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繊細さは宝(短編作品)

私がまだ幼い頃、よく叔父さんの家に遊びに行った。

叔父さんは、丸メガネがよく似合い、白い無精髭が貫禄がを高めていた。
叔父さんはいつも部屋でプラモを作っていた。
飛行機や洗車、戦艦やロボットのプラモが棚に敷き詰められていた。

僕にとってそこは、宝の山だった。
だが、僕はその宝物を手に取ってはよく壊した。
叔父さんは、残念そうな顔をしたが僕を怒らなかった。

諭すように、繊細さを大事にしなさい。
繊細さは宝物。君にも繊細さは必ずあるはず。
自分も物も大事に。

社会人になって、この言葉をよく思い出す。
なぜなら、僕は粗っぽく、ついこないだは品がないとまで言われた。
とてもショックだった。

繊細さはある?本当だろうか?
粗いのは、僕の特質だから!

いやいや、全然良くない。全然開き直れない。
僕は、凹んだ。

だから僕は、繊細さを身につけるため、叔父さんを真似た。
丸メガネを掛け、プラモデルを作った。
最初は、僕のように粗が目立つ作品となったが、
作る度、磨きが掛かっていった。

それは、原石をキレイに磨き上げるのと同じであった。
色々な粗が気になった。その度、磨きをかける。
その度、輝くのだ。そして、性格上の粗も消えていった。

いつしか、輝くような実績も残せるようになった。
気配り上手とも言われるようになった。
仕事が丁寧であるとも言われるようになった。

叔父さん ありがとう。繊細さは宝物だね。

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