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サクセスストーリーを妄想する(診断士二次試験の勉強から学んだこと)。

もう10月ですね。
そして、中小企業診断士の方々の多くが苦労した二次試験がもう目の前・・・。今回も前回に続いて、自分が診断士試験勉強で学んだことで、その後も役立っていることをまとめてみたいと思います。

それが「サクセスストーリーを妄想する」。

中小企業診断士二次試験は、中小企業等の「事例」が与件文(A4、2~4ページ)として提示され、その事例に関する問題に解答するという形式になっています。設問数は4~5問程度、そして、大半の設問で解答に15字~200字程度の字数制限があります。
記述する文章のボリュームはそれほど多くはありませんが、制限時間内に決められた条件設定で出題者の意図に沿った解答をまとめるのが難しい試験と言えます。

事例の中に埋め込まれているキーワードを拾いながら、診断士として、過去の経緯を分析して、どのようなサクセスストーリーを経営者に助言するのかが問われる試験だともいえます。

自分は事前に事例毎に分析・課題解決のサクセスストーリーを決め、それをフレーズとして覚えて、試験に挑んでました。例えば、「適正な在庫管理の実施による、管理コスト・保管スペース・仕掛品の削減」みたいなフレーズですね。試験会場では、与件文を読んで、「このフレーズが使えそうだな」と決めて、それを軸に解答を組み立ててました。

そんなストーリーの妄想が、現在の診断士活動において役立っていると思えるシーンが、何度かあります。

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一つは、『補助金・助成金の申請支援』の時です。
詳細は割愛しますが、補助金・助成金の申請をする場合、申請書に事業のサクセスストーリーをきちんと書いて説明することがとても重要だと思っています。例えば、「魅力的な商品を作っているのですが、なかなか売上が伸びません。新たな取組を行い、販路を開拓し、新しい顧客を獲得して売上を伸ばし、地元の仕入れを増やして、地域の雇用と経済とに貢献します。だから補助金で支援してください。」みたいなストーリーで分かりやすく書くことが大切です。

そして、そのストーリを作るとき、試験の時に覚えたサクセスストーリーが使えます。「この会社はこのあたりが課題でこのあたりが強みだから、この強みを活かして課題を克服するストーリーで申請しよう」、みたいな感じです。

もちろん事業は、そんな簡単には行きません。むしろ、行かない方が当たり前です。

ただ、こういう言い方は語弊があるかもしれませんが、サクセスストーリーすら描けない事業が成功する・・・わけがないですよね。行き当たりばったりの事業に、国が補助金という形で投資してくれるはずがありません。きちんとしたサクセスストーリを書いて説明するのは、とても重要なことだと考えます。

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そしてもう一つは、『経営者や組織の代表と話をしている』時です。
例えば、事業の課題とか方向性とか話をする中で、どのようなことをやろうか考えている時に、「あんなことやったら」とか「こんなことできないか」とか話をするネタにしています。

言い換えるなら、自分で何かをやる時の妄想にも使っています。

もちろんこれも、妄想したストーリーが、その企業の方向性そのままに使えるわけではありません。あくまでも話をするきっかけでしかなく、実際には、たくさんの課題があって、それを様々な角度から総合的・俯瞰的(笑)に検討するわけですが・・・。

受験生時代は、「意味があるのかな~」と考えていた診断士試験ですが、「意外と役に立つことも多いな」と、合格後に診断士として活動を始めてから気がつきました。

そして、受験生の方。二次試験まで、残り僅かです。今やっていることは『絶対に』無駄にはなりません。これまでやってきたことを信じて、ベストを尽くしましょう。もりっち、ガンバ!

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ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。