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A24があの『ストップ・メイキング・センス』を4Kリマスター上映するって!

快進撃の続くA24がトーキング・ヘッズの1984年の名作ライブフィルムを『Stop Making Sense 2023』としてリマスター上映するようです。

A24といえば、インディペンデント系の映画製作・配給会社ですが、
「もはやA24が絡んだ作品が公開されていない時はないのでは?」
というくらい面白そうな作品が目白押しです。

先のアカデミー賞でも『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』や『ザ・ホエール』などが各部門賞を獲得していましたし、現在絶賛公開中の『aftersun/アフター・サン』も鑑賞後の感想はほとんどが高評価のようです。

そんな、A24を最新号のユリイカで特集していたので、少し調べてみようかと思って公式サイトを覗いてみたところ(公式サイトをみるのはこれがはじめて)、こんなページとトレーラーを見つけました。


トレーラーのショートムービーは、デヴィッド・バーンがクリーニング店にやってきて預り証を渡すところから始まります。
「預けていた服を取りに来たよ、ずっとここにあると思うんだけど」

そして店員が奥から探し出して来たのが、
ストップ・メイキング・センスでデヴィッド・バーンが来ていた巨大スーツです。
そして、スタジオらしき場所で約40年ぶりくらいにそのスーツに身を包み鏡に向かって"くねくねダンス"をするバーン。

「ん? あのストップ・メイキング・センスのライブを現代版セルフカバーとかするの?!」
と一瞬喜んだのですが、どうやらそうではなさそうな感じ。
『アメリカン・ユートピア』で最新テクノロジーを駆使して、モダンなライブステージの在り方を見せてくれたバーンなので、今度は。。。と思ったんですが、あれはトーキング・ヘッズあってのステージですからね。残念

『ストップ・メイキング・センス』はトーキング・ヘッズの1983年のツアー3公演を撮影し編集されたライブドキュメンタリーで、1984年に公開されています。
当時はこのライブから「Burning Down The House」のMVがヒットしてMTVでガンガン流れていたんじゃなかったかな。
そして、なんといっても音楽以外で話題になったのが、デヴィッド・バーンが数曲で着用していたこの巨大スーツ。

流行先端ファッションは往々にしてぶっ飛びすぎてるもんですが、当時大学生だった僕には、このファッションは何周回っても格好良いとはとても思えず失笑するしかなかったです。
当時は音楽耳的にも、歪んだギターがバリバリ鳴っていないとダメだ!というハードロック耳から、アメリカ西海岸サウンドに馴染んで来たとはいえ、トーキング・ヘッズの良さには全く気づいていなかったというのもあります。

そもそもこのドキュメンタリーと同時リリースされた音源(アルバム)を教えてくれたのも、大学の同級生で九州から出てきていた友人のH君からでした。
H君は普段のファッションがモード系というか、いつもジャケット・パンツでヨウジヤマモトなんかをさらっと着こなしていたのですが、
音楽の流行に敏感で、トーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンのファッションから入っていたようで、
「今度のライブアルバム、よかばい!」
と彼のソアラに乗せてもらった時によく聞かされていました。

そのH君はまだ30代の若さでしたが病気で早世してしまったのですが、
なので、僕にとってこの『ストップ・メイキング・センス』はH君との想い出がセットになっています。

社会人になって、ジャズやヒップホップなどのブラック・ミュージックにも馴染んできた後に、改めてトーキング・ヘッズを聴き直して、ドキュメンタリーも観直して、やっとこのライブの凄さに気づくようになりました。

グルーヴに溢れていて、ファンキーでダンサブルで、こんなにパフォーマンスが熱かったのかとかなり驚きました。
昔から同じような曲ばかりやっているハードロックバンドより、これはよっぽどロックじゃないか。
そんな風にトーキング・ヘッズを再発見しました。

なので、今回A24により4Kリマスターで劇場公開されるというのは、とても楽しみにしています。

と、ここまで書いてきてやっと気づいたのですが、
『ストップ・メイキング・センス』のリマスター版と当時アルバムには収録されなかった2曲も追加した18曲完全版としてアナログ盤が再発されるというニュースを先々月くらいに見て、アナログ盤(レコード)をタワーレコードで予約していました。
リマスター盤レコードは8月発売なのですが、音源だけでなく元のライブ映像も合わせてリマスターするプロジェクトだったんだな、と。

そういえば、『ストップ・メイキング・センス』公開40周年が今年だったんだ、その一連のイベントだったんだな、と今頃になって気づきました。

劇場公開が終わったら、きっとドキュメンタリーのBlu-Rayも再発されるだろうから、レコードを買うのを止めて映像メディアの方にしようか、と悩みはじめています。

ところで、どうしてA24だったんだろう?

<了>






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