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#5 諦めないでよかった

もう、以前の生活には戻らないと思えるようになった。一人で行動することが好きだったが、今はみんなといたほうが安心だ。

自分自身が許せない行動を見せたくないばかり、一人でいる方が楽だった。

何とかしないと、でもどうにも出来ず、同じことの繰り返し。やっと魔のループから解放されたのだ。

毎日、規則正しい生活、食事、睡眠、自由な時間の過ごし方が戻った今は、新しいことに挑戦したくなっってきた。

娘が自分の店を持ちたいという夢に、私も一緒にやっていこうかな、と。

陰ながら応援することしか考えていなかったが、今は自分で作ったスコーンを売れたらなんて妄想までできるようになった。

スコーンが美味しいといわれる店に連れていってくれる。前の私だったら、一口食べるのが精一杯だった。とにかく外で飲食することが本当に苦痛以外のなにものでもなかった。それが、娘と一緒におしゃべりしながら、美味しいねなんて言えるようになったのだ。娘もとても喜んでくれる。考えてもなかったことができるようになる幸せ。もう手放さない、と誓う。

自宅療養中に、散歩がてらランチにも連れ立ってくれた。

私がランチ?信じられないことまで出来るようになっていた。

よくなったら行ってみたい餃子のお店へ娘が連れていってくれたのだ。

餃子とレバニラとご飯。二人で同じものを食べた。もう食べることに恐怖感はなかった。あー美味しかった、ごちそうさまでしたと心から言えた。

以前の私だったら、食べたことへの後悔、胃のもたれ、焦り、早く何とかしたい、帰りたいなど、普通の感覚では考えつかない思いで頭が一杯になっただろう。

買い物に出かけた時も、何も食べないから、一緒に行っても面白くなかっただろうなと、今さらながら思う。そういう人間だと思っていた娘だから、私と食事が出来たことを、本当に喜んでくれている。

朝から出かけ、ランチをとって、夕方に買い物して家路につく。普通の事が出来ることに、やたらと感激してしまう。娘も絶対にないだろうと思っていた。私もだ。

今回の事で私が変わり、みんなもやっと人間らしくなった私見て安心してくれている。

これからは、今まで行かれなかったとこで、美味しいものを食べ歩きも出来ると思う。

心療内科の先生は、私の回復の速さに驚いている。私の場合痩せたいわけで摂食障害になった訳ではないので体重測定に抵抗はないのだが、そうでない場合は体重が増えることに恐怖感があるという。治したいと言う気持ちがあるのにだ。

先生は体重は毎日測ると、それだけにこだわることになるのでその必要はないと言われた。それよりも家族の支え、愛情、自分の意志の中で確実に回復に向かっていっている私の生活の方が大切なことだと言う

精神科医は体重設定をして、その体重を目指してという話をしていたが、そういうことではないということがよく分かった。

体重が軽い人だって、元気な人はいっぱいいる。それより、人間らしい生活を取り戻すことの方が大切なことなのだ。

人並みに歩けず、階段も登れないなんて、普通の栄養を摂っていれば有り得ないことだった。

私には幸い家族がいてくれたから、ここまでよくなることができたが、もしも頼れる人が周りにいなくても、医療機関に頼ることはして頂きたく思う。一人ではきっと回復はできなかったからだ。やはり話を聞いてくれる人、医者、カウンセラーなどと共に治していく方が最良だと思っている。

心の中の問題も含まれているので、相談できる人が必要なのだ。

 

 

 

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