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Twitterにあげた詩まとめ

『青春』

壊れやすさと幼さが同居する刹那の間が青春であるとするならば。
黒く爛れた僕の脳を〝青春〟で壊してみたかった。
猫はもう居ない。紙で切った指先がじわじわと痛い。
心臓の動きで僕には内臓があると知る。
今日はよく眠れるだろうか。
ずっと幼子のように過ごしたかった。


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『スーサイド』

白いベンチに腰掛けて君はにこにこ笑い、足をばたつかせる。
靴くらい履けよ、と言ってもにこにこにこにこ笑うだけ。
しょうがないから適当な話を始めた。
でも君は答えずに笑うだけ。
一瞬悲しそうな表情をすると君は飛び降りた。
姿が消える。
あ。またこの場所に来てしまったのか。


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『晴れを請う』

一番星を見つけたら。
君に見せたくなるこの気持ちにまだ名前をつけたくない。
橙と藍の合間、あたたかい空。
重い身体と栄養ドリンク、切なさで痛む胸。
明日、君の街が晴れならいい。


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『偏愛』

武装をしたかのようなロリータ服を丁寧に脱ぐ。
鏡に映る自分はこの世で一番可愛らしかった。
今日は凄く疲れた。
とある男に好意を伝えられた。
お風呂に入り自分の身体を眺める。
白い肌に程よくできた曲線。
なんて美しい。
美しいもの可愛い物しか愛せない。
私は自分しか愛せない。


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『贈り物』

今日でこの家を出て行く。
パパママありがとう!
どこにお嫁に行ってもきっと恥ずかしくないわ。
食事のマナーもお勉強も家事も男性との接し方もパパとママがしっかりと教えてくれたものね。
二人の教育は実を結んだと思います。
暫く帰れないから今までのお礼にトリカブトを贈ります。


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『うたかた』

貴方は随分な心配性で寂しがり屋な人。私がちょっと外出しただけで沢山連絡を寄越すし、他の人と話しただけで凄く怒る。
そんなに心配しなくたっていいのに。

ねえ、私はどこにも行かないよ。
…打たれた頬が痛むから。


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『翅』

僕には翅がない。
空を飛べぬまま、空に焦がれたまま硝子の破片の上を歩く。
ぬかるんだ焦燥感を粉々に撒き散らしながら歩く。
息が切れる。鳥のあの美しい翅の羽ばたく音が聞こえた気がした。
僕には翅がない。


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『夜には花を』

姉は不登校だ。
基本的に自室に籠っているが夜になると街へ出る。
虹色のワンピースを着て。
寡黙で冷たい夜に恋をしているらしい。
学校にはそんな魅力はひとつもないのだそうだ。
なんとなく分かるような気がしてクローゼットの奥にしまった山吹色のワンピースを着てみたくなった。


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『無題』

春を踏みつけて歩いた。
夏に首を絞められた。
秋になり去年かいつだったかに取っておいた哀切が騒ぎ出した。
冬は突然僕を抱き締めた。
雪が降る。
手が悴んで痛い。白く染る。
雪が溶けるように僕の身体も半透明になり溶けてゆく。


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『赤』

私は自分に不誠実だから自分を傷つけてしまう。
あなたは自分に誠実だから自分を守ることができる。
血を流すのは誰にも迷惑をかけないが滴り落ちる赤で足元が海になってしまった。
海からは中々抜け出せない。
ドロドロとした赤に足が取られる。
どうしたら前に進めるのだろうか。


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『大人』

平均値を叩き出そうとすればする程堕ちていく自分をそろそろ見ない振り出来なくなってきた。
それでも尚、何も出来ずに缶ビールに手を伸ばす。
アルコールはいい。嫌なことを忘れられる。
しかし今日は考え事で頭が冴えて上手く酔えなかった。
涙が出た。


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『やわらかな』

君と居ると柔らかい金色の空間に包まれるようだ。
金色の空間は有限なのかもしれなくて抱き締める。
どこにも行かないように抱き締めるけどそれは空気のように僕の腕をすり抜けてにこやかに笑う。
それが切なくて愛おしい。
今日も君に会いたい。


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『白い季節』

一年に一度君と会える季節がやって来た。
空は白、世界も白。
柔らかく笑った君が染める白、白。
頬に感じる冷たさを悴んだ指先を僕はこの上なく愛おしく思う。
君が消えてしまう前に好きだと伝えられるといいと思う。


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『敬愛』

あたたかい心に触れた。
柔らかい空間に包まれた。
知ってしまった。知らなければ良かった。
これからどうやって生きていけばいいだろう。
ただひとつ今思うことは、あたたかさを教えてくれた君へ。
君が誰にも言わなくていい幸せを見つけられたならいい。
そればかり願っている。


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『歩く』

歩くのは簡単だ。
足が震えても誤魔化せるから。
ただ、前に進んでいるのかは分からない。
同じところをぐるぐる回っているのかもしれない。
それでも歩くことを止めずにいるのは執念か。
いつか僕を馬鹿にしたあんたへ。
立っているだけで足が震えてしまうような僕に似た君へ。


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『哀切を』

泣きじゃくっても悲しみは少しもなくならなかった。
強くなれない自分に酷く腹が立ってしょうがなかった。
あの時の言葉も手のひらの熱も忘れない。
今はどんな言葉も無意味にしかならなかった。
ただ一人絶望の断片を味わっていた。


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『もう会えない人へ』

あの人の声は色です。
美しい色です。
潮騒の、朝凪の、夜空の色です。
真っ白な空間によく映える。
水彩絵の具のように柔らかく伸びやかで冷たくてやさしい。
風が吹くのも気にせずに。
あの人は色に飲み込まれてゆきました。

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