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かおり3点セットお茶の旅

佐々木香織(sasaki kaori) インスタグラム→→ @kaori_hananoka

これまでのお茶活動


これまでのお茶の活動は、日本茶生産農家さんの元を訪れ農作業をしたり、お茶フェスのようなイベントでのPRや販売、カフェのスペースを一部お借りして主催するイベントで、茶産地にて撮影した写真をご覧になって頂きながら自身の経験をお話させていただいたり、お茶を淹れて飲んでいただいたり・・

そのような活動が困難になった3月後半。インスタグラムのライブ配信を通じてお茶の魅力を伝えることを始めました。

外出が自粛となり、仕事がストップし、人との交流がままならない日々。気持ちが塞ぎこんでいたことは私だけではなかったと思います。

ただ私は元気をお届けしたかった。今振り返ればそのことしか考えていなかったように思います。

今年の春も農家さんの元を訪れて農作業をする予定でした。それが叶わない中、自分にできることを模索していました。

お茶を飲んで応援したい。行くことは叶わなくともそのお茶を飲んで、SNS等で発信し魅力を伝えることで応援できないだろうか。その思いを農家さんに伝えました。

「わかりました。お気持ち大変うれしいです。ありがとう。」

自分自身が本当に大好きで楽しいと思っていること、それを発信することで皆さんに元気を与え、楽しさの連鎖が広がっていったらいいな。

このような状況の中でもできることはきっとある。そう信じて踏み出した一歩でもありました。


かおり3点セットを作ることになったキッカケ


6月中旬、ある方が配信されていたインスタライブを視聴していると、藤枝かおりというお茶を淹れていました。

そしてこのお茶の名前は人の名前みたいですね、と仰るので

「私の名前はささきかおりです」とコメントしました。

日本茶には「○○かおり」という名前の品種(お米でいうコシヒカリなど)が沢山あり、私自身の名前もなんだかお茶の名前みたいだなぁと感じていたのです。

「香織さんがお茶を作ったらささきかおりになるね。藤枝かおり○○かおりささきかおりで3点のお茶セットを作ったら面白いんじゃない?」という話になり、ご覧になっていた他の視聴者の方からも「ささきかおり飲んでみたい!」というコメントを頂き、じゃあ作ってみよう!ということで今回のお茶作り計画がスタートしました。


インスタライブ配信の様子(下記写真) 

是非フォローお願い致します!!→→ @kaori_hananoka

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奇跡の引き寄せ


お茶セットを作る、ということは決まってもその茶を調達することは中々難しいことです。

現在日本茶はやぶきたという品種が7~8割を占めていて、その他の品種を栽培されている農家さんは極々わずかです。

「○○かおり」という名前が付くお茶を栽培されている農家さんはいらっしゃらないだろうか。と探していたある日。

いつものようにインスタライブ配信をしていると、たまたま井村製茶さんがその様子をご覧になって下さっていて、さやまかおりを卸してくださることに。

そしてその数分後、こちらもたまたまですが、平岡園さんがご覧になって下さっていて、むさしかおりを卸してくださることになったのです。

なんて奇跡的なことでしょう。

私はこの時に確信しました。これはきっと素晴らしいものになる。

残るは自分の名前を付けたささきかおりだけ。さてこのお茶はどのようなお茶にしようか。


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最後の一点、ささきかおりというお茶


私の専門は日本茶ということや、日本茶が好きなこともあり、もし自分の名前が付くお茶を作るのならば日本茶で。と思っていました。

日本茶の品評会等での品質の採点は減点方式です。まず満点からスタートし、香りが弱いから-1点、色が悪いから-1点というように。

この採点方式の中で、お茶の品種の個性的な香りというものは、減点の対象となってしまうのです。

例えば先程の藤枝かおり(品種名:藤かおり)はジャスミンの花のような香りを持っていますが、上記のことがあり、加工の段階で香りを消されてしまいます。

私はこのことがとても残念に思っていました。

最近ではシングルオリジンと言って、単一農園、単一品種のお茶も多くなり、お茶の個性的な香りを残したお茶も大変多くなってきましたが、これらの個性的な香りを生かしたブレンドの日本茶というのは、なかなか見かけませんでした。

そこに着目し、これまでの茶商の方が行ってきたブレンドの視点とは異なった方向から日本茶のブレンドに挑戦することにしました。それをささきかおりというお茶にすることにしました。


なぜお茶セットを販売するのか?


