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子どもの氏名、ふりがな付。

とっくに成人した子どもがいる。
たまたま彼女が長期で家を離れている時に、彼女宛の郵便物が届いた。
「申し込み内容の確認」系の書類である。
彼女に連絡すると、封筒を開けて、中に入っている書類の必要項目を埋め、返送してくれないかと言う。
難しいことではない。
用紙に彼女の氏名とふりがなを書き、1項目にチェックを入れ、日付を添えたら終わりである。
返信封筒も用意されている。
あっという間の作業だ。
ところが、だ。
この作業が、実に深く長い感慨を生むことになる。

子どもの氏名を手書きして、ふりがなを振る。
一番最初は母子手帳だっただろうか。
以来、健康診断、予防接種、赤子系・幼児系イベントの各種申込書、用具の持ち主名の明記、保護者会やら懇親会やらの出欠票、等々等々…。
何十、何百、それ以上?
数え切れない程書いてきた。

我が子たちの氏名を丁寧に書いて、ふりがなを振る。
これをしなくなったのは、しないでもよくなったのは、いつからだろう。
すっかり忘れていた。
バンザイして喜ぶほどのことではないし、淋しがるほどのことでもない。
けれど…、
すっかり忘れていた。

私がペンで書いた、娘の氏名、及び、ふりがなは、なかなか、いい。

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