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スタッフの夢を広げ、新たなファンを獲得する BEAMS 未来のスター社員発掘プロジェクト 「マクアケグランプリ2021」 #Makuakeミライカンファレンス2021

2021年9月12日に行われたMakuakeミライカンファレンス2021。「ミライを創る挑戦者が集い、ミライについて考える」というテーマのもと、Makuake実行者様や各分野のプロフェッショナルを招き、さまざまな業界の未来について語ったイベントの様子をレポートでお届けします。

オープニングを飾ったのは、株式会社マクアケ 代表取締役社長の中山亮太郎の講演。「Makuakeの目指す未来」をテーマに、価値観のアップデートを意味するグレートリセットの考え方について語りました。

BEAMSとマクアケのコラボレーション企画、未来のスター社員発掘プロジェクト「マクアケグランプリ2021」。部署や職種の枠組みを超えて新商品企画を公募したこの企画では、全応募者の中から最終審査を通過した計6組が実際にMakuakeでのプロジェクトを行う権利を獲得しました。

本セッションでは、その中から3組のプロジェクト起案者が、実際にプロトタイプを見せながらプレゼンテーションを実施。株式会社ビームス 上席執行役員/経営企画室室長の山﨑元氏、株式会社マクアケ キュレーターの田中絢子氏が進行を務めました。

「マクアケグランプリ2021」について

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山﨑氏(以下敬称略):
BEAMSの山﨑です。まずは今回の企画のご紹介をさせていただきます。「マクアケグランプリ」は、「若手スタッフの才能発掘」「スタッフのスター化」「新たなファンの獲得」「スタッフの夢を広げるチャンス」ということをテーマに掲げて行っています。コロナによりお客様と我々小売業の関係性が急激に変わってきている今、ファン・お客様に応援、支持される関係性の中で新しいブランドやビジネスを作っていきたい。そこでマクアケさんにご相談し、社内グランプリを開催させていただきました。それでは各プロジェクトのプレゼンをご覧ください。

プロジェクト紹介①:もっとラフでもっと自由なワークスタイルに。沖縄発「かりゆしGUAYABERA」

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起案者:謝花勇輝さん
◆「かりゆしGUAYABERA」プロジェクトページ

謝花氏(以下敬称略):
沖縄生まれ沖縄育ちで、叔母が琉球舞踊の師範で琉球音楽や伝統舞踊に親しんだ幼少期を過ごしました。20代でレゲエと出会い、カリブミュージックやカルチャーからも大きな影響を受けました。そのバックボーンこそ、今回の企画案の着想につながっています。

ではプロジェクトのご紹介です。「かりゆしGUAYABERA 〜PRESERVE TRADITION and NEW CREATION〜」というコンセプトを掲げています。伝統や文化を守りつつ、新しいモノ・コトへと繋げていきたいという意味を込めています。

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当初は「ミンサーGUAYABERA」と名付けて企画がスタートしました。「ミンサー」とは八重山伝統の織物「ミンサー」、「GUAYABERA」とはキューバ発祥の伝統的なシャツのこと。この2つを融合した洋服のデザインを考えました。

リモートワークや在宅ワーク、二拠点生活や移住を含め、自分らしい生き方を選択できる新時代の到来を感じる現在。もっとおしゃれで普段着として活躍するワークウェアがあったらいいのになと思っている方も多くいると思います。そこで、急なリモート会議や、保育園の送り迎え、仕事終わりのお出かけに使えるようなシャツを考えました。

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沖縄には、もともとクールビズの代名詞とも言える「かりゆしウェア」が存在します。フォーマルウェアとして2000年に開催された沖縄サミットで注目を浴び、広く普及してきました。本来「かりゆしウェア」とは県産品であり、沖縄らしさを体現しているものであること、沖縄県内に事業所を置く事業者が企画製造したものである必要があります。

そこで今回、沖縄縫製品工業組合や沖縄のかりゆしブランド「Kizuna」のご支援のもと、ファッションとしてお楽しみいただける「かりゆしウェア」がMakuakeで実現しました。そして「GUAYABERA」もキューバでは正装として使われる伝統的なシャツ。その二つを融合させたデザインを実現しました。