ようやく販売するお茶の内容が決まり、茶セットを作って販売するために必要なものをリストアップしていたある日、私は何か足りないものを感じていました。

そもそもなぜ私はお茶を販売するのか?お客様に何を届けたいと思っているのか?自身に改めて問いかけてみると、あることが浮かんできました。

私はお茶を始めて沢山の方々との出会い、ご縁があり、お茶が沢山の幸せを私に運んできてくれました。お茶があると自分が一人ではなく、沢山の人に支えられ生きていることを実感させてくれるのです。

私はお茶が売りたいのではなく、人とのご縁、お茶に対する想いを届けたいのだ。

それに気づいた私は早速、井村さんへご連絡し、その旨をお伝えすると

「訪問頂いて大丈夫です。」

ご連絡差し上げた次の日、早速お会いさせて頂くことになりました。



さやまかおりの茶畑(下記写真)

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井村製茶へ訪問 「さやまかおり oolong tea」


2020年7月8日(水)

天気はあいにくの雨
地平線までずっと続く茶畑。雄大な牧ノ原台地を越えると、景色が一変する。静かな山の斜面に存在する茶畑

このさやまかおりは井村さん(典生さん)のお爺様が植えられたお茶の木。

このさやまかおりの烏龍茶を初めて飲ませて頂いた時、驚きと同時に衝撃が走った。クチナシの花のような澄んだ香りが心地よく響く

さやまかおりはこんな素晴らしい香りを持ったお茶だったのか。一瞬で魅了されてしまった。

台湾烏龍茶を彷彿とさせる茶の形状と火の香り。でも台湾茶とは明らかに違う。これは新しい日本の烏龍茶だ。それを見つけたような気持ちになって、心が躍った。

井村さんはさやまかおりのかおりに注目し、2019年から香り緑茶 さやかという商品も作られている。

朝の10時までにお茶を摘み、紅茶が出来上がるのが夜中1時。5haの圃場をご家族4人だけでの経営。茶園を手放されてしまう近隣の方も少なくありません。

そのような状況の中、煎茶だけではなく、紅茶や香り緑茶などかおりのお茶を多く作られている井村さん。

より良い紅茶を作るため、新しい機械の導入を検討されたり、
香り緑茶、釜炒り茶などの新しい商品の開発にも余念がありません。

紅茶作りは回数なのだ、と伺ったことがあります。
毎年、毎日、天候、気象条件が違う中、このときこうしてこうなったというデータの蓄積、一つ一つの積み重ね、失敗を経てあの素晴らしい紅茶が出来上がっているのです。

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聞かなければならない最も大事なことを聞き忘れてしまった私。

というよりも、聞きづらかった。でも一番聞いておきたかったことを
帰宅してから、伺ってみる。

お茶を作る際に1番大事にされていること(心構えのようなもの)があれば教えてください。

するとこんな言葉が返ってきた。

人の心に染みるお茶を作りたいと思っています。
香りで感動するとか、ほっとするとか、茶種によって方向は違いますが
結局はそこが大事なんだろうと思っています。

飲んでくださる人のことを常に想い作られたそのお茶を
是非ご堪能ください。



むさしかおりの茶畑(下記写真)

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平岡園へ訪問 「むさしかおり green tea single origin」


2020年7月14日(火)

梅雨が続く この日も雨
でもこれはきっと天の恵みの雨。

下富の地に降り立つと、野菜畑、茶畑が広がっている。
雨に濡れた木々の香りに癒される。
角を曲がり歩いていくと歴史を感じさせる看板が目に飛び込んでくる。そこが平岡園。

