見出し画像

Makuake実行者工場見学:Studio Y Creationさんにお邪魔してきました!

Makuakeでは日々様々なプロジェクトが掲載されています。そしてそのプロジェクトを実施している方々を「実行者」と呼んでいます。様々な産業で活用されているなかでも、モノづくりをされている実行者さんも多く、これまでも3,000件以上(2020年3月末)ものプロダクトを掲載してきました。

マクアケでは、そんな実行者さんのモノづくりの現場に実際にお邪魔させていただき、見学したりお話を伺ったりするMakuake Open Factory Tourを行っています。

今回は、革小物を作られているStudio Y Creationさんの工房見学の様子をご紹介したいと思います!

※今回のMakuake Open Factory Tourは昨年12月に開催したものです

Studio Y Creation
革製品製造会社にてインターナショナルブランドなどのサンプル製作に携わった吉川代表が2001年に独立。東京 蔵前駅にて工房を構え、オリジナルブランド『...to』を展開する革小物メーカー。工房では革小物づくりの教室も開いており、初級から技術認定試験対策まで幅広く対応している。

▲MakuakeではStudio Y Creationのプロジェクト「カード20枚なのにこの「薄さ」!ボディにそってフィットするスマートな財布」を実施中です!

Studio Y Creation工房見学

蔵前にあるStudio Y Creationさんの工房にマクアケメンバー6名でお邪魔させていただきました!まずは吉川代表から革加工の工程を実演も交えてご説明頂きました。

画像1

▲裁断した革を漉く工程。加工しやすいように、縫い合わせをする端や折り返しをする箇所を部分的に削り、薄くします。

画像2

▲革漉きを施した革。革を縫い合わせ「へり返し」仕上げをしやすくするための工程です。お財布など革小物はこの工程でいかに革を薄くできるかが重要なのだそう。

画像3

▲革を縫い合わせる筒ミシンです。

画像4

▲革小物を美しく仕上げる菊寄せという技法(外側の革を均等に寄せ角に沿わせている部分)。高い技術力が求められます。

一度は諦めかけた革職人としての道

もともと革製品製造会社の開発部にて、当時大流行していた海外ブランドの製作を請け負っていたという吉川さん。ライセンス・ブランド(※1)によるブランドブームの頃、大規模工場では工程ごとに分業がなされており、縫製職人や裁断職人と呼ばれる職人の方々が数々のブランドを支えていたそうです。
その後ナショナルブランドが百貨店に直販店を展開するようになり、徐々にライセンス契約が打ち切られるようになると、アパレル業界は厳しい局面に立たされるようになったと言います。
※1:海外の有名デザイナーやショップ・ブランドの日本国内での販売権を得て作られた製品

吉川さんは独立し中国に渡りますが、なかなか一筋縄では行かず、一度は革職人の道を閉ざそうと考えた時期もあったそうです。しかし、日本に戻りサンプル制作などを小さく請け負っていくうちに、「自分の好きなものを自分の技術で売りたい」という想いが強くなり、今回お邪魔した工房「Studio Y Creation」を設立されます。

自身のブランドで世界を目指したい

そして2019年に独自のブランド「...to」を立ち上げます。ブランド名は、日本語の「と」と英語の「to」両方の接続詞の意味を持ち合わせ、「作り手と使い手」で共有する「to you(あなたへ)」という気持ちが込められているそうです。

画像5

▲Makuakeで以前実施いただいた「...to」のリング付き手帳型スマホケースのプロジェクト

今後の展開についてマクアケメンバーから質問が挙がると、「自身のブランドで海外展開をして行きたい。一つひとつ作るのに時間は掛かるが、技術の高さで、勝負をしていきたい」とお話くださいました。かつてのブランドブームを目の当たりにしてきた吉川さんは、「これまで日本では、技術の高さに関係なく、同じ品番でブランドタグが付けば同じ工賃が支払われていたが、今後はそうではなくなる」とおっしゃいます。
実際に吉川さんは革技術の最高峰である日本鞄ハンドバッグ協会技術認定【小物紳士1級】及び【小物婦人1級】を取得しており、現在は審査員を務められています。そしてその技術力の高さから、鞄の産地で知られる兵庫県豊岡市に革小物作りの講師として招かれるほど。

「けれど良いモノを作るだけでは価値は半減してしまう。世の中に良い製品だということをアピールし認知してもらう事が大事だと考えています。」高い技術で良いモノを作るだけでなく、しっかりとPRをしていくことが目下の課題だとお話くださいました。

画像6

▲最後になんと素敵な名刺入れをお土産にいただいてしまいました!

Studio Y Creationのサイトに訪れると、丁寧に仕上げられた革小物の数々とともに、「ワンランク上の技術を広く後世に伝える ー美しい革小物・財布を残し続けるためにー」というメッセージが目に飛び込みます。日本の素晴らしいモノづくりの文化は、吉川さんのような作り手お一人おひとりによって守られています。

ちなみに、「...to」のデザインを担当されているのは吉川さんの奥様。二人三脚で「...to」を作り広めていきたいとお話くださいました。吉川さん、どうもありがとうございました。