見出し画像

江原スピリチュアリズム(前書き)

江原 啓之を知ったのは2005年くらいの時だった。ちょうど他界した冝保 愛子と入れ替わり立ち代るように江原はテレビに露出した。

江原には、冝保 愛子のような中途半端な仏教観で見る、モヤモヤした来世観ではなく、何か確固としたバックボーンがあるような気がした。

私はその頃、生きる理由をずっと探していたのであるが、江原にピンと来て彼の本を読んだ。私は何だかモヤモヤしていたものが、江原によってクリアに晴れ渡るのを感じた。江原の本は、私に読ませるのではなかった。思い出させるのだった、これが真実だった、と。

それから私は江原の新刊が出るたびにそれを買った。私は水が流れるように江原の教義を吸収した。目を次の行に移す前に、次の行に何が書かれているのか分かった。

私は江原 啓之から近代スピリチュアリズムの基礎的な概念を学んだ。それは苦学によって身に付いたのではなかった。ただ単に、大事なことを思い出しただけだった。自己に内蔵されていた根源的感覚を覚醒させただけだった。

江原は、死後の世界観を自己の守護霊である昌清霊から教えられたと言っているが、一方で日本語の用語は霊能者の師匠から学んでおり、それは浅野和三郎が打ち立てた和製スピリチュアリズムのものである。そして、浅野はフレデリック・マイヤーズのマイヤーズ通信を輸入する時に復古神道の概念を換骨奪胎して和風に仕立て上げたのである。だから、江原の根本は、本当はフレデリック・マイヤーズなのである。

また、江原はシルバーバーチという霊界通信から学んだとも言っている。

だが、私は江原スピリチュアリズムをシルバーバーチと結び付けることに抵抗を感じる。なぜなら、江原は階層の法則というので、明確に死後の世界に区切りをつけているのだが、シルバーバーチは階層をグラデーションと呼んで、区切ることを拒否するからである。

シルバーバーチは近藤 千雄が輸入する時に、量が膨大なゆえに本を売ろうと意気込んで、誇大宣伝した感じがする。『新・心霊科学辞典』(田中千代松著)では、シルバーバーチのことを近藤だけが持ち上げている。

シルバーバーチに突っ込みたいところはまだまだたくさんあるが、ここでは放っておこう。心霊学(今で言う超心理学)では、シルバーバーチなど相手にされていない。問題はマイヤーズ通信である。日本では津城 寛文がマイヤーズ問題を取り上げ、超能力ですべてが起こるのか、それとも霊の実在かといったことを述べる。マイヤーズ問題と言ったのはウィリアム・ジェイムズである。

マイヤーズもテーマから逸れるので放っておく。

江原の階層の世界観は、元はと言えばマイヤーズ(霊)の階層分類から来ている。根本的にシルバーバーチよりマイヤーズに近い。

カルマの法則においては、完全に帳尻が合うようにカルマが解消されるという。これは完全自己責任を謳うもので、シルバーバーチのものだが、はっきり言うとこれはブラバッキーの神智学から来ている。

三浦 清宏は『近代スピリチュアリズムの歴史』の中で、「読者には不満かもしれないがシルバーバーチには触れない」などと、いちいち明言している。

それほど、日本の心霊学の研究者たちにとって、シルバーバーチは目の上のたんこぶのようなものなのだ。近藤のエゴのために低レベルなスピリチュアル信者がたくさんできてしまったのだ。それが「心の道場」(現・スピリチュアリズム普及協会)なのである。

まあ、なにやらグダグダな前書きになってしまったが、私は江原 啓之とその周辺事情に詳しいし、最近の臨死体験から来る情報などを元に、常に霊的世界観をアップグレードしている。

そして、ものごとを考えるうえで最も基礎となる江原スピリチュアリズムの考え方について、これから解説していくよ、ということを述べたかったのである。

よろしければサポートお願いします!