アホバカ分布考を拾い読む

アホバカ分布考という本を読むとアホとバカなどの言葉の日本での分布を調査してアホの東限は三関のあたりらしいとわかる。愛発関、不破関、鈴鹿関のあたり。細かにみるとタワケやダボもある。アホの西限は兵庫と鳥取岡山の境目。広島から西はバカ、静岡、長野、新潟より東もバカ。
簡単にアホとバカの二つだけでなくタワケやダボやダラやアンゴウなどがある。沖縄奄美はフリムンである。
方言というものの研究で柳田國男の蝸牛考を例に出し分布はカタツムリの殻のように渦巻きになっておりその中心は京都というものでアホバカ分布もどうもカタツムリ状で分布の形跡があるらしい。民俗学の未調査項目だったので学術研究上の価値があり書籍化されて図書館にある。
アホバカ分布考はもともと朝日放送の探偵ナイトスクープに寄せられた調査依頼に基づき、スタッフには百田尚樹の名前も書かれてある。
バカ、アホ、ダラ、アンゴウ、タワケ、トロイ、アヤカリ系、ダボ、ハンカクサイ、ホ◯ナシ系、タクランケ、オンツァ、ゴジャッペ、コケ、デレスケ、ノクテー、ホッコ、ホレ、ボケ 、フーケ、フリムンの21語の分布図を作成したとある。
ヤンキー文化などのように京都で流行したアホを表す言葉が地方に伝わり30年に1度くらいの新語がカタツムリ状に地方で残存したのではないか、より新鮮でしっくりくる表現を地方で使い続けて分布考で作成した言葉の分布図になったようである。(参照 アホバカ分布考 松本修 太田出版 1993年)