ここに植えられたむさしかおり
約15年前に植えられたこのお茶は、平岡さんが埼玉県の茶業研究所にいらっしゃったときに出会った。

台湾種の血を引いているむさしかおり独特の香りに魅かれたそうだ。
味の狭山茶ということもあり、のどの奥に味が残る、コクが出る蒸し度合いを見計らって仕上げる。

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下富の地はもともと関東ローム層の上に広がる原野で養分も水も乏しい地域だった。
そこに木の苗を植え、林を作り、林は原野の吹き抜けた風を遮り、落ち葉は堆肥となり徐々に畑の土を豊かにした、という歴史がある。

平岡さんの家の裏にある林でこの伝統的な落ち葉堆肥を作り、茶の木に与えるなど、土づくりにもこだわる。

狭山茶の産地では茶の生産から販売までを一貫して行う、六次産業農家がほとんど。そのため生産方法から加工方法、販売方法、茶についてのこだわりも様々だ。

お茶をこのようにしたらこうなる。
それらを色々試しながら自由に作れることを楽しんでいる。と仰っていた。

平岡さんがお茶づくりで大事にされていることは 

「美味しいお茶を作る」ですね。

もちろん嗜好品なので好みはありますが、自分自身が美味しいと思うお茶を作ってそれを気に入っていただけるのが何よりうれしいので。
そのお茶で日本茶ファンを一人でも増やせたらいいなと思います。

そんな平岡さんが作られているむさしかおりの独特の香り、味、コクを是非堪能して頂きたいです。



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品種茶専門店 心向樹へ訪問 「ささきかおりgreen tea original blend」


2020年7月13日(月)

埼玉県、狭山茶の産地にほど近い小手指

こちらに日本茶の品種茶を専門とした品種茶専門店 心向樹がある。

お茶の販売だけではなく、お茶の苗の販売、日本茶カフェ経営、お茶のセミナーの開催など多岐にわたる。

日本茶を学び、魅力を伝えるためのきっかけを沢山与えて頂いたこちらのお店の日本茶でブレンドをやらせて頂きたい。その相談に向かった。


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私はまず3種類候補のお茶を購入し、ブレンドを始めてみることにした。すると意外なことが起きた。

味が無くなる

自分は味覚障害にでもなったのかと思い、あわてて他のお茶を飲んでみると問題なくしっかり味は感じられる。

以前、主催するお茶のワークショップで日本茶のブレンドをやったことがあったが、その時は味が無くなるなんていうことは一切なかった。

つまり、香りの品種を使ったブレンドというのは味が無くなってしまったりして非常に難しいもの
だからやる人がいなかったのではないか?

その後、追加で2度お茶の注文をし、上記の3種類以外のお茶も検討することにした。

香りのお茶以外の品種をブレンドをしたらどうなるだろう。自宅に元々購入していた香りのお茶ではどうだろうか。
もう一度、ブレンドする前のシングルオリジンの状態で飲んでみる・・
何十通りも試してみたが、うまくいかない。


私はとうとうわからなくなってしまった。


ちょっと気分転換をしに行った、あるカフェで飲んだ日本茶。
このお茶は香りの品種ではないお茶。でもしっかりとお茶の香りがあるじゃないか。

うま味も、コクも、余韻も、渋みも。
お茶の中に全てがしっかり存在している。

じゃ、私が作ろうとしている香りのお茶ってなんだろう。

このお茶のハーブの香りと、もう一つのお茶のジャスミンの香りを足してとか何か無理をして作ろうとしすぎていたのではないか

私は適材適所に置くだけでいい。
お茶の中に全てが存在しているのだから。
もっとお茶を信じよう。

適材適所に配置できないのならば、それは私の能力不足だろう。
でも私には根拠のない自信があった。
絶対に見つけられる、と。

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私が作りたいのは、心に寄り添うお茶

一人の時だって、決して一人じゃない。
それが今回作るお茶のブランド「a tea party alone」のコンセプト。

改めて日本茶のブレンドに向き合う中、ようやく見つけることが出来た

ささきかおり

どのようなお茶になっているのか。是非ご期待ください。


かおり3点セットのお求めはコチラから ↓

a tea party alone


新しい飲み比べセットが出来上がるまで

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かおり3点セットはお陰様で多くの方に手に取って頂き、完売することができました。
しかし一方で単品の「ささきかおり」はお客様の元に届けられていない現状がありました。

