Twitterにあげた詩まとめ⑥
『夏の少女』
かき氷にシロップをかける
ここは夏、えいえんに夏
私は今年も君を待つ
えいえんの夏の中で
私は夏の少女
自然と戯れる、白いワンピースに麦わら帽子で
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『損失はいつも此処に』
暗い藍の空に散りばめられた数多の星の中に
きみはいるの?あなたはいるの?
失うには早過ぎた、と思うけどずっとずっと失いたくなかったと思う
左腕、痛い。
雨が降ればいいのに
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『ガラクタの音』
雨がベランダを叩きます
たったったっ
これは楽器ですか
楽器です、音の鳴るものには魂が宿ります
言葉は、楽器ですか
楽器です、ガラクタみたいな、楽器です
ガラクタ同士だから伝わるこれは音楽です
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『君の街に』
泥のような触手のような冷たい空気が纏わりつくので
そいつを噛んでみた
そいつは忽ち僕から離れて、ヒトデのような形で大きくなって
何処かに伸びるような動作で飛んで行った
明日は君の街に雨が降る
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『泳ぐ』
「海は、泳がなければいけませんか」
ずっとです
「ずっと泳ぐのですか」
わかりません
「目的地には着けますか」
わかりません
「そこには何がありますか」
わかりません
「誰も知らないのですか」
知らない
「知らない」
知らない
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『諦観』
ここに居るんです
ずっとここに居るつもりです、遠くに行く事なんて望んでいないのです
私は根無し草ですから、根無し草なのですから
どこにも、行くつもりはありません
この動かない水槽は涅槃であります
どうかあなたは幸せで
私のいない場所で幸せで
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『ごみばこ』
ふらっと消えてしまいそうだな、きみのことは大事にしてるよ。
きみの使う言葉は時々分からないけど、きみの言葉を愛しているよ。
ぼくの使う陳腐な言葉で愛しているよ。
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『母娘』
しあわせでいてね
私があげられるものは全てあげたの
だから私何もなくなって
貴女は栄養で満ち満ちている
しあわせでいてね
必要のないものきっぱり捨てて行って
貴女以外は全て使い捨て
しあわせでいてね
どうか
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『生きられない』
水槽に種を蒔いた
腐ってしまうと、わかっていた
水の中では生きられないのね、わたしと一緒ね
でも種は根を張って大きな花を咲かせた
わたし、知らないこんなこんな裏切りってないわ
救われたかっただけよ
生きられないのはわたし
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『四畳半、僕のせかい』
四畳半、僕のせかい
2リットルのペットボトル、本とノート、小さい電子機器とイヤホン、睡眠導入剤とベッド
ぼくはいつだってひとりじゃないのさ
雷が鳴っているから外には出ない
太陽が出ているから外には出ない
僕のせかい、四畳半
ここでいきる
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