印象を基準としたコーディネート

こんにちは。
近いうちに書くと言い前回から4か月近くもたっていました…。
きちんと書こう!と思うと腰が重くなってだめですね…。
前回はコーディネートにおけるアクセサリーの役割のようなものを記載しました。

簡単にまとめると、
・アクセサリーにはコーディネートの際に色をちょい足しして全体をまとめる効果がある。
・その効果を利用して色使いが苦手な人はコーディネートを決める際にアクセサリー、もしくはその代わりになるもの(色紙でもなんでもいいです)を着けてみて、オンオフで印象がどのように違うかを考えるということを重ねていくことで色使いが上手になってくる。
といった内容でした。

その際に「印象を基準としたコーディネート」「シルエットを基準としたコーディネート」「色を基準としたコーディネート」について軽く触れました。
今回はその中の「印象を基準としたコーディネート」について記述したいと思います。

「印象を基準としたコーディネート」とは

簡単に書きますと、「可愛くみられたい」「知的にみられたい」「80年代の西海岸テイストで合わせたい」などなど人からどう見られたいかということやカルチャーなどを大事にしたコーディネートです。

自分の印象と服の印象

自分の印象

読んでくださっている皆さんは人から「自分がどういう人か」というようなことを言われたことがあるかと思います。
「かっこいい」「かわいい」というような見た目の要素が強いものや「物静か」「真面目そう」「おもしろい」というような性格の要素が強いものなど色々あるかと思います。
最近はルッキズムが話題になったりとデリケートな部分もあるかもしれませんが問題として取り上げようとも人からの印象というのは見た目で決まってしまう要素が大きいのは事実です。
ファッションとはそういった印象を操作できるテクニックでもあります。

このあと最近SNSの方でアクセサリーの紹介のために私が着用したコーディネートを上げていてその写真を使って説明するので私自身を例で話します。私の見た目は身長158㎝の小柄な男で、肩幅は41㎝で胸も昔の運動の影響で少し厚めで胸肩は割と普通ですが全体の筋肉は少なくて、顔は目が大きく堀北真希に似ていると言われてた時期がありました(最近そろそろこのネタもきつい…)。
ここまでの情報だとあまり「かっこいい」という印象は出てこなさそうですよね。実際ほとんど言われたことありません。体格的な部分では胸回りだけ見たらしっかりして見えますが他が細いため頼りない印象でしょう。
性格的な部分では割と「近寄りがたい」「真面目そう」という見た目の印象が多く親しい仲になると変わってきます。実際の性格よりも表情筋などからくる顔の印象が大きいかと思います。私はあまり人と接するタイプではないので表情筋が乏しいのです…。
ざっとですがこんな印象の見た目の人です。

服の印象

服にもそれぞれのアイテムが持つ印象というものがあります。
例えば「シャツ」というと
「ビジネス・真面目・清潔・上品・正式な場・大人・緊張感・クラシック」
というような印象を持つ方が多いかと思います。
ただこれらは「ビジネスシャツ」や「ドレスシャツ」の印象です。
これが「ネルシャツ」に変わるとどうでしょう。
「ラフ・カジュアル・親しみやすい・アメカジ好きそう」
等という印象に変わり、先ほどのシャツの印象は微塵もないと思います。
ただ、この2種類がまったく関係ないというわけではありません。
「シャツ」というワードを重視した場合、前者の真面目なイメージが基準となっているためそのイメージが強い人がネルシャツを着ている人を見ると「ラフ」ではなく「だらしない」という印象を持たれてしまう可能性があります。
その逆でドレスシャツを着ていると「気取っている」なんて思われることもあったりします。
このようにアイテム1つずつの「自分が持つ印象」「人が持つ印象」を意識するとコーディネートがしやすくなります。
このときの「人」というのは自分が見られたい相手と思ってください。
世間の見ず知らずの人なら大衆のイメージ。特定の相手であればその人が考えそうなイメージになります。

印象を使ったコーディネートの例

簡単な説明

先ほどのシャツを基準に例えると、
・スーツ=クラシック
・シャツ=クラシック
・革靴=クラシック
・ネクタイ=クラシック
このよくあるクラシック4点セットを合わせると「クラシック」な印象になります。

では、これを一部変えてみましょう。
・スーツ=クラシック
・Tシャツ=カジュアル
・スニーカー=カジュアル
こうなるともうクラシックではなく「ドレスアップカジュアル」ですね。服装が自由な企業なんかでは多いイメージじゃないでしょうか。これにハットと白髪混じりの髭のイメージが加わるとディレクターですね。はい、偏見です。

