見出し画像

redmine .vs. JIRA/Conf

はじめに

私は ずっとredmineを使ってきましたが、最近は JIRA/Conf 世界で暮らしています。同じ BTS/チケット管理システムでもあり、似た所もあれば違いも色々でとても面白いです。また、双方の利用者にとって相手がどんな感じなのか?も興味があると思うので、その辺りも少し突っ込んでみたいと思います。ただし、私の redmine 経験は 3.3 ぐらいで、今の 5.x は機能紹介ぐらいしか聞いて無いので、不足があれば御免なさいです。

類似点

redmine と JIRAは、いわゆる「BTS=バグトレースシステム」や、PJ 推進のための「チケット管理システム」としては同じ様な機能を持っており、相互に代替可能と思います。

redmine はこんな感じ
JIRAはこんな感じ

言葉は多少違いがありますが、双方共に十分な歴史があり実用上どうしても困るような機能不足はありません。どちらかで経験があれば、ツールが変わってもあまり困らないと思います。ツールの慣熟よりも、そもそも「チケット駆動開発」を PJ メンバ全員で納得し、活用していく事の方に注力すべき、と言った所でしょうか。ゆめゆめ「手段と目的」をはき違えてはなりませぬ。

違い

ツールとしての一番の違いは、「JIRA = パッケージ製品」か、「redminme = OSS」か、という所です。
JIRA はカナダのアトラシアン社の製品で、特にアメリカでのシェアが高いです。いわゆるシリコンバレー、西海岸では BTS と言えば JIRA と言われているそうです。当然製品としてのサポートが期待出来る訳ですが、日本語の書籍や資料が少なく、日本ではちょっと残念な面もあります。
Redmine は OSS であり、フランス人のJean-Philippe Lang氏が開発しています。
Redmine開発者Jean-Philippe Lang氏、ビデオメッセージで日本のコミュニティへの感謝と今後の方針を語る | Redmine.JP Blog
聞く所によると、彼はフルタイムの SE で、redmine は Ruby の勉強のために「hobby で」作ったそうです。こんなに日本で使われていることを、面白いと言ってます。
また、Redmine には SaaS を提供する会社や、機能強化部品(プラグイン)を製品として販売している会社もあり、OSS としてはそういう支援がしっかりしています。 また、コミュニティや書籍、資料やブログなど、日本語での情報が豊かなのも特長です。
この様な背景の違いが、この2つのツールの違いにも反映されてきます。製品として要望を吸収した多機能な JIRA と、機能部品の選択で自由に機能が選べる Redmine という感じです。
参考ブログ
Backlog・Redmine・Trello・Asana・Jiraを比較 | 料金や評判 | BOXIL Magazine
他にも色々ツールがあるので、広く知りたい時にはこちら。
JiraとRedmineを比べてみた – リックソフト公式ブログ(Ricksoft Blog)
アトラシアンの代理店、リックソフトの JIRA から見た Redmine 
アトラシアンさんは、Jira vs Redmineなんていう比較記事は色々不誠実だからやめたほうが良いと思うよ、って話|ゆきあ|note
Redmine ユーザによる、JIRA との比較

JIRA には Confluence

また、JIRA には、Confluence という「アトラシアン製の Wiki」が存在します。JIRA とセットで使うための Wiki であり、Redmine の内蔵 Wiki に比べるとかなり使い勝手が違います。

実際に、開発時の設計ドキュメントを Confluence で書いて共有し、最後に word 化する等の作り方が身に付いてきました。これが意外な違い、と言えます。
また、Confluence には大量の部品があるのですが、その中には JIRA チケットの状態を動的に表示するものが沢山あります。

デモを見てもらうと分かるのですが、マクロを貼ると JIRA と Confluence が自動的にリンクされ、相互に行き来が可能となります。また、チケットの状態も Confluence 側でリアルタイムに見る事が出来ます。チケット一覧表やチケット発行/消化のグラフ化まで、出来てしまうのです。これは強力です。
JIRA の中では、他のチケットを PJ名-1234 と書けば、チケットに飛べるリンクを作ってくれます。これは Redmine では、#1234 と同じ動作です。残念ながら、Confluence のマクロ部品は、JIRA 自体のコメント欄では使えません。ここちょっと残念です。

Redmine の良さ

OSSとしての提供の自由さ、が一番かも知れません。自前サーバで立ち上げるのなら、一切費用は要りません。ちょっと使ってみたいなら、SaaSのお試しもあるし、Windows PC にも入るし、Docker も提供されていてワンタッチで動かせます。ラズパイに入れて、持ち歩き Redmine を作ったりも出来ますね。また、全て公開されているので、自由にプラグインを作る事が出来ます。パッケージ製品に無い自由さ、活発なコミュニティや多彩な情報、支援企業のバックアップの三拍子が、Redmine の強みと言えそうです。
プラグイン

コミュニティ

Redmine.Osaka (redmine-osaka.net)  Redmine で、出来てます
支援企業
ファーエンドテクノロジー株式会社 (farend.co.jp)
特に前田さんがコミッターとなり、OSS で問題になりがちな日本語対応も完全だと思います。
10年使ってるRedmineのコミッターになった - ファーエンドテクノロジー株式会社 (farend.co.jp)
ガントチャート満足度No.1!らくらくプロジェクト管理ツール|Lychee Redmine(ライチ・レッドマイン) (lychee-redmine.jp)

まとめ 選び方私見

冒頭でも言いましたが、どちらもチケット駆動開発を行うために必要な機能は十分に有してます。なので、パッケージ製品としての保証やアメリカでの実績を買うなら、JIRA。OSS の手軽さや日本でのシェアを考えるなら、Redmine となるでしょう。
実際、アメリカに海外法人があってそこのエンジニアとも共有したいとなると、JIRA に慣れている人が多いかも。多機能な JIRA と Confluence には、大体のことは出来る度量があります。
SaaS で簡単に始めたい場合でも、JIRA も Redmine も企業が提供しているものがあるので、どちらでも良い様に思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?