20年前に彼女が魔改造を求めてとんでもない禁止令を出した話
我が家では最近NHKオンデマンドをちょいちょい見るようになりました。
あれ結構面白い番組やっているんですよね。一番面白かったのが「プロフェッショナル仕事の流儀」のYOSHIKIさん特集でした。
もうね。
ぶっ飛びすぎて見れば見るほどどういう人なのか分からなくなるんですよ。
本来密着取材していけば、印象的な言葉を聞けば聞くほどにその人となりって出てくるじゃないですか。で、よく分からなかったその人を深堀してあーなるほど、こういうことを考えて、こういう行動を取っているんだっていうことが分かる。
密着取材っていうのは基本的に知っていくことが楽しいと思うんですよ。
ただ。
YOSHIKIさんの特集ってまるでわかんなくなるスケールで話が進行していて。
でも別にそんなことはどうでも良くて。
私の理解を超えたところに居る人が色々と話してくれて、生き方を提示してくれて、分かるとか分からないとかそういうことじゃなくて、そんなものに触れる機会ってそんに無いんですよ。
だから、本来のドキュメンタリーの目的とは全く違うけど本当に面白かったんです。
元々Xが大好きで、当然フルアルバムは全て持っていて(メジャーデビューから3枚しかないんですけど)、そういうのもあって、ポジティブな心境で受け入れる準備が出来ている状態で見るドキュメンタリーだからなお面白かったんですよね。
ああ、私ってそういえばXとかYOSHIKIさんとか好きだったなぁ中高生くらいの頃までは、ってことを思い出していたら、当時好きだった音楽、スポーツ、いろんなもののことを思い出したんですね。
ただ、そういう一連の好きなものって二十歳くらいの頃に結構リセットされたんですよ。今日はその時の話をしたいと思います。
二十歳くらいの頃の話と聞いて、賢明な読者の方は考えるはずです。西尾さんの思い出話の中で当時のことってどんな話が出てきたかな?
私も二十歳くらいの頃の話ってそこまで多くはしていないと思っていて、昔話の中心って子供の頃の登戸の話とか、あとは稲田中学校略して「稲中」のこと、あとは通称「少年院(あくまでも例えです)」こと男女別学(男女でクラスも校舎も異なる)の高校のこととか、まぁそんなところだと思うんですね。
そのあたりの頃に私が培ってきた嗜好がコツコツ積みあがって来て、それをぶっ壊す歴史的な出来事があったんです。
それが、大阪の「例の彼女」の話です。
読者の方の中で「例の彼女」ファンがどれくらい居るかはわかりませんが、ここまでぶっ飛びエピソードを色々と披露してきたあの女性です。
基本的に自分の理想に私を近づけようと「魔改造」しようとすることが発端となって色々とおかしなことが起きる傾向にあります。
魔改造の一環として様々なことが行われましたが代表例としては「キラリ!」というヘア雑誌に投稿されてひどい目に遭ったり
雰囲気のいい映画を観て出演者から学んでほしいということで観たのがとんでもないクソ映画だったり
その中の一つを思い出したんですよ。
YOSHIKIさん見ていたら。
当時の私って殆ど女性とお付き合いしたことが無かったんですね。
自分に自信が無かった訳ではなくて、今風の言葉でいうところの「自己肯定感」っていうのも低くは無かったんですよ。むしろガチれば大概のことがある程度のレベルで出来るくらいに考えてはいたんです。下手なりに1か月半でズブの素人がギターでライブ出られるくらいですからね。
ただ、その自信って女性を前にする時とはまたちょっと違って。そっちの自信の経験値みたいなものが本当に無かったんですよ。
だから、ちょっと臆病なそぶりとか喋り方とかしてしまっているところがありまして、それを何とかしてほしいという訳です。
要は、体全体から自信が出ていない。
もっと雰囲気イケメンを目指せ、と。
そのためのメンズノンノ購読であり「Red Shadow赤影」鑑賞会であり、ヘア雑誌「キラリ!」に出ることということなんですよ。だから、彼女からすると私の気に食わない点を全部何とかしたくて仕方が無いんですね。
42歳になってみて思うのは「例の彼女は私の何が好きだったんだろう?」っていうところなんですけど、まぁこれだけ面倒なことに心血注いでいたんだからそれなりに気に入ってくれていたんだろうなぁとは思います。
