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ロシアのルーブルが2年ぶりの水準まで強含みした理由

欧米の制裁措置により3月に価値の半分近くを失ったロシアの通貨ルーブルは、2年以上ぶりの水準まで強含み、驚異的な回復を遂げた。

コンサルティング会社BSCのジュニアパートナーで、プレハノフ・ロシア経済大学の主任研究員であるセルゲイ・コピロフ氏はこう分析した。


 
「西側諸国は、ロシア中央銀行の資産を凍結した時点で、ロシアに対する債務不履行を行っていた」「これは、グローバル・トータル・リターン・スワップ、リスクの再分配、財産権の保証、シニョリッジの分配に基づく国際金融関係のルールの廃止(文化の取り消しのようなもの)である」と述べた。

「我々が慣れ親しんでいる旧ルーブルの為替レートとその確立へのアプローチを決定したのはこれらのルールであったと専門家は述べ、これらのルールは “もはや適用されない”」 と付け加えた。

また、コピロフ氏は「ルーブルの強化は現在輸出と輸入に基づいており、その価値は購買力平価(PPP)によって決定される」と説明した。

国際通貨基金(IMF)は、2021年末のロシア通貨のPPPを1ドル=29.127ルーブルと試算している。

ビッグマック指数によると、そのレートは1ドル=23.24ルーブルとなった。
また、専門家は、制裁前のロシア通貨の人為的な安値は、資本流出によって支えられていたと指摘する。


 
こうして2021年には、純輸出(財やサービスの輸出額が輸入額を上回ったもの)が1220億ドルに達した。

それらの為替差益は、海外資産の購入に充てられたという。

制裁と西側諸国のロシアに対する金融債務の不履行がある現在、この流出は不可能になったとコピロフ氏は言う。

したがって、第1四半期にロシア経済が受け取った580億ドルは、ルーブル高に「圧力をかける」ことになる。

「専門家の評価では、こうした状況下で、金融政策の調整がなければ、1米ドル=45〜50ルーブルの水準までルーブルが上昇する可能性がある」とコピロフ氏は結論付けている。

5月6日時点で、ロシアの通貨は1米ドル=69ルーブル前後で取引されている。

引用記事:RT


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