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大相撲ロンドン公演(TBC15)

1991年10月、ロンドン日本協会設立100周年を記念して大相撲のロンドン公演が行われました。この取材にB社だけのメンバーで取材に行く事になりまして同期入社で大阪出身の記者I、徳之島出身で極真空手を使うけどとてもおとなしい先輩のIカメラマン、そして私。I記者は入社当初VE(カメラアシスタント)を経験しているので兼任です。
当時ロンドンではテレビで日本の大相撲を放送していて、かなり強烈な演出を込めた前振りの後に激しい取り組みが出るのでとても評判がよく、特にウルフと呼ばれた小さな大横綱・千代の富士の人気はスゴイもので、彼が街を歩くと黒山の人だかりができていました。千代の富士はその年の5月場所の三日目が終わったところで引退し「体力・気力の限界・・・」会見には多くの人が涙したものでした。

当時テレビ朝日では「大相撲ダイジェスト」という番組をやっていてNHK・民放含めて唯一幕内の全取り組みを放送していて日本相撲協会との関係も深く、番組関係者も多数ロンドンに来ていました。私の仕事は、当時ヨーロッパ総局と呼ばれていたテレビ朝日のロンドン支局で素材を編集して衛星中継で送る事でした。(忘れたけど多分そうだったかと…)

ある日、テレビ朝日の先輩方から食事をご馳走になる機会があって楽しく飲み食いしながら話していたら「そう言えばな、お前らボッタクリに注意しろよ。俺は関脇の◯◯◯に泣きつかれて迎えに行って◯十万払わされたぞ」いやいや我々貧乏人はそんなに持ってないし。「入り口にたった1ポンド(当時180円)って書いてあったんだって」

ゴチになって気持ちよく10月のロンドンを3人で歩いていたら、普通の事務所の様な建物の一階に「BarOnly£1」の表示。「お!これボッタクリバーじゃないの?面白そうだから行ってみよう」よせば良いのに地下に降りて行きました。

もう少し近代的でしたが

店に入るとイタリア訛りの兄ちゃんが席に案内してメニューを見せます。「高っ!ビール5400円やで、1本飲んだら帰ろ」小瓶を3人で分け合って飲み始めた時でした。
🎵ハ〜イMay I sitdown here?
セクシーな服を着た黒人のお姉さんが2人来ました。
「いいけど俺たちすぐ帰るよ」
2人は手にカクテルを持っていて縁には小さな番傘みたいな飾りが付いています。
彼女たちが先ほどのボーイにメニューを要求したところで「STOP!We get out」
するとボーイが目の玉の飛び出る金額の請求書を出しました。
「ビールしか飲んでないだろう!なんでこんなになるんだ!」怒っているとそれまで奥で現金引き換えにビールを飲んでた客だと思ってた巨漢がやって来て「トラブルか?手伝おうか?」ボーイに言います。

もっと強面でした

仕方なく3人とも財布から有り金取られて、I記者などは「帰りのタクシー代のつもり」で隠そうとした10ポンド紙幣も姉ちゃんにチクられて「さっきまであんなににこやかだったのにコイツら」極真空手のIカメラマンが肩を振るわせ始めたので「ガンさんやばいっす、堪えてここは帰りましょう。問題起こすと後に響くから」
ほうほうの体で歩いてホテルまで帰りました。「あのクソいまいましいイタ公め!」ギャング映画みたいなセリフを霧のロンドンで吐いていました。

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