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2020年に劇場で観た映画&「劇場版鬼滅の刃無限列車編」

今年は劇場で映画をよく観た年だった。閉館したスガイディノスが狸小路でリニュ-アルしたサツゲキで上映される作品があまりにも自分の好みとピッタリすぎるため、ついつい劇場に足を運ぶことになった。会員になってポイントを使えば、かなり安く観ることができのも素晴らしい。もちろん、愛するシアターキノも良い映画を沢山上映してくれた。

2020年はドキュメント映画が豊作な年であった。

圡方宏史「さよならテレビ」
坂上香「プリズンサークル」
豊島圭介「三島由起夫vs東大全共闘50年目の真実」
中村真夕「愛国者に気をつけろ」
想田和宏「精神0」
大島新「なぜ君は総理大臣になれないのか」
ビン・リュー「行き止まりの世界に生まれて」
マッツ・ブリュガー「誰がハマーショルドを殺したか」
竹中優介「3年目のデビュー」
五百旗頭幸男、砂沢智史「はりぼて」

どれが一番なんて決められない。待望の想田和宏「精神0」、三島由紀夫自決50年、香川出身の国会議員小川淳也を追った「なぜ君は総理大臣になれないのか」、日向坂46の軌跡「3年目のデビュー」、富山市議会の腐敗を徹底的に追求した「はりぼて」など、どの作品も深く大いに驚愕し、新たな頭脳領域を押し広げ、深く感嘆した作品ばかりだ。こうしてみると、社会に一石を投じる社会派で政治系の作品が多いなぁ。こういう世界があるのか、と自分の人生では決して経験をなしえない、「異世界」を体験させてくれた。

そして大晦日になって、ようやく話題の「劇場版鬼滅の刃 無限列車編」を観ることができた。アニメにハマったのが12月になってからなので、にわかの新米ファンではあるのは承知なのだが、9話から猛烈に面白くなり、神回と名高い19話で完全に心を奪われ、激しく落涙した。単に、物語の素晴らしさだけではない。物語展開のスピード、演出の素晴らしさ、ポジティブでひたむきなセリフの秀逸さはもちろんのこと、炭次郎演じる花江夏樹が発する声に、激しく魂が揺さぶられたからだ。

劇場版は、魘夢との闘い(前半)と猗窩座の闘い(後半)に大きく分けることができる。炭次郎&伊之助vs下弦、柱の煉獄杏寿郎vs上弦の猗窩座と、前半と後半で闘いのレベル差を大きく意識づける演出が実にうまく効いている。特に煉獄杏寿郎の、猗窩座の誘いに屈することなく、どこまでもまっすぐに己の気持ちを貫く戦いぶりは圧巻だ。「才能に恵まれた者は、その才能を人を助けるために使いなさい」という旨の煉獄の母上の言葉は、上野千鶴子先生が東大入学式で述べた、賛否を巻き起こした祝辞を想起させるものがある。「どいつもこいつも俺が助けてやるぜ」と叫びながら車両を守る伊之助の利他的な戦いぶりなど、言葉を始め、など、前向きなエネルギーが横溢している。憂鬱な気持ちを吹っ飛ばし、新年に向けて前向きな気持ちにさせてくれた「劇場版鬼滅の刃」との出会いに感謝!


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