切ない朝

私は小学校の廊下を歩いていた。ただ歩いていたのではない。どうやら私はこれから手術を受けるらしい。しかも成功率は低めの。

廊下を最後まで歩くと、広い場所に出た。広い場所の先には大きな階段が広がっていた。階段の先は暗くて見えない。階段を下るイコール、手術を受けるということだった。

私は立ち止まらず、一切振り返らず階段を下ろうとした時、誰かが後ろから私を守ってくれた。誰だろう。

私の母親だった。
母親が、奈落の底へと続く階段に吸い込まれそうな私を、必死に抱きかかえて連れ戻そうとする。

行かないで…!

母親は泣いていた。私、こんなに守られているんだ。愛されていたんだ。呑気にそんなことを考えているなかで目が覚めた。私が泣きそうだったのは言うまでもない。

こんな夢を見たが、私は元気だし母親も元気だ。少し前の、私の母親に対しての複雑な気持ちが夢に現れてしまったのであろうか。とても切ない朝になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?