愛は伝えるものだと頭では分かっていても、そう簡単に口に出せやしない。

きっと最初はお互い恋をしていて
その雰囲気にもよっていて
好きだなって思っていて、
その気持ちのまま身体を重ねてみたりする。
その時には好きと言ってみたりする。

好きですって目と目を見て緊張しながら言ってみたり。
付き合ってくださいって答えを求めてみたり。

そういう本物の好きや約束をしない。

きっとそのはじめのころはお互い好きなのに。
その時にちゃんと話さない。

そうやってなあなあにしていると
「恋人ごっこ」になっていく。

引用：はっとりTwitter

お互い信頼してるから
基本何でも話せて
夜中何時でも電話かけてみたり
会いたかったら会いたいって言ってみたり
行きたいところあったら行こうって誘ってみたり
辛いことがあったら聞いてって相談してみたり

でも、それは恋人ごっこ。

恋人っぽく見えてるだけの偽物。

愛を伝えそびれちゃうっていうのはそういうこと。

手に入れられた人も手に入れられなくなる。
最初の頃、好きだってお互い思っていた気持ちも失う。
ただ物理的に一緒にいるだけ。
それが恋人ごっこ。
気持ちなんてそこには無くなっていく。

相手に他の人の影があったって
私にそれをとやかくいく資格なんてない。
だって恋人ごっこだから。

恋人っぽいことをしてるだけで
本物の恋人ではないんだから。

大事なところから逃げるっていうのはそういうこと。
大事にしたい人のことだって
1番大事にしなきゃいけない自分だって大事にできない。

傷つきたくないと逃げて逃げて逃げて
気づいた頃には1番自分が傷ついてる。

あなたを失いたくないって言って逃げた瞬間に
失いはしないかもしれないけど
一生得ることもできないそんな運命を辿る。

一緒にいる時は楽しくて満たされる。
でもそれは、時を重ねれば重ねるほどに
薄くなって、弱くなって、脆くなる、粗くなる。

そうやって私は
無駄な話に頼るようになる。
大事な話なんてどんどんできなくなる。

無駄でどうでもいい
ただ楽しいだけの話ばかりをするようになる。
この偽物の関係に傷をつけないように。
この恋人ごっこに気づかないように。

楽しさでごまかしてみる。
私たちは仲良しで
一緒にいる時間を楽しんでいる。
気が合う素敵な関係だと思い込めるように。

そしてそれが長く続いてきた頃
私は全てを諦める。
愛を伝えるという行為も言葉も全てを棄てる。

そして気づいたら
心も身体も満たされなくなる。
ただの都合のいい女が出来上がる。

恋人ごっこ / マカロニえんぴつ

愛を伝えそびれるということ。