無職だったわたしが彼氏のアルバイト先でバイトを始めた。
「店長がまーちゃん(私)の事、アルソッ◯より強力だって言ってたぞ(笑)」
ある日、彼氏のサトル君に突然言われた言葉。
アルソッ◯・・・、ホームセキュリティで有名なあの大手の会社だ。
店長のこの言葉の意味は
まこ(私)の、サトル君への監視ぐあいはアルソッ◯より強力だ。
ということだ。
サトル君に言われて一緒にアルソッ◯のCMのyoutubeをみた。
wwwwwwwwwwwww
二人で爆笑。
そうか、私の監視ぐあいはアルソッ◯よりすごいのか。
サトル君のバイト先の店長には何度もお会いしているが、本当に優しく面白い方だ。私とサトル君を焼き鳥屋に連れて行ってくださったり、バイトのまかないを、働いてもない私の分までサトル君にもたせて帰らせたりしてくださる。
私は店長が大好きだ。サトル君も本当のお父さんのように慕っている。
今月上旬。アルソッ◯のように強力なボーイフレンドセキュリティ女の私にサトル君はこう言ったのだった。
「今度の週末、うちの店で働かない? 店長がまこに出勤できないかって聞いてきたんだけど」
私「えっ・・・」
私は無職だった。それも、アルバイト情報誌を何冊、いや何十冊もにらめっこしてきたのに結局にらめっこするだけで終わり、働くことから逃げてきた。
昔ため込んだ貯金から生活費をひきだしたり単発のバイトをしてなんとか生活をしていたが、貯金通帳の数字が日に日にやせ細っていく事は見て見ぬふりできなかった。
「分かった、働く」
そう返事したが、サトル君のバイト先で働くことはあくまでヘルプ程度のつもりだった。
人手不足だと言われていた週末だけの二日間。
しかし、サトル君のバイト先に行くときっちり私の名前でタイムカードが用意されていて、店長はにこやかに私にこう言った。
「まこ、ありがとうな。ようやくうちの店で働いてくれることになったか。ずっと前から期待してたんだぞ」
ん?
あれ?
私、ヘルプじゃなくて、正式にサトル君のバイト先で働くことになってる?
店長の言葉に、サトル君も笑いながら
「・・・だって。まーちゃん、もう◯◯(サトル君のバイト先)の一員だね」
私は嬉しかった。
必要とされていることに。私がお店で働くことに「前から期待していた」と言ってくださった店長の言葉も地味に嬉しかった。
私がアルソッ◯女になり、いつもサトル君の事を家で心配していた私を店長はよく気にかけていたという。
私はサトル君が大好きすぎて、やきもちやきだし、度を超えた心配から嫌な妄想ばかりしていたし、正直ちょっと笑えない部分もあった。
こんな私をヘルプではなくバイトの一員としてまねいてくださった店長。
こうしてこの日からサトル君のバイト先で私は正式に働きはじめた。
サトル君のバイト先で働きだして、本当によかったと思う。
サトル君とずっと一緒にいられるのももちろん嬉しいが、純粋に働くことの楽しさや充実感を感じる。
接客で、お客様に笑顔で接すればほとんどのお客様から笑顔や挨拶がかえってくる。
ああ、そうだ・・私、人と接する仕事大好きだった。
昔、働きものだった頃の私がよみがえってきた。
サトル君との出逢いはクラブだ。
初めて会った頃、サトル君に名前を聞かれ
と泥酔していた私。
思いっきりひいていたサトル君だったが・・・
いつしか私はアルコールに溺れやりまくっていた性生活からサトル君に超一途な女になり、今はサトル君のバイト先で汗水たらして働いている。
出逢いって不思議だなぁ。
そして、本当に、やる気のない日々を送っていた私に救いの手をさしのべてくれたサトル君と店長に感謝している。
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