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あしかが妄想会議 #2

さて、始まりましたあしかが妄想会議#2
代表の牧野君からご挨拶をしたあと
足利市の状況を

足利市の人口は毎年減少しているが
ピークと比較し83%、世帯数は微増し
その結果、空き家も多くなっている

昨年生まれてきた人は640人
人口ピークの平成2年は1500人いたので40%。
小学校では複式学級(複数の学年が一緒に授業を行う)
も出てきている

それから
今回、里山地域で活動する後藤さんが
ゲストなので足利市の里山の状況を

足利市の土地の45%は山林
平成7年耕作されていた農地は2,565haだったが
令和2年1,613ha
農家の8割以上の人が60才以上
移住希望者の多くは土いじり(農)に
関わりたいとはいうけど
実際に農業をやるまでは・・・
いくつものハードルが

そんな里山地区で地域おこし協力隊を3年
集落支援員2年目の後藤芳枝さんからの
ゲストトークをお願いします

ゲストトーク
私は群馬県邑楽郡板倉町出身で
都内の服飾系の専門学校へ進学後
都内で暮らしていました
仕事は、アパレル系やバンドをやりながら
古本屋、キッチンカー、派遣OLなど
さまざまな仕事に就く中で
消費するだけの都会の暮らしに
疑問をもつようになり、
田舎暮らしを求めて足利へ移住してきました

さて、集落支援員とは?
それは「地域の課題を解決するために活動する人」

なんだかスーパーマンのようですが
実際に地域の活動に参加
地域の人たちから困っていること等を聞き取り
一緒に悩み
その人たちの何か手助けができないか?
を模索し行動する

必要に応じ、市の方へ声として届ける
そういう仕事です

具体的には、
①そういう相談を受ける
②空き家や耕作放棄地を借りて自らも活動する
③そういった活動を情報発信していく

そんなことをやっています

今日はそういった活動の中で見つけた
「名草の新しい地域資源」を
皆さんにご紹介します

一つ目は稲作に関連するコンテンツです

稲作は米といういう漢字をバラシすと
八十八となりますが、その通り米づくりには
88の作業があると言われています
一般には田植えや稲刈りといった作業しか
農業体験で見かけないと思いますが
自分も米づくりに参加して
用水路の堀ざらいの大変さと大切さ
稲作の知識が無くても手伝える
川での苗箱洗いとその楽しさ
しめ縄づくりに向いている
背丈の高い古代米の生産としめ縄づくり
そして唐辛子を乾燥させるための稲わら細工も
意外に簡単にできることと見た目もかわいく
人気があります

2つ目は麦に関するコンテンツです

麦は米に負けないくらい
みんなで楽しめる要素が詰まっています
例えば、麦巻き、麦踏、麦刈りなどどの工程も
親子で気軽に参加していただいております
特に麦踏に関しては歩けるようになったばかりの
お子さんでも楽しそうにやっていました

収穫した小麦粉はピザやうどん、パンなどに
活用ができるのですが、木の棒に巻き付けて
焚火で焼くだけで棒パンにもできます

そして、麦わらは中が空洞になっていることから
ストローにも代替できるほか
フィンランドの装飾品「ヒンメリ」になったり
麦の穂はスワッグにも活用できるので
ワークショップなど作る工程も
楽しむことができます

3つ目は名草に豊富にあるものを使った体験です

30年以上前に里山の救世主として定植された
「ゆず」ですが、生育も早く棘がするどいなど
剪定が大変だったり、棘で実を傷つけてしまい
価格が下がってしまうなど
近年は放置されるようになってしまいました
そんなゆず畑を地域の人からお預かりして
整備をし、今年は青柚子、黄色柚子ともに
販売・加工、そして観光農園として開放しました

ヒノキは香りを抽出する蒸留に着手しました
これが本格的にできると森林の整備にも
つながるかなと思っています

最後は竹です。竹細工教室にも通っていて
籠などに編めたらと思いますが
遊び道具やご飯を炊くのにも使えるので
幅広く楽しめる素材だなと改めて感じています

取り留めありませんが
実際に活動する中で見つけた「新しい地域資源」
をご紹介させていただきました
地域には様々な活動をしている人がいます
そして見る角度や地域外の人から見ると
とても魅力的なコンテンツであふれています
私はよそから来たものとして
こういった「地域資源」をしっかりと発信し
その結果地域に人が訪れるようになったらと
思っています

ほんと後藤さんは様々な活動を通して
様々な地域資源を発掘しています

そんな後藤さんに質問です

掘り下げトーク1
今では様々な活動をしている後藤さんですが
地域おこし協力隊で着任した当時
どんなことに取り組んだのですか?

