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後ニケーア古代教父・資料

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#エウセビオス

『教会史』第3巻 第5章 キリストの後の最後のユダヤ人包囲

第5章 キリストの後の最後のユダヤ人包囲

1節

ネロが十三年間の権力を保持した後で、そしてガルバ[Galba]とオト[Otho]が一年と六月間 統治した後で、ウェスパシアヌス、ユダヤ人たちに対する戦役において際立った者となった者が、ユダヤにおける主権を宣言され、そこの諸々の軍から皇帝の称号を受けた。それゆえ彼は直ちにローマへと出立し、ユダヤ人たちに対する戦争の指揮権を彼の息子ティトゥスに託した

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『教会史』第3巻 第7章 キリストの諸予言

http://www.newadvent.org/fathers/250103.htm

第7章 キリストの諸予言

1節

これらの諸報告に、我らの救助者の真実なる予言を加えることは適切なことであろう。そこにおいて彼はまさにこれらの出来事を予告したのである。

2節

彼の諸々の言葉は以下のようである。…子どもと共にいる者たち、そしてそれらの日々に[乳]を吸わせている者たちに災いがある。しかしあ

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『教会史』第3巻 第6章 ユダヤ人たちを抑圧した飢饉について

第6章 ユダヤ人たちを抑圧した飢饉について

1節

ヨセフスの『歴史[ユダヤ戦記]』の第五書を再び手に取って、それから起こった諸々の悲劇的出来事について[話を]進めよう。

2節

彼が言うには、裕福な者たちにとって、留まることは同等に危険なことであったが、彼らは荒野に行くと見せかけて、自分たちの富のために死ぬことになったのである。暴動の狂気は飢饉に伴って増し、両方の惨劇が日に日に更に燃え上がっ

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マルコの福音書16章に関する古代教父の引用

マルコによる福音書の最終章16章は、バチカン写本(B, AD 4c)、シナイ写本(ℵ, AD 4c)、写本304(AD 12c)の三つのギリシア語写本において16章8節で終わっている。バチカン写本とシナイ写本は今日の聖書本文批評において極めて高い評価を得ているため、これら二つの証言を他の1600以上の写本よりも重視し、「マルコによる福音書16章9−20節はマルコによる福音書原本には含まれない、後世

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『教会史』第3巻 第4章 使徒たちの第一の継承者たち

第4章 使徒たちの第一の継承者たち

1節

パウロが異邦人たちへと宣教し、エルサレムからイリュリクムに至るまでも巡って諸教会の基礎を据えたということは、彼の言葉[ローマ 15:19]とルカが[使徒]行伝において為した報告の両方から明らかである。

2節

そしてどれだけ多くの地域でペテロがキリストを宣べ伝え、割礼している者たちに新しい契約の教義を教えたかは、既に異論なきものとして言及された彼の書

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『教会史』第3巻 第3章 使徒たちの諸々の書簡(エウセビオス)

第3章 使徒たちの諸々の書簡

1節

一[書]のペテロの書簡、すなわち第一と呼ばれるものは、真正なものと認められている。そしてこれを古代の長老たちは自由に彼ら自身の著作において異論なき[真正な]著作として用いている。しかし彼の残りの第二の書簡は正典に属さないということを我々は学んできた。それでも、それは多くの者たちに有益であるようであったので、他の諸々の聖書と共に用いられてきた。

2節

しか

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『教会史』第3巻 第2章 聖ペテロのローマにおける第一の継承者

第2章 聖ペテロのローマにおける第一の継承者

パウロのそしてペテロの殉教の後、リヌスが第一にローマにあっての教会の監督職を獲得した。パウロは、ローマからテモテに書き送る際、その書簡の最後の挨拶において彼に言及している。

『教会史』第3巻 第1章 使徒たちがキリストを宣べ伝えた世界の地域について

第3巻

第1章 使徒たちがキリストを宣べ伝えた世界の地域について

1節

そのような[状態]がユダヤ人たちの状態であった。その間、我らの救助者の聖なる使徒たちと弟子たちは世界に渡って散らされた。伝承に従えば、パルティアはトマスにその労苦の地として割り当てられ、スクティア[スキタイ]はアンデレに、アジアはヨハネに[割り当てられた]。[ヨハネは]そこでしばらくの時生きた後で、エフェソスで死んだ。

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『教会史』第2巻 第26章 ユダヤ人たちが、数え切れない悪事に悩まされ、ローマ人に対する最後の戦いを始めた次第(エウセビオス)

http://www.newadvent.org/fathers/250102.htm

第26章 ユダヤ人たちが、数え切れない悪事に悩まされ、ローマ人に対する最後の戦いを始めた次第

1節

ヨセフスはまた、ユダヤ国家全体に対して臨んだ惨事と関連した多くのことを語った後で、多くの他の状況に加えて、以下を記録している。すなわちフロールス[Florus]によってユダヤ人たちの間で極めて名誉ある非常に

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『教会史』第2巻 第25章 ネロの下での迫害、すなわちパウロとペテロが宗教を代表してローマで殉教によって名誉を帰されたものについて

http://www.newadvent.org/fathers/250102.htm

第25章 ネロの下での迫害、すなわちパウロとペテロが宗教を代表してローマで殉教によって名誉を帰されたものについて

1節

さてネロの支配が 堅く据えられた際、彼は不浄な追求へと突入し始め、宇宙の神の宗教に対抗してさえ自身を武装した。

2節

彼の腐敗の大きさを描写することは本著作の計画内には無い。確かに

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『教会史』第2巻 第24章 アンニアノス、すなわちマルコの後のアレクサンドリア教会の第一の司教について

http://www.newadvent.org/fathers/250102.htm

第24章 アンニアノス、すなわちマルコの後のアレクサンドリア教会の第一の司教について

1節

ネロがその統治の第八年にあった際、アンニアノス[Annianus]がアレクサンドリア教区の管理において福音記者マルコを継承した。

『教会史』第2巻 第23章 主の兄弟と呼ばれたヤコブの殉教について(エウセビオス)

http://www.newadvent.org/fathers/250102.htm

第23章 主の兄弟と呼ばれたヤコブの殉教について

1節

パウロが、そのカエサルへの上訴の結果としてフェストゥスによってローマに送られた後で、ユダヤ人たちは、彼に対して敷いた諸々の罠によって彼を計略にかける彼らの望みについて不満を持って、ヤコブに対して向き直った。[ヤコブ]はすなわち主の兄弟で、彼にはエルサ

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『教会史』第2巻 第22章 パウロがユダヤからローマへ縛り送られ、その弁明を為し、あらゆる告発について無罪宣告されたことについて(エウセビオス)

http://www.newadvent.org/fathers/250102.htm

第22章 パウロがユダヤからローマへ縛り送られ、その弁明を為し、あらゆる告発について無罪宣告されたことについて

1節

フェストゥスがネロによってフェリクスの後継者となるべく遣わされた。彼の下でパウロはその弁明を為し、ローマへ縛り送られた。アリスタルコスが彼と共にあり、[パウロ]の書簡のある場所でも非常に自

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『教会史』第1巻 第13章 エデッサの君主に関する伝承について(エウセビオス)

http://www.newadvent.org/fathers/250101.htm

13章 エデッサの君主に関する伝承について

1節
我らの主で救助者であるイエス・キリストの神性は、彼の不思議な業をなす力のために国外の全ての人々の間で騒がれたので、彼はユダヤから遠く離れたところに在る諸外国からの数えきれない者たちを引きつけた。彼らは自分たちの諸々の病気と全ての種の諸々の苦しみが治されること

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