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演劇とコロナ

豊岡演劇祭2021が中止になりました。兵庫県で緊急事態宣言が出たことや、県外からのお客さんがたくさん来ることで、感染拡大する懸念があったからだと思います。残念なことです。

私たち、さよならキャンプも10月に旗揚げ公演を控えていますが、開催するかどうか判断しなくてはいけない時期にきています。

結論から言いますと、予定通りやりたいと思っています。むしろ、やらないといけないのではないかとさえ思っています。
もちろんのことですが、こんな状況でやることの不安はありますし、感染が広まることを軽んじているわけではありません。県や市からやらないでほしい旨がきたら、素直に受け入れて中止または延期をする。それももちろんのことです。
ですが、演劇は比較的感染しにくいイベントと言われていますし、ガイドラインに沿ってしっかりと対策をとれば、リスクは抑えられるかなと思っています。

そして、やらなければならないと思う理由があります。この一年半、私たち演劇をやってきた者に、このコロナ禍は演劇をさせてくれませんでした。その間に、公演の中止や延期が相次ぎました。どうしたら演劇をやれるのか試行錯誤している人も多かったのですが、演劇って本当に必要なのだろうかと考えてしまう演劇人がとても増えた気がします。演劇が好きで、演劇に救われてきた演劇人が、演劇の価値を疑ってしまった一年半であるような気がします。
このままでは、演劇をする人も、観に行く人も減ってしまいます。この苦しい時に、今一度演劇の素晴らしさを体験しておかないと、また私たちの中から演劇が消えていってしまいます。

ついこの前ですが、身近で感染者が出ました。罹った本人が一番辛いのですが、僕も辛い体験をしました。ここで中止となってしまうと自分の心が潰れてしまう気がします。エゴだと思いますが、自分のためにも、やらないといけないと思っています。

先日、さよならキャンプの山田が中心となって、配信という形でしたが、一つの演劇を作ってくれました。配信なのに、演劇って良いなあと思わせてくれました。

毎日感染者が増えて、重症者や、死者が出ています。悲しいことです。こんな時期にという意見ももちろんあると思いますし、やめて欲しいという意見もあるかもしれません。それはそれで一つの意見として受け止めます。しかし、僕の率直な気持ちは、やらないといけない。一人でも公演を待っている人がいるのならやらせていただきたい。そのように考えています。

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