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【保存版】海外でパスポートを盗難・紛失した際にやったこと一覧

2017年7月末、初めてマレーシアのクアラルンプール国際空港に降り立った僕は気分が高揚していました。久しぶりの休暇で手配した海外旅行。その日僕は午前中に成田空港を発ち、夜のとばりが下りる頃マレーシアに到着したのでした。

多国籍な顔が並ぶイミグレーションを抜けた頃にはすっかり夜になっていて、到着ロビーにも人は少なくなっていました。その日クアラルンプール中心部の駅前にある1泊3,000円のホテルに宿泊するため、僕は空港から出る特急電車の切符を買って電車に乗り込みました。

空港からクアラルンプール市街地のKLセントラル駅までは特急電車でおよそ30分。電車の中で荷物の整理をしていた僕は、あることに気が付きました。

なんと、、、財布が見当たりません。

鞄の中の荷物を全部出して、鞄をひっくり返しても財布が出てきません。切符を買った時はポケットのマネークリップに挟んでいたクレジットカードを使っていたので、財布は鞄の中に入れっぱなしでした。なのにその財布が鞄の中から消えている。僕は頭の中が真っ白になりました。

何より困ったのが、その財布はパスポートケースを兼用していたためパスポートも一緒に紛失してしまったことです。

海外旅行の初日、それも現地についた直後にパスポート入りの財布を紛失。一人旅だったので頼れるのは自分だけ。そんな状況下でどのようにして異国の地から帰国したのか。帰国までの流れやポイントを思い返しながらまとめてみたいと思います。

問題①:パスポートなしでどうやってホテルに泊まるか

パスポート入りの財布を紛失したことに気が付いた僕がまず心配したのは、その日の宿にどうやって泊まるのかということでした。まさか海外で野宿。。。そんなことまで想像しかけた時、記憶の片隅からあることが思い出されました。

それは、パスポートの身分証明欄の写真をスマホで撮った記憶があったこと

確かにそんな記憶がかすかにありました。その記憶を頼りにスマホの写真フォルダをさかのぼりました。そして何年か分さかのぼった先にその写真がありました!過去の自分グッジョブ!!

1泊3,000円という安宿のチェックインカウンターでパスポートを紛失したこととスマホの写真を見せて本人確認ができないか尋ねてみたところ、パスポートの写真をホテルに送ってくれればOKとのこと。なんとかその日の夜を明かす部屋に入ることができたのでした。

問題②:パスポートと共に無くした財布について

さて、部屋に落ち着いて冷静になった自分。お金関係で手元に残っていたのは偶然小分けにしていた約1万円分の現地通貨と1枚のクレジットカードのみ。これでどうやって日本に帰ろうか。その前にどうやったらパスポートが無い状態で日本に帰れるのだろうか。疲れた身体に鞭打って調べることに。

そこでふとスマホを見ると新着メールが1通。件名は「クレジットカードのご利用に関するご案内」。要はクレジットカードの不正利用を検知したお知らせでした。

わたくし、ここでようやく財布が盗難に遭ったのだということに気づいたのでした。すぐさまカードセンターに国際電話をして、カードの停止と再発行の手続きをしました。

対応①:帰国するためにすべきことのリサーチ

財布に入っていた銀行のキャッシュカードなど、他すべてのカードの対応を取った後、帰国するためにすべきことを調べたところ、まずは警察に被害届を出さないといけないとのことでした。

それから、大使館に行って「帰国のための渡航書」という一回限りのパスポートのようなものを発行してもらい、さらに現地の入国管理局に行って正しく入国したことを認めてもらう手続きを済ませたら日本に帰国できるという事でした。

ということでやることの流れとしては

①:警察に行き、財布が盗難に遭った被害届を出すこと
②:日本大使館に行き、「帰国のための渡航書」を発行してもらうこと
③:入国管理局に行き、密入国ではなく正しく入国した者であると認める手続きをすること

以上のことをすれば帰国の途につけるということでした。ここまで調べてひとまずホッとしてその日は眠りについたのでした。

対応②:警察に被害届を出しに行く

パスポートと財布が盗まれた翌朝、僕は別で連泊の手配をしていたホテルに移動して、それから警察に行くことにしました。

次に泊まるホテルはしっかりしたお宿を確保しておりました。スタッフさんはパスポート入りの財布を紛失した僕のことをとても心配してくれて、どこの警察署なら外国人の対応をしてくれるのかなど色々と調べて教えてくれました。また、無償でアーリーチェックインもさせてくれました。

