春の嵐

春の嵐が わたしを巻き上げる

耳元で 坂巻く唸りを上げて

頬の涙を 空に吹き飛ばす

何年も昔から 細い糸で繋がれた黒い獣が

俺が憎いかと 駆け上がる

嗚呼憎かろう 嗚呼憎かろう

春の嵐に吹かれ どこか遠くへ

糸を断ち切り 忘れ去るくらい

吹き飛ばしておくれ

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