どうしてだろう。


私自身も無類のお茶好きです。お茶好きの心理として、少量でいろいろなお茶を飲み比べて、その中から自分のお気に入りの逸品を探したいのではないだろうか。


焙煎の香ばしい香りが特徴的な、常備薬ともいえるお気に入りの番茶を飲みながら、ぼんやりそんなことを考えていました。

「秋になったので、焙じたお茶は体が温まっておいしい。これからの寒い季節はほうじ茶が飲みたくなるなぁ・・・あれ?」

ふとあるアイディアが浮かんできました。


私がブレンドした「ささきかおり」の緑茶と、その緑茶を焙じて作ったほうじ茶の飲み比べセットがあったらどうだろう?


世界でたったひとつの緑茶と、
世界でたった一つのほうじ茶の飲み比べ


でもそれだけでは少し物足りない。
もっとウキウキするような何か・・


そうだ!


茶ブランドの垣根を超えたコラボ商品として、お客様にお届けできたら
更に面白くなるのではないか?


この緑茶の魅力を十二分に引き出し、ほうじ茶を作ることが出来る人は、私の中では一人しかいませんでした。


その方に早速ご連絡をし、想いをお伝えすると

「私でよろしければ、是非お受けさせてください。コラボのお話嬉しいです」

そしてこの飲み比べセット制作がスタートしました。​

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KANATA HOJICHA​ とのコラボ


2020年10月13日(火)


それまでは全て一人で考えてきたことを、二人で考えることで新たな世界が広がっていく。


何セット作ろう。値段はいくらにしよう。パッケージはどうしよう。
どうやって販売しよう。どのように宣伝しよう。どんな付加価値をつけよう。


こういったことを一つ一つ丁寧に考え、とことん追い込んでいくことができると互いの信頼関係も増し、商品が更に良いモノへと変貌していく


頭の中にあったイメージが具体化されていく。この時が一番楽しくウキウキする瞬間かもしれない。


ほうじ茶をどのように仕上げるかについては信頼してお任せした。


サンプルとして仕上がって来た2種類のほうじ茶はどちらも本当に素晴らしかった。


焙煎度合いの違う数種類のほうじ茶をブレンドして作られている。
これがKANATAさんの出した答えだろう


ここがベストだと行きつくまでの道のりはとても厳しかったに違いない。
サンプルのほうじ茶は数パーセントのブレンドの違いにも関わらず、全く違う味わいなのだ。


そして花香系の品種のほうじ茶は時間が経つにつれ、かおりが消えて行ってしまうとのことで、お客様に発送する直前に焙煎をして仕上げ、納品してくださることになった。


徹底したこだわり。

こんなスペシャルなほうじ茶は、きっと二度と作ることはできないだろう。

皆様にお届けできることが嬉しくて仕方がない。

ほうじ茶焙煎の様子(下記写真)

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「初めてのお茶でほうじ茶を作るときは、必ず茶葉をそのまま食べて、煎茶の状態でお茶を楽しみます。


ほうじ茶にする前のお茶がどんな特性をもっているか、香りと味を確かめます。

でも実はこの工程がほうじ茶に必要だと思っていません。大抵は一発で想像通りのほうじ茶にはなってくれないので。


でも、想像通りにならなかったときに、元の煎茶の香りや味や開き具合を知っておくと、次のヒントにつながることが多いんです。


なので、まずは煎茶の状態と会話をする。これが大切だと思っています。


KANATAさんがほうじ茶を作るときに一番大切にされていることは


茶葉と会話をすること。

焙烙を振りながら「どうしてほしい?」っていつも心で話しかけています。


そうすると「いまだよ!」ってタイミングを香りで教えてくれるんです。
私なりの茶葉のベストで出してあげる。


私は茶葉がないと皆さんに何もお届けできないからこそ、一つ一つ会話して、ベストな状態を皆さんにお届けしています。


KANATAさんが一体どのように茶葉と会話をされたのか。
煎茶(緑茶)とほうじ茶を飲み比べることで、皆さんもこの会話を是非聞いて欲しい。

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ささきかおり緑茶、ほうじ茶飲み比べセット【三香月〜mikatsuki〜】


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