見出し画像

無能な働き者は処刑せよ

こんにちは、マッコイです!

皆さんは、有能な働き者無能な働き者
といった言葉を聞いたことがありますか。

これは軍隊の組織論における考え方の一つだといわれています。
今回は、『ゼークトの組織論』について書いていきたいと思います!


■ゼークトの組織論

軍隊で一番必要なのは、『勤勉で頭の良いやつ』
参謀に適任だ、勝つための戦術を立案できる。
次に、『なまけ者で頭の良いやつ』。
前線指揮官にすべきだ、必死で生き残るために的確な指揮をするだろう。
次に、『なまけ者で頭の悪い奴やつ』
命令されたことしかできないが充分だ、すべての障害を打ちたおす。
最後に、『勤勉で頭の悪いやつ』
そういうやつはさっさと軍隊から追い出すか、銃殺にすべきだ。
なぜなら間違った命令でも、延々と続け、気がついたときは取り返しがつかなくなってしまうからだ。

Wikipedia

ドイツ軍人である『ハンス・フォン・ゼークト』が語ったといわれています。
軍人を4つのタイプに分類し、適切な人事配置について言及。

  1. 勤勉で頭の良い軍人=参謀

  2. なまけ者で頭の良い軍人=前線指揮官

  3. なまけ者で頭の悪い軍人=一般兵

  4. 勤勉で頭の悪い軍人=除籍、処刑

会社組織に当てはめてみると、下記になるかと思います。

  1. 働き者で頭の良い社員=執行役員

  2. なまけ者で頭の良い社員=中間管理職

  3. なまけ者で頭の悪い社員=一般社員

  4. 勤勉で頭の悪い社員=リストラ対象社員

会社にお勤めの方は、今後の働き方の参考になるのではないでしょうか。
発展して、下記のように表現されているものもありました。

                                                                                                                       DMM WEBCAMP MEDIA

自分はどのタイプだろうと考えながら、読むと面白いかもしれませんね。


■ゼークトは組織論を語っていない!?

『ゼークトの組織論』として説明してきましたが、
実は、別の人物が語った話だと判明しました。

その人物とは、
ドイツ軍人である『クルト・フォン・ハンマーシュタイン』

クルトはゼークトと同時期の軍人で、お互いに接点はなかったようです。

『ゼークトの組織論』といわれている話は、『クルトの将校の4分類』
が元ネタとなっていました。

"Ich unterscheide vier Arten. Es gibt kluge, fleißige, dumme und faule Offiziere. Meist treffen zwei Eigenschaften zusammen.
Die einen sind klug und fleißig, die müssen in den Generalstab. Die nächsten sind dumm und faul; sie machen in jeder Armee 90 % aus und sind für Routineaufgaben geeignet. Wer klug ist und gleichzeitig faul, qualifiziert sich für die höchsten Führungsaufgaben, denn er bringt die geistige Klarheit und die Nervenstärke für schwere Entscheidungen mit. Hüten muss man sich vor dem, der gleichzeitig dumm und fleißig ist; dem darf man keine Verantwortung übertragen, denn er wird immer nur Unheil anrichten."
(「私が考えるに将校には4つの特性がある。利口、愚鈍、勤勉、怠慢である。多くの将校はそのうち2つを併せ持つ。
 まずは利口で勤勉なもので、これは参謀将校にするべきだ。
次は愚鈍で怠慢なもので、これは軍人の9割にあてはまり、日常業務をこなすことに向いている。
利口で怠慢なものは高級指揮官に向いている。
なぜなら確信と決断の際の図太さを持ち合わせているからだ。
もっとも注意すべきは愚かで勤勉なもので、このような者は害を及ぼすのみであるので、いかなる責任ある立場も与えてはならない」)

“あるとき、どのような視点で部下の将校を判断するのか、と聞かれた時、ハマーシュタインはこう言った。
「私はね、部下を4つのタイプに分けるんだ。
 利口な将校、勤勉な将校、馬鹿な将校、怠け者の将校、にね。
 たいていの場合、ふたつのタイプが組み合わさっている。
 まず、利口で勤勉なやつ。
 これは参謀本部に必要だ。
 次は、馬鹿で怠け者。
 こいつがどんな軍隊にも9割いて、決まりきった仕事に向いている。
 利口で怠け者というのが、トップのリーダーとして仕事をする資格がある。
 難しい決定をするとき、クリアな精神と強い神経をもっているからね。
 用心しなきゃならんのが、馬鹿で勤勉なやつだ。
 責任のある仕事を任せてはならない。
 どう転んでも災いしか引き起こさないだろうから」”

将校の4分類(Army, Navy & Air Force Gazette)


ではなぜ、『ゼークトの組織論』として流布したのでしょうか。

正確な経緯はわかっていませんが、
戦争漫画家・小林源文の著作である『第2次朝鮮戦争 -ユギオII-』
『ゼークトの組織論』と引用されていることが、理由の一つだといわれています。

「軍隊は組織だ、フォンゼークトは組織論をいってるがその通りだ」

第2次朝鮮戦争 -ユギオII-

軍隊で一番必要なのは、勤勉で頭のいいやつ
参謀に適任だ、勝つための戦術を立案できる。
次になまけ者で頭のいいやつ
前線指揮官にすべきだ、必死で生き残るために的確な指揮をするだろう。
次になまけ者で頭の悪いやつ
命令されたことしかできないが充分だ、すべての障害を打ちたおす。
最後に勤勉で頭の悪いやつ
そういうやつはさっさと軍隊から追い出すか、銃殺にすべきだ。
なぜなら、間違った命令でも延々と続け、気がついたときは 取り返しがつかなく なってしまうからだ。

第2次朝鮮戦争 -ユギオII-


作中の引用から、『ゼークトの組織論』として語られていることがわかります。

この作品の初出は、『クルト・フォン・ハンマーシュタイン』についての
著作が日本で和訳・出版されるよりも前でした。
そのため、日本ではゼークトが語った話のように認識されているようです。

ゼークトも、「私はそんなこと語ってないんだけどなあ」
と心中思っていたかもしれませんね(笑)


■まとめ

ちまたで知られている『ゼークトの組織論』は、
実は『クルトの将校の4分類』というのが正しい見解でした。

情報としては間違っていましたが、理論自体は非常に考えさせられる内容でしたね。

最後に、
組織論と聞くと、『鋼の錬金術師』のこのシーンを思い出します。

                                   鋼の錬金術師(15巻)

無能な働き者の上官が、有能な働き者の部下に銃殺されるシーンです。
(上官が無能な怠け者という見解も否めない)

敵軍に対して、無意味な特攻ばかり仕掛け、部下を駒のように扱うという姿勢から戦死者を増やしていたことが経緯です。

まさに、『クルト・フォン・ハンマーシュタイン』が語った、
「愚かで勤勉なものは、害を及ぼすのみであるので、いかなる責任ある立場も与えてはならない」
のお手本のような例ですね。

これを教訓に自分を省みながら、生きていきたいですね。
最後までご覧いただき有難うございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?