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夕暮れ時はシューベルトを

シューベルトの交響曲第8番ハ長調D944

私などは「第9番」と言った方が馴染みが深いのだが、一般的に「ザ・グレート」の通称でも知られている、あの長大な交響曲。

18時前に帰宅して引っ越したばかりの眺めの良いベランダに佇んでいたら、ふとその曲が脳内に流れてきた。

第3楽章などは早いテンポの3拍子のスケルツォなのだが、これがなんともこの時間に特有の、まさに夜を迎えようとしている空気感によく合ったのだろう。

この交響曲は高2のときに付き合っていた彼女に勧められた曲でもある。半年も経たずに別れたあと、山形大学管弦楽団の定期演奏会にこの曲を福島からひとりで聴きに行った。秋深まる山形市は紅葉が街中にも溢れていて、ひたすらに美しかった。

シューベルトはこの大曲を29歳で書き上げ、2年後に31歳で没した。私はまもなく40歳を迎えようとしている。

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