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ごみ処理問題

先日、新聞で、
被災地のごみの受け入れ問題が起きている
と報じられていた。
どの自治体がどれだけの量のごみを受け入れるか、調整が難航しているらしい。
被災地にも人が住んでいるし、
被災地のごみの受け入れ予定地にも人が住んでいる。
その調整がスムーズに進まないだろうことは、想像に難くない。

防災の観点から考えても、
まず根本的な話として、
「ごみを出さないような暮らしかたをする」ことが大切ではないかと思う。
被災した時、ごみが多いと大変不衛生になり、病気などの二次災害を招く。
そうではなく、初めからごみを出さない暮らしをしていれば、
たとえ被災しても、ごみ問題でそれほど苦しまずに済む。

ごみを出す原因は、「消費」行動だ。
人が「消費」する時、そこにごみが発生する。
「消費」活動した後に残って捨てられたカスのことを、ごみと呼ぶ、
と言い換えてもいいかもしれない。
ごみを出さないために一番いい方法は、消費しないことだ。

では、消費しないためには、どうすればいいか。
・・・そもそも、所有しなければいい。
所有しようと思うせいで、ついつい消費してしまうのだから。
ここで言う「所有」とは、法的枠組みの中での「所有」ではない。
あくまでも意識の上での「所有」概念である。
“私が所有している”という感覚や概念を棄て、
シンプルに、今ここを生きることに徹する。
すべての発想の源をそこからスタートさせていけば、
自ずと「所有」とは無縁の生きかたになり、無駄な消費もしなくなるはず。
そして余分なごみも出さなくなる。
それが人間本来の、自然な生きかたなのではないだろうか。

これまでの資本主義社会は、“やりかた”を追求して突き進んできた。
しかし、これからの社会は、今までの資本主義一辺倒の姿勢を改め、
人としての“ありかた”、すなわち“生きかた”にもっと目を向けるべきだ。

目先のごみ処理問題をいくら解決したところで、
根本的な構造を変えない限り、こうした問題は今後ますます増えていくに違いない。

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