#9 「Letter」

つまらないこと ばっかりだわ
何かいいことが
起こらないかと
朝も夜もベッドの上で想ってる

高校時代の友達からの
久しぶりのLetterには
彼女があの頃付き合っていた彼とは終わったと記されていた

熱い恋も冷めるほどの時間
そんなにたってしまったのね
わたしは相変わらず臆病で
誰かに恋するのを怖れてる

大学生になってからは
いろいろやってはみたけれど
コンパもビールもカラオケも
何処かで馬鹿らしく思ってる

高校時代の友達への
久しぶりのLetterには
わたしはちっとも変わってないという素振りで夢を綴ったの

何かが違ってしまったから
嘘をつかなきゃいけなくなる
わたしは相変わらず臆病で
自分が変わるのを怖れてる

つまらないこと ばっかりだわ
何かいいことが
起こらないかと
閉め切った窓の外の景色を眺めてる

高校時代の友達からの
ちょっぴり不幸なLetterに
お互いさまって意地悪く笑っちゃったこと
許してね

(1992)

※【解説編】はこちら

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