さらに、系列ホテルに勤めていた日本人スタッフに連絡をとってくれて、日本語で相談できる環境を整えてくれました。ひとり身だった僕にとってこの対応はとてもありがたかったです。

ホテルにチェックインをして荷物をお部屋に置いたらスタッフさんが教えてくれた警察署に行って被害届を出してきました。

まさか海外で警察にお世話になるとは思ってもいませんでしたが、ここで被害に遭った内容を事細かに説明して被害届を作成してもらいました。

出来上がったレポートの一部はこちら。

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大体がマレー語で書かれていて戸惑いましたがまずは一山超えました。

対応③:大使館に行く前にやること

警察で被害届のレポートをもらったら次に行く場所は大使館。と思っていたのですが、帰国のための渡航書を申請するために必要なものを確認していたら『顔写真』『戸籍謄本もしくは本籍地の記載がある住民票』と書いてあります。なんてこった。

確かに、パスポート代わりの証明書だから顔写真は必須ですよね。しかしながらここはマレーシア。日本のようにエキナカにお手軽な写真スタンドなどあるわけがない。そして謄本か住民票だなんて。。。

色々調べた結果、まず写真はカメラ屋さんで撮ってもらうのが間違いないということで、ショッピングセンターの中にあるカメラ屋さんを見つけ、そこで写真を撮ってもらいました。

店頭でにこやかに「やあ、ちょっとパスポート用の写真を撮ってくれませんか?サイズは縦○センチ横○センチでお願いします。」と、内心は汗だく必死に身振り手振りとメモを片手に話したら、なんとか伝わりました。

そして戸籍謄本。こちらは日本にいる家族に電話をして取得してもらい、スキャンしたものをメールに添付して送ってもらいました。実際のところ外国で原本なんてとれないので、コピーでもなんとかなるようです。

僕の場合は現地ではホテルのビジネスセンターでメールに添付した謄本のデータを印刷してもらって大使館に提出しました。そして帰国後に原本をマレーシアの日本大使館に送ることで対応してもらいました。

さあ、いざ大使館へ

対応④:日本大使館で「帰国のための渡航書」を発行してもらう

金曜の夜に海外で財布とパスポートの盗難に遭い、土日で警察に被害届をだして顔写真と戸籍謄本(コピー)もゲットして、月曜日の朝いちばんにクアラルンプールの日本大使館に行きました。

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こちらで帰国のための渡航書を朝一番で申請をして、午後2時頃には発行してもらうことができました。

それがこちらです。

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この渡航書を手に入れるまでにも色々ありましたが、ここからがまた大変でした。

対応⑤:入国管理局で手続きを行う

今度は現地の入国管理局に行き「この人は密入国者ではなく、正しい経路で入国した者である」と認めてもらわないといけません。その証明があって初めて出国をすることができるようになります。

マレーシアの入国管理局はクアラルンプールから高速道路を使って車で1時間ほどの場所にありました。それはこんな感じの建物でした。

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いざ着いてみると、僕のような境遇の人が部屋から溢れるほど沢山いて驚きました。アジア人はほとんどおらず、中東系やインド系の人が多かったように思います。

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この人たちにまざって待つこと1時間、自分の番号がコールされたときは安心しました。そしてカウンターでパスポートを盗難にあった旨を説明し、例の被害届のレポートを提出しました。

その後、帰国のための渡航書に入国のスタンプが押印されて無事に手続きが完了しました。正直当初は待ち人が多すぎてこの日のうちに手続きができないのではないかと思っていたので、思いのほか早く手続きが済んで安心しました。

対応⑥:帰国の途へ

翌日、ようやく日本に帰ることができることになりました。

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帰りは安心の日本航空にて。実はもともとはベトナム航空でチケットを取っていたのですが、帰国のための渡航書を申請する際に直行便のチケットを予約しないといけないということでお高い片道切符を購入しなおしたのでした。

この時は偶然小分けにしていた現地通貨の現金と1枚のクレジットカードに救われました。現地での移動はほぼ全てUberを利用して、現金しか受け付けてくれないお役所の手数料関係はなんとか手持ちの現金で対応することが出来ました。

そうして何とか無事に帰国。もう二度と経験したくないですが、おかげで人生経験が増えました。また海外を行き来できるようになったら気を付けてお出かけしたいと思います。

いただいたサポートは静養期間中にカフェで1杯の温かいコーヒーを購入することに使わせていただきます。