カエル

カエル、アパートの隣の田んぼか、裏側の用水路かで育ったのだろう。おたまじゃくしを卒業したばかりのちびガエルが窓に張り付いている。毎日、必ず張り付いている。玄関の外には2、3匹、たまに部屋に入ってくる。

この前はお風呂場の近くで干からびて死んでいた。黒ずんでさらに小さくなって、骨が浮き出ていた。気づかなかった俺も悪いけどさ、と、悲しみと言い訳と一緒に外に投げる。

部屋に入ってきたちびガエルはすばしこくて、子供の頃の虫とりなんか思い出して少し楽しい。大人になってからは虫は大嫌いになり、触るのなんて無理だけど、カエルは平気で触れる。ひんやりとした両生類の感触も好ましく、合わせた手の中で跳ねるのも、くすぐったくて楽しい。

カエルと遠くのバイクの音と秋虫の音。あと今日はジャコパストリアスのアルバムを聴いている。

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