見出し画像

フィギュアスケートに想うこと 3

YOUTUBE始めました。風間真チャンネルはこちら→https://www.youtube.com/channel/UCSi6XBJoaK2pzgJ_hO0qtXw 

フィギュアスケートのあるべき姿を考える 2

私はジャネット・リン選手の時代からフィギュアを好きでしたが、フィギュアスケートの音楽に注目し「研究」らしきことまでを始めたのは、浅田真央選手のソチのフリーの演技に感動してからです。あのフリー、身体中鳥肌が立ちました。手に汗握りました。泣きそうになりました。

見る人をそこまで感動させる現象を私は「芸術」と呼びたいです。浅田真央選手はまさしく芸術家です。同じくジャネット・リン選手も羽生結弦選手も芸術家です。ディックバトン氏は「劇場」と呼んでいました。この呼び方も正しいと思います。劇場で演じられるのはまさしく「芸術」なのですから。

では何故、これら芸術の域にまで達したスケーターが、時としてメダルを得られないのでしょうか。それはフィギュアの採点規定、レギュレーションにあります。

フィギュアのレギュレーションは複雑を極め、時代ごとにいろいろな事情が加わり、現在のレギュレーションになっています。レギュレーションそのものを非難する事はできません。何故なら、現在のレギュレーションが策定された経緯を、多少なりとも知っているからです。

一言で言えば現在の採点規定は「不正が入り込む余地がないように工夫された」レギュレーションと言えます。その発端となったのが、2002年の、ソルトレイクシティの冬季オリンピックのフィギュア採点不正問題でした。詳細は、興味ある方は調べてみてください。

この時に明らかになった採点不正行為により、フィギュアのレギュレーションは「不正が入り込む余地がないように工夫された」のです。結果どうなったかというと、私は素人なので、素人判断を許していただきたいのですが、確かに不正の入り込む余地はほぼなくなりましたが「動いてさえいれば点数がもらえる」という印象の採点になってしまった事は否定できないと思います。

記憶が定かではありませんが、ジャネット・リン選手の時代の採点は、コンパルが純粋に図形技術の採点がなされ、フリーでは半分が「技術点」、半分が「芸術的印象」・・・アーティスティックインプレッションだったと思います。この時代には、ハッキリと「芸術的印象」と銘打った採点項目があったのです。そして今はなくなりました。全ては「不正が入り込む余地をなくそう」という公正な採点を意図したものだったと思います。

そしてフィギュアの採点は、不正の入り込む余地は確かになくなったと思います。しかしその副作用として「動いてさえいれば、芸術性がゼロでも点数がもらえる」という印象の採点になってしまった、と私は感じてしまうのですが、いかがでしょうか。

毎年、レギュレーションは少しずつ改訂されているようですが、現在のレギュレーションでは、確かに採点が「アンフェア」な感じはなくなりましたが、結果として「動いているだけで、何の感動も与えてくれないスケーター」が、たくさん生まれてしまったことも事実だと思います。

そして悲しい事ですが、現在フィギュアのメダリストのうち何人かは、本当に「ただ動いているだけ」という印象を私は感じます。羽生選手のように、鳥肌が立ったり、涙が出てきたりする演技をするスケーターは、本当に稀な存在になってしまったように思います。

画像1

解決策はあるのだろうか

ではどうしたら「芸術的」なスケーターに、高得点が入ったり、メダルが取れたりするようになるのでしょうか。

これは難しい問題だと思います。

芸術というのは、本来「採点」などというドライでフィジカルな捉え方をするようなものではないからです。一言で言えば「芸術は採点などできない」のです。だから「芸術」を採点して順位を付けるなどという事は、「芸術」にはなじまない行為なんです。

そして、芸術性というものは、多分に主観的なものなので、それを客観的に点数化して競技化しようとすると、何か芸術という分野から、どんどん離れてしまっていくような気がしす。

だからひょっとしたら、競技としてのフィギュアはこのままの採点方法で、ただ動いているだけでもメダリストになれるようにしておいて、それとは別に「芸術」という観点で見ている人は、芸術的に素晴らしかったスケーターを、点数や競技とは別の観点で褒め称える、という現在の在り方が、良いのかもしれません。

羽生選手の芸術性は、たとえ点数が取れなかったとしても、揺らぐようなものではありませんし、世界中の人々が、それはちゃんと評価してくれていると思います。

今日はここまでにします。なんか結論の出ない問題に直面しているような気もします。次回は、今日お話した問題を、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

ちなみに今日の「春よ来い」(私のピアノ演奏・清塚信也編曲バージョン)の再生回数は、22時45分時点で1124回でした。一晩で276回増えました!聴いてくださった方々、ありがとうございます!

更にちなみに、下の写真は、ルッチカーレというイタリアンレストランで、以前私がピアノ弾いていた場所です。クリスマス時期の夜はイルミが綺麗なので、noteの写真としてもいくつか載せちゃってます。

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?