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のび太みたいな奴をどう説得して勉強させるか?という話

アドバイスを良い方に結びつけるのは嬉しいこと

「お悩み相談室」という企画が面白い。

人にはそれぞれ悩みや疑問があり、解決させるためにもがいていたり周囲が求めることにどう向き合えば良いか、後者の場合は大抵周囲の要求に後ろ向きな自分を肯定してほしいというケースが多いのですが、人の数だけトピックがあるので考える方としても面白いのです。

質問される側として一番嬉しいのは、相談されたことに対して私の回答を受け入れ、実行し、そして良い方向に向かっていくことだと思っています。

このパターンの方って、回答する側としては非常に楽なんですよ。っていうのも、質問をされる際に私の出す回答を前向きに捉えようという明確な意思があるからです。

この場合は、私が最適だと思うことをお伝えすればあとは質問者の方が考え、咀嚼し、実行してくれますから、仮にアドバイスが有効に働けば最高ですし、上手く実行できなかったとしても何が足りないのか、次にどう結び付ければ良いのかを考えてくださるわけです。

こうなるともう私の手からは完全に離れているので、もう何も心配することはありません。有難いことに5回の質問の中でもリトさんやいわのりさんは既に実行されて、上手く行ったという回答までいただけています。

こういうの、本当に嬉しいんですよ。

難しいのは「やりたくない、納得いかぬことにどう向き合うか?」

ただ。

全部こういうパターンであれば良いのですが、全てこのパターンであれば世の中から戦争は完全に無くなりますし、少数派の人たちが肩身の狭い想いをすることも未来永劫無くなるでしょう。

質問に対する回答を、誰もが受け止めて実行してくれるわけではないんですよ。それがかなりのジレンマだなぁと思うことがあります。

例えば先日の「学校の宿題をしなければならない理由」について私の回答は「生きるために必要な力を多くの人がより簡単に身に着けられるイージーモードなのだから、乗っかっておいた方が得だ」というものでした。

今回の質問って「のび太みたいな奴をどう説得するか?」っていう問題だと思うんですね。

やりたくないこと、納得がいかないことにどう向き合うか?という質問って難しいんですよ。質問はしてきているし、真摯に向き合おうとする気持ちが無い訳じゃないことも多々あります。

そういう時に大事なのって、勿論やりたくない、納得がいかないことにメリットとか、筋道の通った「やった方がいい」側から見た回答を提示することです。もしくは、納得がいかない、行動に移さないことに対する後押しですね。

これ、後者であれば自分の意思を尊重してくれるんだから、相手としては超楽じゃないですか。あーこれでいいんだで終わる話なんですけど、問題は前者。この前の事例で言えば「宿題はやりたくない」と思っている人に対して「やったほうがいい」と回答するパターンです。

私は相手の行動や気持ちを変える材料を出すことしか出来ない

質問に回答する立場としていつも考えている、考えるべきだと思っていることが二つあります。

それは、私はあくまでも「相手の行動や気持ちを変えるための材料を出すことしか出来ない」ということを理解せねばならないということです。

逆に言えば、私は相手の行動や気持ちを変えることは出来ないということなんです。

どんなにいいことや正しいことを言っていても相手に響かなければ意味が無いですし、相手には相手の意思があります。仮にのび太に「宿題しなさい!」といつもの調子でヒステリックに言っても「漫画を読むほうが楽しいから嫌だ!」と主張されたら返す言葉がありません。

つまりこの場合「この道を進めば険しい道が待ち受けているから、違う道を通るべきだ」という言葉は彼には全く響かないということになります。

ただ、周囲としては彼が険しい道を登る将来が見えてしまったとしたら、こう説得するしかないんですよ。やりたくないという意思を見せることに何も言わない、本人が気づくのを待つというのも違います。

最大限出来ることと言えば、彼に届く理屈を模索して、受け入れられるかもしれない言葉を掛けることだと思うんですよ。

嫌だと思う立場に寄り添うことが大事

そして、質問に回答する立場としていつも考えている、考えるべきだと思っている二つ目のことは、アドバイスについて反対の立場で考えるということです。

平たく言うと「嫌だなぁ」とか「やりたくねえ」って考えている部分にも寄り添い、その立場や気持ちも加味したうえで回答することが大事だと思うのです。

宿題は自分の生きる力になるし、やらないとハードモードになるからやった方がいいと言っても「今やりたくねえから嫌だ」って思っている人全員に届くわけないじゃないですか。

いや、届く人も居るとは思います。居るには居るけど恐らく少数派なんですよ。この説得で届くくらいなら「宿題やりなさい!」って強制されただけで大抵やりますもんね。でも強制されてもやらないってことはそれってかなり強烈な意思表示ですよね。

のび太に関して考えれば、勉強とか嫌なんすよ。いつも0点でバカにされて、よし頑張ろう!宿題やろう!見返してやる!なんて心はとうの昔に折れている訳ですからね。

だとするとその意思を一緒に考えていかないとほとんどの場合前に進まないんですよ。私が子供の頃ってこういう子供にはぶん殴るとか、子供の立場で相当嫌なペナルティを設けるっていう方法もまだ残っていたんです。でも今はそうはいかないですからね。

結局、決めるのは本人なんですよ。

だからこちらとしては言えることは言うし、受け止めてもらうために彼らの視点(つまり私から見ると反対側の視点)を考えるようにしています。

どんな意見でも、自分の見方を押し付けないことが大事

親や上司、特にそれが相手の将来に責任を持つ立場として、相手が確実に険しい方に進んでいることが分かる時ほど説得ではなくて強制って方法を取りたくなるのは本当によく分かります。私も時と場合によってそっちに気持ちが揺れる時もあります。

ただ、それはあんまり効果が無いし、言う側も言われる側も疲弊しちゃうんですよね。

そう考えると、私のスタンスって相手に寄り添っていて優しい、言われる側からすると有難いって言っていただけることも最近は多いんですけど、言う側からすると「険しい道を進む人を身を挺して止める覚悟がない」と捉える人も居ると思うんです。

要するに、そんなのは優しさじゃなくて「決めるのは本人」っていうスタンスで責任を放棄しているということですね。

これはもう、時代の変化に合わせた私なりの最適解としか言いようがありません。だから生き方や社会的な立ち位置に合わせて皆さんなりの最適解で人に向き合ってほしいなぁとは思うんです。

つい自分の正義ややり方を正当化して、相反する意見を持つ方をねじ伏せにかかっちゃいますけど、それってやり方や考え方の違いなんですよ。考え方は色々あっていい。でもどんな考えややり方であっても、大事なのは「自分の考え方を押し付けないこと」だと自信を持って言えます。


でも最終的に思うのは…


のび太って道具に頼らずにどうやったらテストでいい点取れるのかなぁ?ということです。

というわけでいかがでしたか?

改めて誰かを説得する、険しい方に向かっているときにどう行動するか?っていうのは難しいことだなぁと思いましたが、皆さんがどのようにしているか、意に沿わないことを言われた時にどう感じたか、どう行動したか、そして西尾のお悩み相談室への感想などもコメント欄でお聞かせいただけると嬉しいです!

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これ、面白いです。本屋さんがタイトルや作者不明の本をお客様と質問を繰り返しながら正解に辿り着こうとするプロセスがいいですよ。


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