#35「友達」

髪の毛に夕陽が射して
キラキラと 一本 一本が 虹色に
なぜか悲しい気持ち
わたしの寂しさ包んであなたは
わたしを愛してくれていると
感じているのに なぜ悲しい
これはきっと うれしいからの涙でありましょう

どんなに想っても わたしが誰の寂しさも救えなかったように
わたしの寂しさも 誰にも救ってはもらえないこと
それでもそばにいてくれる人がいれば
なんと 支えとなることか
わたしは幾人の心を そうして支えてこれたのか
後悔と不安ばかり
押し寄せる岸辺

絶望の縁というのは
この場所のことなのかも知れません
けれどもここは 先へは行けないけれども 後へは戻れるところです
希望を捨てない強さがあれば
終わりは決して 訪れない
怖れているものがそれならば
わたしは落ちては 行かないはず

人は何かを忘れることは出来ないと 失うことも出来ないと ただそれが 消え去るのを待つしかないと
待てずに どれだけ傷付けたか
わたしのことも あなたのことも ここでじっと待ちましょう
待ってるものは違うけれど
ここで一緒に待ちましょう
決してそばを離れたりは
お互いせずに ずっとずっと
それはいつ訪れるかもわからず
もしや永遠に訪れないかもしれず
それでも こうするしかないなら ここで一緒に待ちましょう

わたしが一緒にいられるのは
いつもそういう人だけでした
いつもそういう人だけです
そうでない人は すれ違い 通りすぎるのみ
待てない人は 待ってはくれない人は
別の流れを生きて行くのです
それはそれで 仕方なく
それはそれで いいことです

それでもわたしは思うのです 何かを待っていない人などいないと
ただそれに 気付かぬ人がいるのみで
いつかは誰もが同じように
誰かとともに 違う何かを待つのでしょう

人には人 それぞれの
想いと人生があるのです
廻り合いや 運命も 同じように過ぎ行く何か

あなたの優しさを 愛しく 幸せに思います
わたしのために 足を止め 一緒にそばにいてくれる人
わたしの寂しさを知りながら
知らないふりで 唯々 じっと
わたしを待ってくれている人達
わたしを待ってくれている人達

そうしてわたしもあなたにとっていつだって そんな存在でいようと
心に誓っているのです

(1995)

※【解説編】はこちら

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