逆流性食道炎と枕について

今回は逆流性食道炎と枕の関係についてお話をしたいと思います。
2002年に枕外来を始めてから約20年間の間に10数名ほど、この逆流性食道炎と枕の関係について質問を患者様からされました。
6万人の患者様の中で10名ですからそんなに多いわけではないんですが、実はこの逆流性食道炎、近年食生活の欧米化に伴ってだんだん増えてきていると言われています。
内視鏡検査が普及することによってより発見されやすくなったという側面もあるかと思います。
逆流性食道炎、別名胃食道逆流症とも近年言われますが、この病気はこのように胃の中にある胃酸が胃から食道に逆流することによって胸やけ、げっぷ、喉のあたりの違和感、また炎症が起こると不快感や痛みを伴うという症状です。
胃のところにある括約筋という逆流を防ぐ筋肉が緩くなることで起こると言われており、近年高齢者でも増えてきています。
そのような患者様からよく頂く質問は、私は逆流性食道炎を持っているんだけど健康な人と同じように枕の調節をしてもいいのかとか、
逆流性食道炎があるから枕を高さを整える時に、指摘高さ一般的な高さではなくちょっと高めに枕を設定するべきではないか。中には高く枕をしなさいと内科の先生に言われたという患者様もいらっしゃるんです。
私のアドバイスは違います。もちろん私は逆流性食道炎の専門である消化器内科の医師ではないので、最終的にはかならず内科の先生主治医の先生の意見に従って頂ければと思うんですが、まず私の方法でも試して頂ければと思います。
このように横向き上向き、健康な方と同じように一度は枕の高さを整えてみてください。
横向きでは体の体軸が寝ている布団の面と平行になるように、上向きでは首の角度が約15度ぐらい少し前傾になるように、このぐらいの角度ですね。
このように合わせた時に夜中に胸やけや喉の違和感を感じて目が覚めたり、朝起きた時に同様の症状が出る場合にはもしかしてこのような調節は逆流性食道炎の方に合っていないかもしれないので、その枕を使うのはやめて内科の先生のご意見に従ってください。
でも、これで全く症状が出ない場合にはこのような調節でもよろしいかと思うんです。
実際に私が5、6名高さ調節をした患者様は、何の方々もその枕をきちっと使うことができました。症状の悪くなることはありませんでした。
逆に逆流を防ぐと思って枕をどんどん高くしていくと、別の要素喉を圧迫して呼吸が苦しくなったり、首や肩の症状痛みや凝りを強くしてしまったり、様々な弊害が出る可能性もあるので、そこはよく自分の症状を観察しながら調節することが肝要かと思います。
近年増えている逆流性食道炎是非、内科の主治医の先生と相談もしながら、私が提案するこの適切な枕の調節方法、これも試していただけると良いかと思います。
良い睡眠をとってぜひ症状を軽くすることも考えてみてください。

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