Twitterにあげた詩まとめ③
『練り飴』
直射日光に晒された粘土のようだ。
やわらかくぐにゃりぐにゃりとした腕が見える。
ああ今は君のせいにしたい。
額に落ちた白い雨粒。君の涙じゃないか?
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『眠れぬ夜は』
スマートフォンの明かり。
ただの、光。
あなたはもう夢の中だろう。
羊を数えてもう一度。
深呼吸をして夜と一体化する。
それでも駄目なら錠剤をひとつ、ふたつ
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『あのね。』
まだ君に伝えられない言葉があるよ。
あのね、まだ言えない。
あのね。あのね。
(あのね、街路樹の下に咲いた小さな花が綺麗だよ。)
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『残ってる』
やわらかい何かが僕の鼻先をくすぐった。
手を伸ばしたけれどそれには触れられなかった。
微睡みの中、静かに雨が降っている。
ベッドには誰かのぬくもりが残っているような気がした。
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『花のうた』
呑気にふらふらと生きていたら脳に花が咲いてしまった。
それでもいいや、あなたにこの花を見せたらなんて言うかななんて考えただけで笑えてくる。
世界の手の届かないところ、そのちょっと手前くらいで花を見せびらかそうかな。
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『夜に一人』
静かな夜にベランダにひとり。
吸い込んでは紫煙を吐き出す、それを繰り返す。
身体に染み込むなにかとなにか。
僕がしっとりと夜に溶けると、夜は沸騰して朝になるのだ。
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『弱いうた』
僕のことを嫌いなあいつが僕をころそうとして風を強くする。
そんな事でしにはしないよ。ほんとだよ。
口約束で花束を作ってきみに送ろうか。
夕日はきれい。飲み込んだらどんな味がするだろう。
吸殻を道端に捨てちゃった。
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『あの光』
頭がチカチカした、意識が混濁している。
事切れるのだろうか。
それでも思い出すのはあなたの言葉で。
テトラポットに座って潮風に吹かれながら星を眺めた。
あの頃の星、ああ、今頭の中にあるのか
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『泥中の君』
あの時計台に6時になったら集合ね。
いつかの夕暮れきみとの約束。
それから少しして穢れた者たちにきみは囚われてしまった。
ぼくは、ぼくは手を差し伸べなかった。ただ泥水に溶けていくきみを無表情に。
片目できみを見送った。
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『春のこと』
春はどうして手をからだをすり抜けて行ってしまうのか。
目に映る春をすべて自分のものにしたいと切に願った。叶わないけれど。
あなたが散った季節も春でしたね。
だからどうしても春をあいしてしまいます。
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