「スポーツ」なんですかね。前髪があることがスポーツなのかなぁ。
もはや短髪以外の選択肢が無いので、伸ばそうっていう発想も無いですし、髪を切る時は担当のコイケさんに「お任せで!」でおしまいです。
冗談で「モヒカンでも逆モヒカンでもなんでもついていきます!」って言って、ちょっとノッってくれるんですが、少しだけ「もし本当にモヒカンにされたらどうしよう」って思うんです。結局普段通りになるんですけどね。
というわけで、私は基本的に短髪だったんです。
で。
数か月前のことです。
嫁さんと出かける前に髪をワックスでセットしていた時のことです。
いつものようにハードワックスで毛先を立てて、スプレーをシュッとやる。多少のマイナーチェンジはあっても大体同じようなすき具合ですし、セットの仕方は大して変わらないです。だからすぐ終わるんですよ。
私がすぐ終わるので嫁さんが後ろで待っていたんです。
嫁さんは結構私が食べるところとか、何かをするところをじっと見ている時があって、それがちょっと落ち着かない時があるんです。
この日も、じっと私のことを見ているんです。
ああ、いつものやつだ。
ちょっと落ち着かないなぁ。
でもすぐ終わるだろうから、洗面台を嫁さんに譲ろう。
って思ったその時。
嫁さんが言うんですよ。
「(´・ω・`)毛、生えてるよ」
毛、か。
まぁヒゲの剃り残しのことだろうなぁ。じっと見て、ちょっと大げさだよ。まぁすぐに処理すればいいか。くらいにしか思っていなかったんです。
でも、嫁さんの様子が普段と違うんです。
「え?どこに生えているの?」
急いでいたので、私はちょっと苛立ちながら聞きました。
「(´・ω・`)耳。耳だよ。」
え?
そんな馬鹿な。
だって私、40過ぎても髪の毛フサフサで、私にそっくりだった母方の爺ちゃんが波平さんだったのにそれを乗り越えてきたんですよ。
それにね、まだまだ白髪も全然ないんですよ。1か月に1本くらいひょっこり出てくるくらいで、髪の毛はボリュームある上に真っ黒なんです。
大学入りたての頃は金城武気取りの野口五郎だったから「30歳くらいですか?」なんて言われたし、福島の塾で働いていた頃も「ねえ西尾先生、三十路?三十路なの?」なんて聞かれていましたけど、30過ぎてからは若く見られてきたんですよ。
それが、誰にも言わないし、誇らないし、自慢もしないけど、密かな私の自慢だったんですよ!!
その私が、耳毛なんて生える訳ないじゃないですか。
耳毛なんて、おふくろさんの川内“耳毛”康範くらいしかアイデンティティ持っている人居ないじゃないですか。
眉毛なら村山首相とかサリーちゃんのパパとか居ましたけど。あんなモッサリ耳毛生やして、なんで手入れしないのか、気づかないのか、おふくろさん騒動で森進一と揉めていた時本当に分からなかったんですよ!
だから、仮に、万が一にも耳毛が生えてきたとしても、すぐに気づくって高をくくっていたんです。
最初はえ?(´・ω・`)って顔をしていた嫁さんだったんですけど、ちょっと様子が違うんです。普段ちょっと私が若く見られているのを内心鼻にかけているのを知っていたんでしょうね。
なんか、ニヤニヤ(・∀・)し始めたんですよ。
ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
違う!
断じて違う!!
私は川内“耳毛”康範でもなければ、まだまだおじさんじゃないんですよ!!
おじさんなのは、戸籍上だけなんですよ。姪が9歳だから、法律上は「叔父」なのはもう仕方がない。これだけは抗えない。
でもね。
でもね。
まだ1日余裕で10キロ走れるし、体重58キロキープしてるし、体重計乗ると体年齢31歳って出るし、健康診断もコレステロール以外はA判定だし、本買ってくれた人が「え?西尾さん想像よりイケメン!」って言ってくれるし・・・
だから、耳毛なんて無いんですよ!!
そんなことは断固認めん!
って頑なに拒否はしましたけど、もし出ていたらそれはそれで困るので洗面台の鏡で見たんですよ。
そしたらね。
ひょっこり出てるんですよ。
しかも、両耳から。
嘘だ…
この私が、耳毛…
ワタシ、ミミゲ…
ガックリと肩を落としながら、ニヤニヤが止まらない奥さんが、「(・∀・)じゃあ耳毛切ろうぜ」ってテンション上がってるんですよ。
でもね。
耳毛なんて生えたことないから、耳の中でどんな構造で生えているかもよく分からないんです。
なんか、居るんですよ。
でも、どこから生えてるかが分からない。
とりあえずこれはってことで、眉毛を切る用のちっちゃい刃がぐるぐる付いてるタイプのカミソリを耳の中に突っ込んでソフトにぐりぐりしたんです。
でも、なかなか奴には届かない。こっちもムキになってちょいぐりぐりやるんです。
すると、ちょっと皮膚に入ったせいで、出血しました。
耳毛に加えて出血ですよ。
我が耳は。
もうどうなってんのよ。
耳付近がカオスなことになっています。
ちょい血が出る中で、ようやくどこに居るかが理解できたので、そこに刃を向けてぶった切りました。すると、耳毛野郎から元の西尾に戻ることが出来ました。
とりあえず、よかった。
ただ、耳毛についてはこれからも付き合わなければならない。
耳毛って、数か月付き合ってみて気づいたんですよ。
耳毛は、忘れやすいんです。
だから、気づいたら耳毛晒して近所の西友とか行ってる可能性あるんです。あと、耳毛ブラブラさせてると嫁さんが例の如くニヤニヤ(・∀・)するんですよ。
だからもう、自衛のために、
髪を伸ばし始めました。(邪魔だ…)
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これが何かはわからないけど、わからない何かが出てきたあとで自分で話をスイングさせようとしているこの感じが記事としてとてもいいです。
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