![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102588060/rectangle_large_type_2_5366d40605f328e0b7faee08764d7c91.jpg?width=800)
受容(短編作品)
レオは中学の入学式を終え、明日から授業が始まる。
期待より、不安の方が大きい。
母親から、美術館に誘われた。中学になると新しく美術の授業が始まるので、
美術がどういったものなのか見ておくと良いということだ。
美術館のテーマは、「近現代デザインの歴史」
19世紀から現代に至るまでのデザインの変遷が紹介されていた。
美しいもの理解し難いものまで、様々あった。
否定され受け入れられ、また再認識されそのサイクルがあるということがわかった。
レオはそこで大事なことに気づく。
様々なあり方があって良いのだと。
そして、
ここに展示されているものは、全て受け入れられている。
ここに居ていいんだよ。と
それはとても温かく、レオの心理を安心させた。
帰り道、母の車窓から様々な景色を眺めた。
色々な建物があり、色々な色がある。小鳥が囀り、虫が鳴く。
それも全部受け入れられている。そして、僕ももちろん受け入れられている。
レオは色々なものに感謝した。
怖くなんかない。
胸を張って学校に行こう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?