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「ゆでガエル」脱却の方法
みなさんは熱いお風呂とぬるいお風呂どちらが好きですか?
私はぬるめのお湯から熱々になるまでお風呂につかるのが好きです。
最初から熱々ですと、湯船から慌てて飛び出したりしてやけどやケガの原因になりますしね。
こんなお話しがあります。
熱湯にカエルを放り込むとビックリしてすぐにそこから飛び出ます。
ところが、水の状態から温めていくとカエルはそれに気が付かずに、茹でられてしまうというもの。
「ゆでガエル」シンドローム
「組織論」(桑田耕太郎・田尾雅夫著)で企業の業績悪化時にみられる現象についてアメリカの精神医学者グレゴリー・ベイトソンのゆでガエル寓話を紹介されたことで広まったようです。
カエルは熱湯の入った桶に入れられると、死にたくないから桶から飛び出してしまうが、水の入った桶に入れられ徐々に暖めていくといつの間にかゆでられて死んでしまうというお話し。
人は誰でも、今までいた環境や行動を変えたくないものです。それは企業も同じ。
ですが、世の中が変わっていることに気が付かず、そのビジネスモデルが既に時代遅れとなり顧客から見放されて衰退してく企業も数多くあります。
組織風土と組織文化
衰退していく企業の特徴の一つに世の中の流れをつかめないという事があります。
「うちの業界は大丈夫!」、「うちの会社は100年続いてきた会社だから潰れることなんてない!」という会話、危険です。
世の中の流れに対応できない理由として、組織風土や組織文化が大きく影響している場合があります。
新人で入ってきた時はその会社ならではの雰囲気、環境、ルールがあって最初はなかなか馴染めなかったけれど、徐々に馴染んで一人前になったときには十分理解してそれらに沿った行動をとれるようになっています。
組織風土は組織全体を包み込む環境や雰囲気のことをいい、組織のまとまりが強くなればメンバー感の認識も同一化されていきます。
組織文化とは組織で根付いた文化であり、具体的にはルール、決めごと、判断基準などが挙げられます。
組織文化は長い時間をかけて組織に所属するメンバー間で共有され伝承されていきます。
企業が「ゆでガエル」になってしまう原因
外部環境や内部の経営資源とうまくマッチしている間は、組織文化が組織のメンバーに対する行動規範となり、順調に企業が発展していく要因となります。
さらに成功体験を重ねれば重ねるほど組織文化はより強固なものとなります。
しかし、世の中の変化が激しい今般においてはこの組織文化が弊害となることがあります。
ひとは根本的に変化を好みません。組織文化が強固であればあるほど、その傾向は強くなります。
成功体験を重ねて、売上が上がっているときはこれがずっと続くものと信じて、「顧客ニーズを捉えられているから」「方法が正しいから」などと考え、世の中が変化していることに鈍感となり、うまく行くか定かではないことや損をするかもしれないことに苦痛を感じます。
「ゆでガエル」から脱却する方法
変化を拒む状況から変化に対応するために革新を起こすことが「ゆでガエル」から脱却するためには必要です。
①社長の意識を変えること
社長自らが過去の成功体験に依存することなく組織文化を変革すること、今までの方法ではもはや適応できなくなることの必要性を社員に認識させます。
②社長の本気を見せる
変わらなければ先がないと危機感を煽るだけ煽ってそのままではやはり変革は起こせません。「やるしかない!」、「後戻りはしない!」と、ここは社長が本気になって変革のビジョンを示し、浸透させることが必要です。
③社員のやる気を引き出す
変革のビジョンを示したら、今までの仕事のやり方、仕組を見直して自分達で考えさせます。プロジェクトチームを立ち上げて社内横断的に課題に取り組ませても良いです。その際、短期的に成果を出せる課題を設定するようにしてください。
そして、しっかり評価をしてあげてください。これでモチベーション、モラールの向上を図ります。
④さらなる変革の推進
成功体験をした社員は自部署へ戻っても変革する意識を持ち続けます。変革意識を高く持ち続けさせること、短期的な成果を出し続けさせることを習慣化させて変革意識を根付かせます。
⑤企業文化の定着
変革の成功体験は新しいことに挑戦し続けることへの抵抗感を排除し、失敗を許容する新しい働き方を習慣化します。こうなれば「ゆでガエル」からの脱却は果たしたも同然です。
今、入っている器、すなわち自社の属する市場において、社長を始めとする従業員が置かれている状況を正しく把握し、そこに居続ける必要がないように準備し変革を続けることをし続ければ「ゆでガエル」になる心配は不要となります。
世の中の変化、身の回りの些細な変化も見逃さない注意力を持ち、変化を恐れない組織を作りましょう。
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