次は思い切ってイメージの違うものを合わせてみましょう。
・ジャケット=クラシック
・ヒッピーファッション=ラブ&ピース
封鎖的なクラシックなジャケットに開放的なヒッピーファッションという相反する組み合わせです。ここまでくると「ラフ」とか「カジュアル」とかじゃないですね。「アヴァンギャルド(前衛的)」という印象です。何か思想を持っていそうな気がします。

このようにファッションでイメージを作るときは、それぞれが持つアイテムのイメージを重ねていくと目指すイメージを作り上げることが出来ます。
ゲームの装備品の「攻撃力+10」とかそういうイメージでクラシック度合とか可愛い度合とかをパラメーター化すると分かりやすいかと思います。
ただ、ゲームと違うのは「かわいい」アイテムを30個身に着けたら最強のかわいいにはならず、むしろマイナスになることもあるので加減は大切です。

上手く合わせるコツ

イメージが同じものは合わせやすいですが、アイテム同士のイメージが離れれば離れるほど難しくなります。
上手く合わせるにはアイテムが持つ「メインイメージ」と「サブイメージ」を意識すると合わせやすいです。

先述のこちらで説明します
・スーツ=クラシック、知的、スマート、真面目
・Tシャツ=カジュアル、ラフ、スマート、アクティブ、親しみやすい
・スニーカー=カジュアル、アクティブ、都会的、親しみやすい
いくつかワードが増えましたね。
それぞれ1つめに記載しているワードがそのアイテムが持つメインイメージです。要は第一印象ですね。
その後に記載しているのがサブイメージです。人によってこの順番は入れ替わりますしそもそも中身も違います。
この2つでメインイメージが合っているのは2つだけです。ですが、サブイメージでは共通項がそれぞれあります。

ではサブイメージを変えてみましょう。
・スーツ=クラシック、知的、スマート、真面目
・ダメージTシャツ=カジュアル、ラフ、ロック、汚い、だらしない、
・汚れた布のスニーカー=カジュアル、若い、安っぽい、汚い
分かりやすいようにネガティブな印象をピックアップしました。
オフィスカジュアルとしては厳しいイメージになりますね。スーツもぶかぶかかもしれない気がしますね。
このように同じ種類のアイテムでもイメージが違うと合わなくなります。
「いやいやそんなことは」という方は多分ファッション好きな方ですね。ドリスヴァンノッテンなどのようなブランドはこういったイメージの違うアイテム同士を上手く融合させて新しいムーブメントを作りました。
それもまた共通項を上手く使ったデザインによるものですがこの説明は本題と離れるのでやめときます。

実例

ここで私の着用写真を使っていくつか説明したいと思います。

その1

まず上2つはアクセサリーを除くとほとんど同じコーディネートです。
違いは白シャツの第一ボタンが開いているか、袖をまくっているかというところです。実際着ているシャツが違うのですがそこは大した差ではないで同じものとして考えると、スラックス・ベスト・革靴というクラシックなアイテムにどのようにシャツを合わせるかということでイメージが左右されるコーディネートになっています。
1枚目の方はクラシックで真面目で品があるイメージですね。2枚目の方はラフさ、開放感、男性的なイメージですね。
どうしてそういうイメージの違いが起こるかというと、シャツのイメージに首・手首を締めて「緊張」というのがあります。しかし2枚目の様に着ることでそれが「開放」されます。俗に言う緊張と緩和ですね。「ネクタイ外す姿が良い」というのもその一種です。
男性的なイメージがつくのは襟を開放することで首が露出されます。
小柄とはいえ女性よりも首は太く喉ぼとけも出ており男性の身体の特徴が露出されることで男性的なイメージが強まります。
アクセサリーもそれに合わせて、上は無骨なイメージにも合うようにダークグリーンの大人しい色を加えて品よくなるようにしています。
下は全体的に青系のアイテムなので青系のアクセサリーで統一しポイントに同系色を加えることでまとまりを出しています。

つぎに上記の下2つはベストをジャケットに変えたものです。
ベストであればまだフランクな印象もありましたが、それがジャケットに変わっただけで同じクラシック要素でも印象が変わりますね。
重厚感がでるというか真面目そうというか。
補足で麻のカジュアルスーツではありますが、きちんとしたテーラリングな技術で作られたスーツで少しお堅い印象がありますが、アクセサリーを使いイメージを保ったままそれをカジュアルダウンさせてスーツだから出せるポップさを意識しています。

その2

次にこの2つはTシャツだけが一緒です。
上はTシャツにデニムのオーバーオールで「カジュアル!」という印象ですね。靴も牛柄でカントリー風なコーディネートです。
下はベストにスラックスでカジュアル的な印象の強いドレスアップカジュアルです。
上は特に説明不要かと思いますが、下の方は先ほどのベストと違いニットベストですのでTシャツとの風合いが近くカジュアルな印象のアイテムです。
スラックスも、スラックスと言いつつこれはスラックスではなくスラックスで使うようなウール素材のワークパンツです。シルエットもシュッとしていてスラックスに近いカジュアルパンツというようなものです。
素材の風合いの印象とアイテムの印象のカジュアルさ加減を意識したコーディネートです。

