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9月の終わりに

大切な人が 珍しく酔っ払い 駅前の路上で眠っていた
通行人は 見て見ぬフリをしながら 足早に帰途を急ぐ

大切な人は おきざりにされていた
同じ いのち のはずなのに

仕事で何かあったのか 真相はわからない
眠りから覚めないまま 彼は夜空に煌めく星となった

ある通行人は 彼に指を差して笑っていた
人差し指 なんて名前 いったい誰が付けたのだろう

肩の荷をおろして やっと素に戻れたのだと信じて
そっと線香に火をつけて 私は無心で祈る

※上記はフィクションです

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