最初は何をやったら地域おこしになるのか
わからず、とにかくいろいろな活動に
参加しました
「いいな いいな いなか(以下、本)」
にも書きましたが
里山整備の活動に参加したつもりが作業途中で
それは相撲の観覧席の整備の人たちだったことが
判明したこともあったくらい
あまり活動の状況もよくわらないで
参加していました笑
おかげで今では名草地区でどんな人が
どんな思いで、どんな活動をしているか
わかるようになりました

地域活動に参加するってとても大切ですよね!
こうやったらいいのに?とかいう人って多い
のですが、実際には地域には苦労しながらも
活動している人はいるわけで
まずはそういった人たちが実際にどんなことを
やっていて、どんな壁にぶち当たっているのか?
それって実際に参加してみないとわからないこと
かなと思います

掘り下げトーク2

こちらも本に書かれていますが、ちっとファーム
これの始まりはどんなものだったのでしょうか?

ちょうどコロナで、当時事務所となっていた
移住相談センターも閉鎖することになり
ちょっと時間ができたんです
そこで自分も畑で何か作物を作ってみたいなと
思い、地域の人に相談に小さな畑を借りたんです
ほんとは人里離れた奥まったところがよかった
のですが、ここなら鳥獣被害も大丈夫だよと
地域の人から言われて借りたのは
人の目につく道路沿いでした笑

ここで農作業をしたことで
地域の人に私の存在を認識してもらえるように
なったので結果的にはよかったなと思っています

これまで誰かのお手伝いという状況から
自らも地域活動をやり始めた瞬間ですね
やはり、自らの旗印を上げて実際に活動する
ってとても勇気のいることですよね
けどそういった活動をすることで
地域の人に認識してもらい
それが信頼に繋がっていくのかもしれませんね

掘り下げトーク3
移住前に里山での農業体験がインターネットで
探せなかったといっていた後藤さん
実際に招き入れる側になりましたが
情報発信はできていますか?

毎日は情報発信できていません笑
やはり作業をやるだけで疲れちゃって
ただ、やはり情報発信していくことって
大切だなと思います
これは新聞の効果かもしれませんが
先日、北の郷に立ち寄ったら
そこの店員さんが直近で開催したゆず園のことを
知っていて「ゆずの人ですか?」と言われました

また、あまり農業ができない私が
いろいろなことにチャレンジしていることで
これから農業をやりたいという
みなさんの励みになっているようにも思いますし
そういった活動を応援してくれる人も増えています

掘り下げトーク4
米・麦づくり、空き家活用、収穫祭
ゆず園の開放など
いろいろな活動をしている後藤さんですが
やっていて大変じゃないですか?

はい。大変です笑。とても一人じゃできない
ことばかりです
毎回いろいろな人たちに助けてもらっています
協力隊の3年間、集落支援員となり2年を
振り返ってみると、ほんとみなさんのおかげで
まだまだ中途半端かもしれないけど
いろいろなことができているなと感じています

作業の時、いつもお茶を用意して
休憩の時にみんなで話するのが
楽しみだったりもします
作業自体は大変だけど、支えていただている
皆さんと笑いながら作業ができるのって
すごい活力になっています

掘り下げトーク5
これまでの歩みを本日お話しいただきました
とても順調のように思いますが
一番大変だったことってなんですか?

そうですねぇ
全然うまくいかないことばかりです笑
農作業に参加し出したころ
刈払い機もはじめは使ったことなくて
作業の時、鎌をもっていったんです
そしたら、地元のおじちゃんたちが
「そんなんじゃ日が暮れちゃうよ」って

そこで刈払い機を使えるようになりたいなと
思ったのですが
「まずは練習しろ」って言われて…
あまり草も伸びていない寒い時期に
河原の草刈りをしていたんです
そしたら、それを地元の人が見ていてくれて
その後いろいろ話を聞いてくれるようになったり
仕事を任されるようになったんです
地元の人たちも最初
なんとなくきれいなことばっか言ってるとか
どうせ口で言ってるだけなんだろ?
みたいなのがあったのかな
やはり自ら行動しないと
信用してもらえないんだなと改めて思いました

最後に
後藤さんの今後の“妄想”をお聞かせください

今後の“妄想”ですね
えっと、これが2022年を迎えるときに描いた
私の妄想です


あれから1年が経ち、見返すと、
妄想したことがいろいろ実現できているなと
やはり“妄想”することって大事だなと思います

ほんと日々の作業に没頭してしまいがちですが
ちょっと立ち止まり自分のやりたいことを
“妄想”してみると、なんとなくそれを実現しようと
動けるものなのかなと

今後の“妄想”は・・・
農地は農地として使わなくてもいいのでは?
もっとこの自然を楽しめればいいのではないかな?
と思います
実は明日、長谷川農場さんからヤギが引っ越して
きます。ヤギは草刈りや鳥獣対策にもなるのでは?
と思っていて、ようやく

私はみんながもっと楽しく、ゆるい形で
里山暮らしを満喫してもらう手助けがしたいなと
思っています
それは単に地域外の人たちを受け入れるだけ
でなく、地域の人たちも農地や空き家などを
地域の共有物のようにとらえてくれる
そんなやさしいエリアになっていったら
いいなぁと思っています


名草craftの活動はこちら


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