普通だったらそんなこと言われたら嫌気さすと思うんですよ。
でもなんか
「ここまで言ってくれる」
とか
「ダメだと言っているのにそれに応えないのは悪い」
っという発想になっていたんですよ。
そんな中で、彼女のチェックは私の趣味嗜好に及んで。
音楽はフレンチポップスとか聴かせようとするんです。そして飯食いに行ったらペリエとか飲ませようとするんです。
まぁ好きなものをリコメンドしていただく分にははい、って言ってそれを有難く頂戴したり見たり聞いたりすればいいんですよ。そこから得るものもあるでしょうし、案外合うものもあったりしますからね。
ただね、これがリコメンドで終わればいいんですけど、「べからず」に話が及んでくることがあるんですよね。
要は、この「べからず」について私が好きだったものが色々と制限されたんですね。
例えば先日お話ししたエピソードの中に「競馬が好きだった」ということがありました。
予想は当たらなくはなっていたんですけど、競馬自体はスポーツを見る感覚で好きだったので当時も結構見ていたんです。
でも、禁止されました。
ギャンブルは身を崩すからというのがその理由でした。
ということで競馬は観なくなりました。
まぁこれは仕方ない部分もありますよね。
自分がお付き合いしている人間がそういうリスクを持っているとしたらパートナーとして声を挙げるというのは自然なことなのかもしれませんからね。
言いたいことはありましたけど、自分を正当化してギャンブルすることを吞ませようとしていると思われたら面倒なので、これはこの人と交際している以上は封印した方がいいんだろうなぁと20歳そこそこの私は一歩引くことにしました。
この辺はいいと思うんです。
しかし、中にはよく分からないものもありまして…
いや。
ビックリしますよ。
「氷室京介禁止令」が出たんですよ。
今こう書いていても意味が分からないし、モニターの向こうで苦笑いしている自分が居ます。
いや、
それ、
禁止するかね?
って。
当時私はXも好きでしたけど兄がボウイが好きだった影響でソロになってからの氷室京介さんのCDを結構たくさん持っていたんですよね。
別に普通にロックとしてカッコいいし、自然なことだったんですよ。当時はメタル野郎ですから、激しければ激しいほど好きでしたし、メタリカとかイングヴェイとか、オジーオズボーンとかその辺をリピートしていたんですね。
まぁ要は、氷室京介みたいなスタイルが嫌いだったんですよ。
彼女が。
ナルシストっぽい感覚が鼻に付いたんみたいで、私が影響を受けていると信じて疑わなかったみたいで、そういうんじゃなくて、伊賀大介とかリヒトみたいな雰囲気になってほしいって言われてたんです。
なんか伊賀大介さんとリヒトさんが完全に巻き込み事故に遭っていますけど、とにかく誰でも受け入れられるような、尊敬されるような人になってほしいってよく言われましたね。
なんだよ
氷室京介は尊敬されないのかよ
って感じで氷室さんのファンの方からボコボコにされそうな「例の彼女」ですが、とりあえずこの彼女フィルターの「みんな」によく見られるというセンスで私は氷室京介さんという嗜好も没収されることになってしまいました。
他にも色々と「例の彼女」に没収されて、私の趣味嗜好って大きく変わったんですね。だから彼女と別れてからも氷室さんとかXとかその辺は聴かなくなりましたし、競馬もやっていれば観るくらいになりました。
案外趣味って、環境次第でガラッと変わるものなんですよ。
ただ、彼女が求めるような「みんな」に尊敬される自分、雰囲気イケメンに成れたかというと全くそんなことはなくて。
あの2年あまりで私という人間の根幹は全く変わらなかったんです。
むしろ人間全般に臆病だった自分がどっか行って、面白いことを探すようなタイプの自分がムクムクと目覚めたような。彼女としては雰囲気イケメンを目指すように魔改造したつもりが、別の方向に私が向かって行っちゃいました。
なんていうか・・・
もし子供や彼氏を魔改造しようとしている人が居る時は覚えておいてほしいんですけど、人って思惑通りに進んでいかないってことなんですよ。
今日はそれを覚えていただければ、氷室京介さんも喜ぶと思います。
この記事が参加している募集
よろしければサポートお願いいたします! 皆様のために今後使わせていただきます!