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5つの升と4つの升を組み合わせてできたミンサー柄には、「いつ(五)の世(四)も末長く幸せに…」というメッセージが込められているので、大切な人への贈り物としてもおすすめです。

次に、今回の最大の特徴、PRESERVE RYUKYU TRADITIONに関わるネームタグについて説明していきます。

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この写真を撮った5ヵ月後、悲劇的な火災が発生しました。今回この復興支援ができないかと思い、首里城タグをつけることにしました。今後は他の商品への派生をこのタグで行い、一回ではない継続的な支援を目指しています。

「GUAYABERA」「かりゆし」の機能性と伝統性を掛け合わせたデザインで多様なライフスタイルに寄り添い、豊かにしてくれるシャツ。さらに、首里城タグをステータスとして感じてもらい「実はこのシャツ、こんな意味があってさ」という会話も楽しんでいただけたらと思います。

プロジェクト紹介②:原宿から文化を醸造。ファッションクリエイターが創ったオリジナルクラフトビール「HARAJUKU CITY IPA」

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起案者:中塩敬恵さん
◆「HARAJUKU CITY IPA」プロジェクページ

中塩氏(以下敬称略):
Ray BEAMSというレーベルでウィメンズのデザインを担当している中塩です。今回は「HARAJUKU CITY IPA」という企画についてお話しさせてください。私の中のBEAMSというと、THE 原宿というイメージがあります。さまざまなカルチャーを生み出す原宿から、ものを売るだけでなくコトを起こしてきたBEAMSに新しく何ができるかなと考えた時、ビールを通して笑顔になれる文化を作っていきたいと思ったのがきっかけです。

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ここからは商品の説明とともに、クラフトビールの世界と私の原体験も含めてお伝えできればと思います。

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まず、こちらの画像はビールのスタイルマップです。種類の多さにびっくりされると思います。でも、私たちが普段飲んでいる大手メーカーのビールはこの下側のまるで囲ったピルスナースタイルやラガーといった一部の種類のみです。

私は初め、ビールの独特な苦さや、最初の1杯という感じに苦手意識がありました。しかし、あるときクラフトビールが好きな友達と知り合い飲みに行くと、ビールにスタイルの違いがあるということを知りました。

クラフトビールに出会って、私の人生はとても豊かになりました。地方から東京に出てきましたが、ビールがあればプライベートな話をせずとも皆とすぐに仲良くなれましたし、さまざまなビールを飲んで、感想を言い合って、お気に入りを見つける楽しさもそこにはありました。それが、私がクラフトビールを好きになった原体験です。

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今回の商品についてご説明します。醸造していただくのは、愛媛県にあるDD4D BREWING様。スタイルは、WestCoastIPAです。DD4D様の地元の農家のご協力のもと、お届けする時期に旬を迎える普通伊予柑というフルーツを使ったビールをお届けします。

もともとクラフトビールが好きな方も、ビール初心者の方も美味しく味わっていただけるように、伊予柑を丸齧りしたようなジューシーさにフレッシュなホップが香り、ほのかな苦味でごくごく飲めるWestCoastIPAにしました。

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パッケージは、私の地元、愛知県名古屋市のオルタナティヴ植物雑貨店「TUMBLEWEED」の店主兼デザイナー、井本幸太郎さんにお願いして描いていただきました。最近では、飲食店での酒類提供自粛もあり、路上に捨てられた空き缶が目立つようになってきたため、飲んだ後自宅に飾りたくなるようなポップなイラストに仕上げていただきました。

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目標達成後は、さまざまなビールのスタイルを提供して、飲み比べで自分の好きなスタイルを発見していただきたいです。また、銭湯やサウナ、ゴールデン街などのオリジナルビールやお土産の作成など、その場に行かないと買えない商品を作ることで、店舗の売上や地域活性化などにも貢献していきたいなと思っております。

