株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する

よく相場を見る上では「大衆の逆を行くことが儲けのこつ」とか「大衆心理を読め」とか言われている。

しかし、個人的には長年この考え方はなんともしっくりこなかった。
なぜなら、上記はあまりにも主観的な判断が入ってしまい、人によって大きく感じ方は違うし、なんともあやふやな相場における儲け方のコツみたいな話になっている。
市場では勝ち続けている人間がいることを考えると、このようなふわっとした話で再現性のあるトレードを何回もできるとは思えないし、仮にこの程度のふわっとした考え方でまぐれ勝ちしたとしても、長くは勝ちが続かず、そのうち判断をミスして退場するのは時間の問題だと思う。
そのため、相場が上にも下にも行き過ぎるには、何かしら相場自体が上下に行き過ぎるメカニズムを内包していて、それを知っている投資家がつぶさに状況を観察して再現性のある取引を繰り返しているのではないかと思うようになった。

そう考えた時に、市場が行き過ぎる時に投資家が取引しているものは何かというのを様々なニュース・書籍・論文などを読みながらずっと考えた時に、その答えはオプション市場にあるのではないかという結論にたどり着いた。
もちろん、全てをオプション市場で説明できるわけではないが、このオプション市場が相場が上にも下にも行き過ぎる原因を作っている大きな要因である可能性は高いのではないかと考えた。
今回は、なぜそう思ったのかをオプション市場の動向と相場がどう変化していくかをまとめていきながら解説していきたいと思う。

なお、オプション市場という観点から言うと、最もこの内容が当てはまるのはオプション取引が発達している米国市場がメインの話であり、オプション取引が未発達な地域の相場には当てはまらないかもしれないので、米国市場を前提とした話として読んでいってもらいたいと思う。
また、最後には過去の日経平均の動きとオプション市場の動きから、この考え方が妥当なものであるかどうかも検証しているので、興味がある方は読んでもらいたい。



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