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字が綺麗になりたい

このままデジタル化が進むと、手書きする機会がどんどん減り、漢字なんて書けなくていい、なんて極論も耳にする。

自分としては(少なくとも自分が生きている間は)、それは無いだろうと思っている。

『字は人となりを表す』と言われるが、根拠はあるのかな?
昔、職場に嫌いな同僚がいた。仕事をなかなか覚えず、ミスが多いくせに、すごく偉そうな口調で「自分のせいじゃない」みたいなことを言ってくる。
接客業だったので、客を怒らせるだけ怒らせて、あとはこっちに丸投げ、とか。
毎日ムカムカしていたが、その彼はめちゃくちゃ綺麗な字を書く。
それがどうしても腑に落ちない自分がいた。


字に関しては学生時代からコンプレックスを抱えている。
小学1年の時、クラスで2番目に字が綺麗と先生に言われた。
2番目って微妙だが、1番の子は圧倒的だった。
それでも、褒められると自信が付き、それが生まれて初めての長所になった。

しかし、残念なことが起きる。
同年代の方なら覚えていらっしゃるかと思うが、その後、”丸文字”が流行り出した。ひらがなや漢字の丸い部分を極端にデカくまるくして、コロコロした文字。
確か、定規で字の上下を押さえ、字を揃えるみたいなことをしている子もいた。

今もそうだが、人に影響されやすい性格なので、それまでの自分の字を捨てて、その大流行している丸文字を練習し始めた。
友達同士、手紙や交換日記で、その練習の成果を披露し合った。

中学に入った頃にはそんな流行も終わり、いつのまにか、そんな字を書いていると恥ずかしい状況になっていた。
しかし、完全に癖がついてしまい、普通の字がなかなか書けない。
中途半端な、見苦しい字しか書けなくなる・・・。

社会人になって、そんな字を書いているのが恥ずかしくて、書道教室に通い始めたが、お手本があれば書けるものの、普段の字はなかなか定まらない。
そして現在に至る。

書道教室に通っていなくても、めちゃくちゃ綺麗な字を書く人はごまんといる。

Chat GPT に、「字の綺麗な人の特徴」を聞いてみた。
返ってきたのは3つの特徴。
1.注意力と忍耐
2.秩序感
3.感受性

1と2はない(汗)。3はまあまああると思うが?

”育ち”にも関係あるかな?
聞くと、

親や学校の教育方針、環境

と出た。
読めない字ではなかったので、誰にも注意されなかったなー。
もっと矯正してほしかったな。

とまぁ、こんな感じで、50年以上も字のことに悩まされている。

塾では中学生を教えているが、今の子は字が綺麗な子が多い、と感じる。
「負けてる…」と思わされる子もいる(;^ω^)
書道教室に行ってるか、確認すると、

ノー。

逆に字を書くのが雑な生徒(主に男子)には、手厳しい自分。

「字が綺麗な男子はポイント高いよ」

と付け加えることは忘れない。

ホワイトボードの字はさらに書きにくい。

その”ミミズが這ったような字”を一生懸命ノートに書き写す生徒の字が美しくて、なんだかいたたまれなくなる…。

はーーー。

一生ついて回る字。
デジタルに逃げる時もあるが、やはり、美意識を高めるためにも手書きにはこれからも向き合っていこうと思う。







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