今回のプロジェクトで展開したいのは、BEAMS的飲みニケーションです。コロナの時代だからこそ、人との繋がりの大切さを知ったので、オリジナルクラフトビールを通じて、原宿BEAMSから笑顔になれる文化を醸造していきたいと思います。

プロジェクト紹介③:自分で組み立て、着てみよう!服の作り方が学べる立体パズル「知育玩具 ふくパズル」

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起案者:穂積優さん
◆「知育玩具 ふくパズル」プロジェクトページ

穂積氏(以下敬称略):
ビームスで企画生産などの仕事をしている穂積です。私がご紹介するのは、自分で組み立て、着ることで服の作り方が学べる立体パズルの知育玩具「ふくパズル」です。

この商品に至った背景ですが、小学校の家庭科の授業では縫製は学べても、服作りの楽しさは少ししか味わえなかったと思うんです。実用的なナップザックやエプロンではなく、普段着るような服を作ることができたら、子供の頃からファッションを身近に感じることができるかもしれません。

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そこで考えたのが「ふくパズル」です。4歳から6歳向けのおもちゃで、まずは服に興味を持ってもらうきっかけにしたいと思っています。服のさまざまなパーツを測ったり、組み合わせたり、マジックテープで貼り合わせたり。これ、実はミシンで縫うのと全く同じ工程です。でも、安全性を考慮して針や糸は一切使いません。手だけで組み立てるキットになっています。

組み立てていくうちに間違ってしまうこともあると思いますが、何回も間違って組み立てることによって服の仕組みがわかる構造になっています。それでもわからない場合は、お父さんやお母さんのシャツを参考にしてみてください。親子で服の楽しさを分かってもらえると思います。

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最大のポイントは、自分で作った服を着用できるということです。ただ作るのではなく、完成品を着用し、着心地やスタイリングを体感することによって、ものづくりって楽しいと思ってもらえたら嬉しいです。この企画で服作りの楽しさを子供達に伝え、遊びや学びのスタンダードにすることを目標にします。

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今回Makuakeでは1種類の商品展開ですが、今後は男女に楽しんでもらえる商品を作ったり、玩具屋などにも展開したりして、ラインナップを増やしていきたいです。そして将来的には、小学校や中学校の家庭科の授業に納入する教材にしていきたいと考えています。服の成り立ちや縫製方法、服を通して自己表現をする方法やスタイリングなどを教育のカリキュラムに入れ、情緒の育みに役立てる。

また、ファッションの楽しさを現代の子供たちに伝えたいという強い意志があります。それを実現することによりSDGsの4番目「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献し、日本の知育玩具や教育を世界各国へ発信していける世界の幕開けを目指していきたいと思っています。

プロジェクト実行によって得た気づき

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田中:
プロジェクトを実行してみて、やってみるまでの苦労、楽しかったポイントを教えていただけますか?

中塩(HARAJUKU CITY IPA):
こんなにも応援してくださる方が多いんだというのは自信になりました。応援コメントを、一つひとつ見ながら返信するという作業も楽しいなと感じました。

山﨑:
普段服のデザイナーをされていて、お客様とダイレクトに話す機会って少ないと思いますが、今回反応があって普段との仕事の違いは感じますか?

中塩(HARAJUKU CITY IPA):
すごく感じます。ビームスには転職で入ったんですが、消費者と近いところでデザインしたいという理由で入社していたので、今回ビールをMakuakeで販売するという形でより消費者に近づけたのは本当にありがたいことだと感じました。

穂積(知育玩具 ふくパズル):
ものづくりにはもともと携わっていたので、出来上がるイメージはできていましたが、PRのところが難しいなと作っていく過程で感じました。未来の子供達のためにこういうものがあったらいいなという想いが根本にあるので、それを将来の子供達に届けたいなと思っています。

謝花(かりゆしGUAYABERA):
私は店舗の運営をしているスタッフなのでものづくりは初めてでした。かりゆしは県内で全て縫製をしないといけないため、企画段階で何回も難しさを感じましたが、友人のブランド「Kizuna」をはじめたくさんの方のご協力があって、形になったことに本当に感謝しています。

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