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わたしたちは愛されている

今朝、寝ぼけ眼でLINEを開いたらパートナーからたくさんの連絡が来ていた。noteが添付されていたので読んでみたら、まあボロ泣きした。

パートナーとはこれまでいろんな話をしてきたので(本当にびっくりするくらいずっと喋っている。。。)、「よかったね〜」「そうなんだよ、あなたは家族にめちゃくちゃ愛されているよ〜」とどんどん気持ちが込み上げてきて、なんだかとってもエモい朝だった。

本当は今日は早起きして明日の引っ越しに備えて準備をてきぱきとやる予定だった。でも、泣いた余韻のせいかなんとなくぼーっとしてしまって、ちゃんと動き出したのは10時すぎになってからだった。


喉が渇いたので冷蔵庫を開けて飲み物を取ろうとした時、ラップのかかった朝ごはんが目に入った。

げ。と思った。

同居している母が仕事に行く前に用意してくれた朝ごはん。フリーランスになってから毎日朝寝坊ばかりしているぐうたら娘がいつ起きてもいいように用意してくれているもの。

母が用意してくれる朝ごはんはいつも量が多い。パン2枚、ソーセージ・ハム・たまごなどのタンパク質がとれる1品、サラダ、果物、ヨーグルト。栄養バランスを考えた健康的な食事。

それがやさしさだとはわかっている。でも、この量を食べ切らなきゃいけないのか〜〜と、毎朝憂鬱な気分になっていた。用意してもらってる分際で文句も言えないので、明日はちょっと量減らしてくれないかなぁと願いながら、食べ切れない分を残して昼に食べるといった”わたし朝そんなに食べれないよアピール”をするなどしていた。(そして願いは虚しく次の日も同じ量の朝ごはんが食卓に並ぶ)

だから、げ。と思った時、反射的にこれも昼に食べようかな〜と思った。朝ごはんにしてはもう時間も遅かったし。

ラップがかけられたお皿の上にのせられた2つのパンを睨みながら、「なんで言っても言っても朝ごはんの量減らしてくれないんだろう」とぼやきそうになっていた時、家の朝ごはんがパン2枚になった日のことをふと思い出した。


それは、わたしが中学3年生だった頃。給食前の理科の授業の時に、わたしのお腹の音がそこそこデカい音量で鳴ってしまった。それを聞いたイケてる女子に「え!!いまのまゆのお腹の音!?やば!!笑」とお腹の音以上に大きな声で言われてしまい、周りにいた人に知られてしまった、という体験をした。穴があったら入りたいってこのことを言うのか、というくらい、中学生のわたしには恥ずかしくて消えてしまいたいくらいの出来事だった。

そのことを帰ってきて母に話したら、次の日の朝から食パンが2枚になって出てくるようになった。そういえば、「食べ切れないなら残してもいい」とよく言われてたな。(フードロス的には微妙な発言だけど)


わたしは、母の作った朝ごはんをあと何回食べられるのだろう。


明日、わたしはパートナーと結婚するための家に引っ越す。色々あって完全に住まいを移すのは今月末になるのだけど、家を出るタイミングを逃したことで26年続いた母との気ままな女2人暮らしは今月で終わりを迎える。

わたしが小学校1年生の頃に母子家庭になってからはじまった、姉とわたしと母の女3人暮らし。途中、姉が進路の関係で家を出てからは2人で暮らしていた。

わたしは長年、「ひとり母を置いて家を出ることはできない」と思い込んでいた。

わたしが家を出たら母は完全に一人になってしまう。姉はもう県外で結婚したので戻ってこない。母の暮らす静岡で進学して、就職した。一時期は結婚相手は県内の人じゃなきゃだめだと思い込んでいたこともある。

母のことを勝手に重荷に感じて息苦しいなと思ったことは数え切れないくらいあった。関係性が近いからこそうまくいかなくて苦しんだこともあった。県外にいる姉が自由に見えて、恨みたくなった時期もあった。

家族って複雑。今も向き合い続けているテーマのひとつ。何なら家族ってわたしにとって人生をかけて向き合わなきゃいけないテーマだと思ってる。まだnoteに書けないような、痛みが伴うことに日々向き合い続けてる。ここ最近は毎日ムカついてるし、毎日泣いている。でも。


わたしは母に人生であと何回ありがとうと言えるのだろう。


そんなことを思いながらおセンチになっていた時、母が仕事から帰ってきた。なんか恥ずかしくて「朝ごはん用意してくれてありがとぉ〜〜〜〜〜✌️🤪✌️」と極めておちょけて言ってしまった。

「あっそう。サラダも食べた?パンは?焼いた?」といつも通り聞く母。そして「わたしもなんか軽く食べるかな〜」と言いながらカップラーメンを用意し始めた。いつも通りの風景に謎のほっとした気持ちを感じながらこのnoteを書いていたら、

「あーあ」

と声がした。


ぱっと顔を上げると、寂しそうな、感慨深いような目でこちらを見つめて

「ずっとこうやって見てられるのが幸せだったのになぁ。」

と言われた。


もう、さっきメイクしたんだから泣かせないでよ。

と思った。


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