Twitterにあげた詩まとめ②
『好きということ』
好きなものを馬鹿にされたり嘲られたりしてもそれは片時も穢れなかった。
ほんの少しの悪意如きで淘汰されるような、そんなものではなかった。
好きなもの、好きでいること。
それは私を構成する要素として武器としてここにある。
特別は、ひとつだけでいい。
私だけが持っていればいい。
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『純物質』
伝えたい言葉はいつも喉元まで。
声に出すと余計な体積を含んでしまいそうだから。
一生だけでも誇りにしていたい事だから誰にも言わない、話さない。
私の、私だけのたからもの。
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『君と日常』
君が他界した日も僕はご飯を食べてお風呂に入って読書をしてぐっすり眠った。
次の日もその次の日も。
罪悪感があった。罪悪感は君だった。
君とずっと一緒に居られた。
僕の夢は容易く叶ってしまったみたいだ。
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『嗜好品』
小さい箱から1本取り出し、人差し指と中指の間に挟む。
ガスライター、ジッポ、マッチ…
その時の気分で着火道具を決める。
咥えて吸い込みながら火をつける。
吸い込んで息を吐く。
頭がふわーっとする。頭の靄がゆっくりと霞んでゆく感覚。
息を吐く。気分がいい。
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『メッセージ』
この世から僕が居なくなった後の事なんか知ったこっちゃないよな。
ただ、気になる事は身体が死んでも心は生きているのか?
そんな事確かめようがないと思ったが僕が死ぬ時、僕の心にメッセージを残して試してみればいいな。
死ぬ楽しみができた。
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『少女とネオン』
美しい心を持った人でした。
どうしてそんなに悲しいの?
どうしてその人生を選んだの?
目に映る下卑たネオンの文字が煩わしい。
あなたの居る場所はここじゃないでしょう?
あの頃みたいに宝石のように輝いていて。
あなたは少女。永遠に少女。
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『手癖』
長い髪を撫でる。
また手癖で君を愛す。
触れたら壊れそうな儚さはここには無い。
ただ強かに美しいそれがあるだけだ。
移ろう窓の外にも同じ様な感覚を覚える。
今日は雨降りだ。
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『ゆめうつつ』
あなたがやわらかく笑った。
それだけで世界に彩りが蘇った。
僕はこのまま絶美の結晶を口に含んで、飲み下したいと思った。
綺麗だった。
空は白、君は青色、僕は―
手を伸ばす。煩い時計の頭を叩く。
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『新世界』
白肌に浮かぶのは澱だけでこの街には誰も居ない。
吐き下すことの出来ない内臓をぶら下げながら歩く。
赤い赤い林檎を齧ったら世界に色が蘇る。
白い身体の僕は赤に飲まれてほろほろと崩れていった。
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『恋』
あの子がなぜ涙を流しているのか分からない。
笑っていて欲しいのに、泣かないでいて欲しいのに、触れたらどこかに消えてしまいそうで困る。
僕はそっと頬にキスをする。
甘い味がして僕の身体は透明になり宙に浮いてゆく。
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『平和な日々』
傷つかないように表面の僕は心を中和させた振りをする。
傷つくことは失う事。
僕は、この世の誰にも僕を、失わせない。
内面にあるどす黒い醜い僕をこの世に排泄してしまわないために。
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『とけあう』
溶け合ってひとつの塊になれたらいいのに。
ひとりとひとつは随分違うものね。
もう身体も心も私のものじゃなくていい。
誰かと誰かと誰かのものでちょっと私のものでもあるくらいでいい。
思い描いては孤独を知る。
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『移ろう』
季節が僕の首を絞める力は緩慢で、僕は僕自身を愛せるだろうかと考えていた。
春の匂いを吸い込む肺に愛を?
移ろう景色を傍観する目に愛を?
嗚呼今はただ窒息するのを待っていたいだけだ。
僕が僕を愛せる瞬間まで。
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『夢の詩』
からだが壊れていくのがわかる。
ことばが崩れていくのを見た。
どこに行けばいいのか?
ここに居ればいいのか?
誰かに抱き締められる夢を、頭を撫でられる夢をずっと前から見続けてきたような気がする。
もうおしまい。さようなら
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『実弾を撃つにはまだ』
ベランダに出て空を見上げる。
私だけの小さな凪。
心を少し軽くしてあの人を許して傷を舐めて。
明日は晴れかな。晴れているといいな。
あの日頬を掠めた弾丸を愛おしく思った。
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『わたしたちの詩』
蛍光灯が眩しいです。
今日は散歩をしました。川沿いを歩くのは気分がいいです。
幼い頃に唱えていた魔法の言葉を今日も唱えます。
これはわたしの詩です。
これはあなたの詩です。
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『君と君と君』
生きている方が生産的だよね、だなんて笑わないでいて欲しい。
あの時教えてくれた歌を今も覚えている。
一番星を見つけるとそれを口ずさむ。
君には言わない、言えない言葉。
生きていなくたって君は君でそれは誰にも奪えなくて
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『極彩色』
ただの湿気を柔らかく包んだ。
カサカサという音を立てるだけの物体。
似たような色ばかり選んでしまう君にはお似合いだと思った。
届かないところにある物をまだ欲しがっているのか。
カサカサ。カサカサ。
音だけがここにある。
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