2例だけですがこのような感じです。
アイテムの印象を意識していくとコーディネートにストーリーを作ることが出来ます。
何も指輪を捨てに行くような壮大な物語のことではなく、
「今日は○○な気分で○○な印象にしたいので、○○な〇〇と○○な○○を合わせたコーディネートにした」
というようなストーリーです。
上手に組み合わせている人は意識・無意識にかかわらずこういったストーリーがあることが多いです。
慣れてきたらそれに加えて1例目のように自分の身体の印象を意識したコーディネートをするといいかと思います。

自分の身体の印象と合わせたコーディネート

私の例でいうと1例目の1枚目と2例目の2つをどちらも開放的なコーディネートですが、1例目の方が男性的な印象は強いかと思います。その理由に腕の露出具合があります。
1例目はシャツの袖で腕が隠れています。2例目は半そでなので腕が露出されています。
先述の通り私は並みの男性より筋肉が無いので腕の男性的な印象が弱いです。胸から上はそうでもないです。なのでそういう印象の弱い部分を隠すとイメージを変えることが出来ます。
女性でも同様の部位で女性的な印象を作ることが出来ます。
逆に隠すことで中性的だったり逆性のイメージを作りやすくもなります。
人間も本能の動物なのでそういった性のイメージは何を言おうと存在するのでうまく使いこなせるとコーディネートが楽になります。

他の例を出すと多くの人の悩みのお腹のお肉があります。
思い切って最近若い女の子で流行っているようなお腹を出すファッションをしてみるとこのような印象が付くでしょう。
「太っている自分が好きなのかな。なぜ。勇気。どうしてもそのファッションをしたかったのかな」
こういったのが一般的なイメージかと思います。
ああいったボディメイクした身体を主張するファッションを違う方向にメイクしている人がしたらそうなるものかと思います。
わざと強調しているのでイメージもそれだけ強調したものになります。
ゆったりしたシャツを着ると自然なシルエットでお腹の膨らみが隠れて特にそこについての印象を持たれなくなります。
それ以上のボリューミーな服を着ると今度は「もしかして体型隠し?」という印象が生まれてくる可能性があります。体型隠しの代表的なアイテムは「体型隠し」という印象も与えることがあります。
ちなみに私も最近ダイエットの成功が見えてきていますがお腹がポコッとしやすいので身体にフィットしたシルエットのTシャツなど着るときは気合を入れて1日過ごす必要があります…。シャツは楽でいいです…。

自分の印象と他人の印象

最後に自他の思い描く印象の違いについてです。
度たび書いていますが自分と人とでは1つのアイテムに対して抱くイメージが違います。知識や文化、経験など様々なものに左右されます。
1つの古着のパンツだとしても
「古着屋で買ったカジュアルで動きやすいパンツ。丈夫だから気にせず履ける」
「古着屋で買った60年代フランスのワークパンツ。鍛冶職人がよく履いていたと言われるもので~~~~」
文化的背景の知識だったり、他に最近の流行だと
「古着屋で買った流行のラルフローレンのポロシャツ」
「古着屋で買った70年代の『ポロ』ラルフローレンのポロシャツ」
といようなラルフローレンという多岐にわたって商品展開をしているブランドのことを知っているかどうかの知識で印象が左右される場合もあります。
単純にかわいいと思うのは人それぞれだったりと。
そういったギャップを埋めるにはイメージの細分化をすると安全です。先述のサブイメージのようなものですね。

大事なのはそのコーディネートが誰のためのコーディネートかということですね。
自分のためであれば自分のイメージを大事にして、属する空間のためであればその空間のイメージ、デートの相手からよく思われたいならその相手が持つイメージを意識することです。
式典のような主役がいるのに自分が主役以上に目立つのは良くありませんね。逆に初めてのデートで変に思われないようにと無難すぎて印象に残らないのも嫌ですよね。
初めは難しいかもしれませんが自分と他人のイメージのバランスをつかめるようになると居心地が良い人にも特徴的な人にもなることが出来ます。

まとめ

あれこれ書きましたが、イメージは悩んで頑張って出さず直感で思いつくイメージの方が純粋の物が多いので、思い付きで良いので身に着けるアイテムの印象を簡単にまとめて、印象×印象でコーディネートを組むと上手くまとめやすいです。
そして、自分の持つイメージと他人の持つイメージのギャップをきちんと理解していくことが他人からの印象をよくするファッションのポイントとなります。

もっと簡潔になると思ってたんですが長々とありがとうございます。

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