スタートアップ投資の時代はベンチャーキャピタルからプライベートクレジットへ移行している背景
2024年7月段階でこの記事を書いているが、昨今全体としてベンチャーキャピタルのエクイティ投資が元気がないなと感じていたが、下記のように米国でのファンドサイズの平均規模が下がっているというXのツイートを見て、その実感が合っていることを確認することができた。
上記Xのツイートは、昨今アメリカでのベンチャーキャピタルのファンド平均規模が縮小しており、全体として調達環境が厳しくなっていることを示す内容となっている。
特に2023年というのはインフレが進む中で、インフレ効果分を考慮すると2022年からの実質的な減少金額はより大きいものがうかがえると思う。
個人的にはこの昨今のベンチャーキャピタルの苦境については過去の経緯と現在の経済環境を踏まえると、一時的なものではなく、まだ当面続くものとして、当面スタートアップ企業(特に米国)にとっては逆風が続くステージが長引くのではないかと思っている。
ではこれによってスタートアップへの投資というのはどんどん小さくなっていくのだろうか?
個人的にはそうは考えていない。
米国のスタートアップ市場というのは世界から見てもその巨大さは明らかであり、ここに何かしらの形で投資をしてリターンを出したいと思う投資家はやはり多い。
そこでこのスタートアップ投資について、やはり同じようなことを考えている投資家は多いのか、従来のエクイティ投資ではなく、デット(負債)投資ブームが来ているのである。
下記の通り「プライベートクレジット」と呼ばれるファンドがスタートアップ企業を中心とした中小企業に高利回りで融資し、リターンを稼ぐというのがブームになりつつある。
実際にその伸びはすさまじく、既に米国のハイイールド債市場を越える勢いにまでなっており、スタートアップ企業にとってはなくてはならない資金調達源になっているのである。
現在起こっていることとしては、昨今はスタートアップへの投資という点ではベンチャーキャピタルのエクイティ投資はやや退潮し、プライベートクレジット投資が盛り上がっているのではないかと考えている。(2024年7月段階の推定)
なぜこのようなことが起こっているのか過去の金融市場の事情も振り返りながら今回はまとめていきたいと思う。
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