空洞

都会には人知れず空洞がある
ビルの隙間に側道の中に公園の裏手に
誰にも気づかれない空洞がある
風の線を伝って私はそこに辿り着と
体を譲って纏った何かを振り落とす
空洞はそれをものの数秒で
すっかりと飲み込んだ
そしてまた次の空洞を探す

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