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【声劇】終いの出会い【朗読】

☆所要時間:約2分
☆人数 :1人用


喉元(のどもと)まで出かけた
「終わりにしよう」という言葉

なんでもない会話の最後に
明るく伝えようと思ったんだ。

でも、

震えて声が出なかった。

ボクは
いつでもキミから離れられると
タカをくくっていたんだろう。


重ねた特別な時間は

やがて当たり前になり

ボクの中の傲慢(ごうまん)さが

キミの想いのうえに胡座(あぐら)をかいて

まるで自分が与えるだけの存在のようになっていたんだ。


キミからずっと
もらっていたのに…


安心して夜を迎えられたのは
キミの声が聞けたから。

明日が来ることが怖くなくなったのは
キミが笑いかけてくれたから。

日々に挫(くじ)けずに  いられたのは
キミとの約束があったから。


ボクの毎日は
キミが居たから成り立っていたなんて、

そんな当たり前で、悔しくて、青くさいことから

ずっと目を逸らしていただけだったんだ。


さようなら。

もう一度、出会わせて下さい。

キミを支えられるボクとして。


END



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